musasabi journal
発行:春海二郎・美耶子
第69号 2005年10月16日 

Back numbers

UK Watch

Finland Watch

Small News

むささびJの
勝手にコラム

むささびMの
「聞いてくれません?」

Green Alliance Club

Front Page



むささびジャーナル第69号です。もう10月も半ば。本当にあっと言う間に月日が経ちます。
2005年もあと2ヶ月ちょっとだけなんですね。

目次
@The Economistの「日本特集」
Aケンブリッジ大学の創立記念募金活動
Bハエ人口の増加
C相対主義の薦め?
D短信
E編集後記

@The Economistの「日本特集」


ご存知の方も多いかと思いますが、10月8日号のThe Economistが「日本特集」をやっています。トーンとしては、比較的日本に好意的なアングルの特集になっています。18ページにわたる企画なので、これを一言で報告するのは私には不可能ですが、政治・経済・外交を中心にこれからの日本を占っています。ほんの一部だけ紹介しておきます。それは日本における少子高齢化について述べている部分です。

人口減少は未来永劫には続かない・・・かもしれない

まず厚生労働省の予測として、これからの日本では、15-64歳のいわゆる「労働人口」が1年に0・7%ずつ減っていき、総人口も現在の1億2000万から1億人(2050年)にまで減少することを挙げています。しかしながら(The Economistらしいのですが)、現在予測されている人口減少が未来永久に続くかというと必ずしもそうではない。同じような傾向にあったフランス、北欧、アメリカではこれが再び上昇している。同じ事が日本でも起こる可能性はあるとのことです。

が、現時点では労働人口の減少は起こっているし、しばらくは続くわけですが、そうなると企業は、これまで以上に女性の労働力に頼る傾向が強くなり、女性の幹部が増えたりもする。となると子供を育てる女性が少なくなり、人口減少はとまらなくなる。女性が働きながら子供も持つために、かつてはオジイチャン・オバアチャンに頼っていたが、当のオジイチャン・オバアチャンが、海外旅行をしたりして「自分の生活」を楽しむ傾向が強くなって、子育て支援を期待することは難しい。

となると公的なお金を使って女性のための育児環境を整えることが必要になる。そのためにも無駄な公共支出を削るという小泉改革がこれからも続けられる必然性が出て来る(bound to continue)というわけです。

また少子高齢化とは直接関係はありませんが、少ない労働人口で大きな生産性を挙げるために、製造業の間におけるロボットの採用と生産性の向上のことも語られています。製造産業では労働人口の減少や高い人件費を嫌って、中国に工場を作ってモノ作りをするところが増えているわけですが、特に電子技術のようなハイテク分野においては、中国の生産性が低く、中国人労働者を管理するのもタイヘン、なおかつ知的財産の保護(中国では特許権の管理がかなりいい加減)などの理由がある上に政治的な関係もよくない・・・というわけで、日本国内で製造を続けるためにロボットを使うケースが増えてくるし、日本は他の先進国に比較すると、労働を機械にやらせる技術というのが進んでいるのだそうです。

日本は「アメリカ型」資本主義にはならない

The Economistによると「日本はアメリカ式の自由市場型経済にはならない」(Japan is not going to be an American-style, free-market economy)のだそうで、その理由と「ソフトバンク・インベストメントのミスター北尾のようなベンチャー・キャピタリストでさえも、企業の社会的責任(social obligations of companies)について語る」として、ミスター北尾がホリエモンのような若き起業家が余りにも金儲けのことばかり考えすぎることを批判していると伝えています。

政治について、先ごろの小泉・自民党の大勝利から野党が学んだことは、政治に必要なのは「カリスマ、明白なメッセージ、そして変革を推進する姿勢」であるということで、いずれは野党の若い政治家の時代が来る(Their time will come)と予測しています。

外交:日本は欧州の英国と似ている!?

外交については、「中国による日本イジメに呼応して自民党にはタカ派的な意見が強くなっており、これが国民の間におけるナショナリズムに火をつけた部分はあることはある」としながらも「日本は基本的には平和国家である続けるだろう」として、日本が核保有国になることは「殆どあり得ない」(little likelihood)と分析しています。またちょっと面白いと思ったのは、アジアにおける日本について「欧州における英国と似ている」として次のように報告していることです。

When comparisons with the European Union are made, it is often assumed that the right analogue for Japan is Germany, since both were defeated in 1945. But that does not feel quite right. Japan's situation is akin to Britain's in many ways, being in Asia but not entirely of it, and having a closer relationship with the United States than with its neighbours. Yet during the next few decades, Japan's ambition should arguably be to do what France once did successfully in Europe: to be the Asian country that aims to use regional institutions to give itself a greater voice in world affairs, and to prevent its hefty neighbour from pushing it around. Except, of course, that it will want to remain on friendly terms with the Americans.

つまり日本は「アジアに位置するけれど完全にアジアというわけではない。また近隣諸国よりもアメリカと緊密な関係にある」という点で英国と似ているというわけです。しかしながらこれからの日本を考えると、「かつてフランスが欧州で試みて成功した例に倣うべきだ」としています。即ち「アジアの一員としてアジアの組織や体制(institutions)を利用しながら、世界的な発言権を増すことであり、強い隣国(中国のこと)にこずき回されるのを防ぐこと」というわけです。但しフランスとの違いは「アメリカとの同盟関係はこれからも維持することを望むであろう」ということ。

日本は「着実で豊かで信頼性のある亀」であるべし

またThe Economistは日本特集に関連して、社説の部分でも日本のこれからについて語っています。その結論部分で、日本の対中関係について次のように語っています。

If all that is done, however, great prizes are within reach: rising productivity, rising living standards, a rising international reputation and, above all, a rising chance to face up to China on equal, or even superior, terms. Japan's relationship with China is a scratchy, tense affair; the latest dispute concerns gas and gunboats. If conflict-diplomatic or military-is to be avoided, Japan needs to become stronger, but also to foster other Asian alliances, perhaps through European-style regional institutions. To its Asian neighbours, the Chinese hare is impressive but also worrying. A Japan that showed itself to be a steady, prosperous and reliable tortoise would be an appealing counterweight. In Japanese fables tortoises do win races, but they are also something else: they are symbols of potency.

様々な改革などが為されるならば、報いは大きいだろう。生産性も生活水準も上がり、国際的な評判も高くなる。そしてなんといっても、中国との関係は対等あるいは中国の上に立つものになる可能性さえもあるだろう。現在の対中関係は緊張感に満ちている。最近では紛争にはガス(開発)や砲艦(の出没)の問題もある。日中間の紛争(外交的なものであれ軍事的なものであれ)を避けようとするならば、日本はもっと強くなる必要があるし、他のアジアの同盟国との関係を強くする必要がある。それは欧州スタイルの地域的な組織作りによって可能となるかもしれない。アジアの近隣諸国にしてみれば、中国の疾走は"印象的"かもしれないが、不安に駆られるものでもあるのだ。日本が「着実で豊かで信頼性のある亀」として自らを示すことができるならば、(中国との関連で、アジア諸国にとっては)魅力的なカウンターバランスを提示する国となるであろう。日本のお伽噺では、亀は競走に勝つことになっているだけではなく、秘めたる力のシンボルともなっているのである。

  • あれは今から30年ほど前のことだったか、The Economistが掲載した日本特集の見出しを今も鮮明に覚えています。MUST JAPAN SLOW DOWN? というものでした。当時、日本は(今の中国に似て)日の出の勢いの経済力で世界中にモノを売りまくっていたわけです。それに対して海外から「もっとゆっくりやれ」というような批判が出ていた。そういう傾向に対するアンチの姿勢を示したのがこの雑誌であったわけです。非常に残念ながらその記事の切り抜きがどうしても見当たらない!
  • それはともかく、いま必要なのは「反中国」的な愛国心ではありませんよね。日本の国内をもっと住みやすい場所にすることですよね。中国や韓国が日本をどのように思おうと、我々にはどうにもならないし、はっきり言って関係ない。

back to top

 
Aケンブリッジ大学の創立記念募金活動


9月24日のDaily Telegraph紙サイトに掲載されたエッセイによると、ケンブリッジ大学が2009年の創立800周年の記念事業のために資金集めを開始したそうです。目標額は10億ポンド(約2000億円)なのだとか。このエッセイを書いたCharles Mooreという人によると、英国内の大学で最もドロップアウト率が低いのがケンブリッジだそうで、97・9%の新入生が卒業するのだとか。2番目がオックスフォードで95・1%。

ブレア政府は大学教育を普通の人々にも広めようという意図もあって、オックスブリッジのようなエリート大学には風当たりが強い。例えば大学はもっと公立高校の出身者を受け入れるべきであるという考え方で発足したのがOffice for Fair Accessなる政府組織なのですが、この組織によるとケンブリッジ大学は「余りにも金持ち階級風」(too middle class)なのだそうです。その根拠は入学者のわずか11・4%が「下層階級」(lower class)であることで、オックスフォードの場合はこれが11・5%ということで、ケンブリッジに次いで気に入らない大学と見なされている。

それに対してLondon Metropolitan Universityの場合は96・4%が公立高校の出身でオーケー。但し新入生が卒業まで残る率は52・2%だからオックスブリッジよりはかなり低い。ちなみにオックスブリッジへの入学者のうち公立高校出身は56・9%(ケンブリッジ)・53・8%(オックスフォード)と確かに低いことは低い。

この筆者によると、ケンブリッジ大学による募金活動の目標額がこのように大きいことは「世の中が良くなった兆候」(symptoms of something good in society)であるそうです。つまり優れた教育機関を自分たちのお金で守ろうという感覚が芽生えているということを示すものであるということです。彼はそうした傾向の背景としてサッチャーによる経済改革よって、英国に「金持ち」が増えたことを挙げており、アメリカのように金持ちの卒業生が大学を支える傾向にあるのはいいことだというわけです。

Charles Mooreによると、15年前に比べると政府から大学への交付金は40%も減っているのだとかで、ケンブリッジについていうと学生一人当たり年間6000ポンド少なくなっているのだそうです。「ブレア政府は、お金は出さないのに口は出す」と、政府の大学への介入主義を批判しているのですが、その例としてOffice for Fair Accessがオックスブリッジが公立学校の学生を入学させる率が低いのは、両大学の「エリート主義のなせるわざ」であると批判していることを挙げています。

この人に言わせると、公立学校からの入学者が少ないのはそれらの学校における教育水準が低いからで、オックスブリッジのせいではない。かつてグラマースクールという制度によって、金持ちでなくても成績優秀者は優れた教育を受けることができたのに、これを廃止しておいて大学に文句を言うのは筋違いというわけです。ハロルド・ウィルソン、エドワード・ヒース、マーガレット・サッチャーらの首相は、皆グラマースクールの出身なのだそうです。

Charles Mooreは、英国がmiddle class societyになったことで、アメリカのように卒業生が自らの募金で最高の教育を守ろうとするのは喜ばしいことであるとして、政府は余計な干渉をすべきでないとしています。

  • 私や私の子供たちには関係ないのですが、日本でも最近は金持ちでないと東大には行けないというのは本当ですか?

back to top

Bハエ人口の増加


サザンプトン大学のDave Goulsonという科学者によると、英国におけるハエの人口(ハエの場合は"人口"とは言わないか?) 増えており、このままでいくと2080年までには現在の2・5倍にまで増え、これが下痢が増える原因にもなりかねないそうであります。

ハエ人口増の最大の原因は地球の温暖化で、ハエが卵から孵化するのに要する期間は32℃だと12日間、もっと涼しいと1ヶ月はかかる。Goulson教授によると気温が2-3℃あがるだけで、ハエの増加率には大きな影響を与えるとのこと。気温があがるとハエの数が増えるだけではなくて、寿命も伸びる。

英国ではCampylobacterという種類のバクテリアによる下痢が最も多いのだそうで、その患者数が1988年には28,761であったものが、2003年には46,178にまで増えているという報告もある。で、どうするのかということですが、ハエを好んで食するクモだのツバメだのが増えてくれれば、ハエ人口も自然淘汰されるのですが、それは期待できないらしい。

結局のところ食べ物にハエがたからないように被いをするとか、屋外でのバーベキューなども少しは気をつける・・・という極めて常識的な手段しかないのだそうです。それから食べ残しをコンポストにすることによって、生ゴミの量を減らすということも有効だ、とGoulson教授は言っています。

  • つまりそれほど画期的な解決なんてないってことです。

back to top

C相対主義の薦め?


以前にも紹介したことのあるNew Statesmanは英国左翼のオピニオンマガジンとして知られていますが、最近のサイトを見ていてSholto Byrnesという人のエッセイが面白いと思いました。かなり長い論文なので、すべてを紹介することはできませんが、興味をお持ちの皆様には原文をお送りすることができます。タイトルがなくて、次のようなイントロで始まっています。

'Our faith in western liberal democracy, and our belief that it possesses a superior moral truth, have blinded us to countries with other traditions'(我々の西洋的リベラル民主主義への信仰と、それが優越した道徳的な真実を有しているという信念によって異なった伝統を有する他国について我々自身が盲目になっている)

筆者はThe Independentのスタッフライターらしいのですが、この論文のポイントは次の書き出しに要約されています。

If you say that different cultures are entitled to their own views on right and wrong you will be howled down as a "relativist". But since when did the west have a monopoly on wisdom?(それぞれに異なった文化が、ことの善悪について異なった考え方を持っているなどと言おうものなら、「相対主義者」としてののしられてしまう。いつから西洋は「英知」を独占するようになったのであるか?)

英国ではサッチャーさんが首相になったあたりから「強い指導力」とか「信念の政治家」などがもてはやされるようになり、それを受け継いでいるのがブレアというわけです。英国のインテリの間で、特に嫌われているのが「相対主義」(relativism:人間いろいろあるから、一概にこれがいいなんて言えないよな、という考え方)です。筆者によると「イスラム社会にはそれなりの考え方ややり方がある」などと言おうものなら、その時点で退けられてしまう。世界中どこへ行っても西洋風リベラル民主主義を受け入れない国などあり得ない、という信仰に凝り固まっている。絶対的善というわけです。

ただこの筆者によると、そうした頑な「信仰」のおかげで、欧米も随分損をしている部分があるというわけです。例えば、イラクのサダム・フセインという人物が悪い独裁者(evil dictator)であったことに異論を挟む者はいないかもしれないが、欧米の政治家たちは、彼を追放した後のイラクにリベラル民主主義が直ちに花開かないということに驚いたり、まごついたりしている。欧米流の「民主主義的な選挙」によって、イラク人はイスラム国家(民主主義国家ではない)の樹立を目指す政府を選んだりしていることに大いにまごついている。

欧米のリベラル民主主義信仰者によれば、サウジアラビアを支配するサウド家などは独裁者の見本のようなものですが、この国で「民主的選挙」をすれば、オサマ・ビン・ラディンが勝利すること間違いない・・・というわけで、欧米の知識人は、リベラル民主主義ではないかもしれないが、破壊的テロリストでもないサウジの体制と共通項を見つける努力をすべきだ、というのが筆者の主張です。

この論文を筆者は次のような文章で結んでいます。少し長いのですが紹介します。

We in the west continue to maintain that we know better, and that we have the right to impose our values on the rest of the world. While we continue to enjoy superiority in wealth and weaponry we can get away with it. But what if one day the objects of our lecturing turn round and demand, "Says who?" If, in their fury, their response goes beyond words, we should not be surprised.(我々欧米人は、自分たちこそがものごとを誰よりも良く分かっており、我々は自分たちの価値観を他の世界(の人々)に押し付ける権利があると主張し続けている。我々に(彼らよりも)優れた富と武器がある限りにおいては、それも成り立つかもしれない。が、ある日・ある時、自分たちのレクチュアの「生徒」たちが振り返って「あんたら何さまだと思ってるんだ」と言うことになったら?もし彼らの反応が怒りに満ちて、言葉を超えたものになったとしても、我々は驚くべきではないだろう)

  • 英国にポール・ジョンソンという歴史家・批評家がいます。もう生きていないかも。この人の書いたMODERN TIMESという本は1920年代から1990年代の終わりまでの世界史が書いてあるのですが、それによると「世の中に絶対というものはない」という考え方は、20世紀の初めにアインシュタインという人が「相対性理論」なるものを発表したのと時を同じくして人々の間に広まったのだそうです。

back to top

D短信


80年無事故運転

100才だってのにクルマを運転しているお爺さんがいて、80年間無事故であるというわけで、保険が割引されることになったという話がベルギーにあるそうです。Cyriel Delacauwという名前(どうやって発音するんでしょうか?)で、買い物・釣り・ビリヤード等など、いまだにクルマで行くらしい。どの程度の保険割引になるのか、保険会社は明らかにしていないけれど「80年無事故ですからねぇ・・・かなり安くしなくちゃ」というコメントは出している。ちなみに本人は「110才までは運転する」といっております。

  • 80年無事故といってもそれは過去のことだし、100才の運転じゃ保険は却って高いのかと思った。

筆記試験に37回失敗

これもクルマのハナシで、しかも同じベルギーでのこと。ある女性(名前はプライバシー保護のため明らかにされていない)が、運転免許の筆記試験にパスしたのですが、これがなんと38回目の挑戦だったそうであります。37回落ちたってことです。これで晴れて実地試験が受けられる、と本人は大喜びです。それにしても何でまた37回も落ちたのでありましょうか?この点について彼女はHaf Laatse Newsという新聞に「つい固くなってしまって・・・」と語っています。ちなみにベルギーにおける筆記試験の受験料は一回につき約2000円だそうです。

  • 固くなって「実地試験」に落ちるってのは分かるけど・・・筆記試験に37回も失敗するもんですかね。

屋外でカボチャの種を食べると罰金

ルーマニアにBarladという町があるらしいのですが、このほど町役場が町民に出した命令が変わっている。ヒマワリやカボチャの種を屋外で食べてはならぬというもの。とにかく住民が吐き出すこれらの種で道が汚れて仕方ない「まるでカボチャの種のカーペットのようだ」というクレームが清掃係によって告げられたことがきっかけだったそうです。この命令違反に対する罰金の額はまだ決まっていないらしい。

  • タバコの吸殻で道が汚れるってのはあるけど、ヒマワリの種で「カーペット」を作るのはかなりの量ですよね。確かリスが好んで食べますね。

back to top

E編集後記


●阪神タイガースの上場問題について、10月15日付けの朝日新聞で大阪学院大学教授の国定浩一という人が、村上ファンドを批判して「子どもに夢を与えるスポーツに金をからませるのはよくない」と言っています。この人はタイガースの私設応援団の顧問という肩書も持っているようです●この記事の見出しは「心の誇りに札束そぐわぬ」となっていることからも察しがつくと思いますが、村上さんのやっていることは、阪神ファンの「純粋な気持ち」に土足で踏み込むようなものだと考えているようです●この教授によると阪神ファンは甲子園球場での阪神の試合を「観戦」ではなく「参戦」に行くのだそうで、タイガースの戦いぶりに「自分の人生まで投影する」のだそうで、そのあたりが「他球団のファンの密度とは全く違う」と言っています●実は今から50年前から30年ほど前までは私も「トラキチ」でありました。30年ほど前にそれを止めたのは、この教授のような阪神ファンが増えたように思えたからであります。気持ち悪いのでありますよ、テレビで観る甲子園のあの熱狂が●上岡龍太郎というタレントは無類のトラキチ。彼がたまたま足の爪を切りながらテレビで阪神の野球を見ていたら、自分の贔屓の選手がホームランを打った。で、それ以後、その選手が打席に入るたびに足の爪を切るようにしたので「深爪してしもて・・・イタイですわ」と言っていました。ウソでもこれなら許せる●50年前のタイガースをご存知の方、是非メールをください!そう、吉田義男、小山正明、渡辺省三、三宅秀史たちがいた、あの阪神です・・・ったってわっかんねえだろな、国定教授には。

back to top

 

letters to musasabi journal