売上げ好調、小さくなったGuardian
英国の新聞業界の専門紙Press Gazetteによる英国の新聞業界事情を読んでいると、あちらの業界の方が日本のそれよりもいろいろな動きというか変化のようなものが激しいように思えますね。最近のサイトに出ていた記事の中で面白いと思ったのは、Guardianという新聞が、今年9月にサイズを小さくしたところ、売上げが40万部を突破したというニュース。これは2003年12月以来2年ぶりの快挙なのだそうです。8月の34万部に比較すると6万部も増えていることになる。
これだけだと新聞業界に身を置いて、しかも英国の新聞事情をウォッチングでもしているのなら「へぇ、そうなの」となるかもしれないけれど、普通の人にはどうってことない記事ですよね。私のようにほんの少しだけでもこの業界と接している人間にとっては興味をそそられるニュースではある。
例えば発行部数の40万部についてですが、日本の日刊・全国紙(朝日とか毎日とか読売とか)と一ケタ数字が違う。読売は1000万部、朝日は800万部などと言われている。Guardianという新聞は40万という部数でも経営が成り立っている。日本とは事情がかなり違うようでありますね。
次にサイズを小さくした件。Guardianの場合はタブロイドよりも少し大きいBerlinerとかいう版なのだそうですが、いずれにしてもかつての大判をかなり小さくして売上げを伸ばしている。実は英国ではThe
IndependentとThe Timesの2紙もタブロイドにして部数が伸びている。何故、サイズが小さくなると新聞が売れるのか?私自身が手にした感覚によると、通勤客が持ちやすい、(電車の中で)読みやすいというのが最大かつ唯一の理由ではないかと思ったりするのですが。この記事を英国内で読んでいる方のご意見はいかがですか?
BBCがアラビア語のテレビ放送
2007年にBBC World Service TVがアラビア語のテレビ放送を始めることになっているのですが、これに伴ってブルガリア語、タイ語など10ヶ国語のラジオ放送が廃止されるとのことで、アラビア語放送の始まりで200人程度の雇用があるのですが、廃止されるラジオ局で働いていたスタッフ約200人がリストラなのだそうです。新しいアラビア語のテレビ放送は、ビン・ラディンの肉声を流したり、爆撃されるイラク市民の様子を延々放送したりで有名なあのアルジャジーラに対抗して始まるとされています。BBCの海外放送は外務省からの資金提供で成り立っているのですが、この新しいサービスのために余分な予算は提供しないという方針であったので、仕方なしに他の言語放送(ラジオ)を削ることになったもの。アルジャジーラに対抗という意味ではアメリカが2004年2月にアル・フーラなるテレビ局を作ったのですが、中東での人気はぱっとしない(最近のThe
Economist誌)らしい。BBCは「信用度(クレディビリティ)の点ではBBCの方が上」ということで自信はありそうです。
デジタル写真の使用禁止時間に疑問の声
10月13日付けのPress Gazetteによると、国際サッカー連盟(FIFA)が「ワールドカップの試合の写真に関しては、試合終了後1時間以内には報道目的で使用してはならない」と決めたのだそうです。普通の新聞については特に支障はないのですが、インターネットによる報道については1時間も使用禁止というのはいたい。世界新聞協会(WAN)のティモシー・ボールディング事務局長は「編集権利の侵害だ」と怒っていますが、この新聞ではFIFAは禁止の理由が説明されていないのでイマイチよく分からない。
パブ業界紙の主張
現在、英国でパブを始めとする飲み屋さんの24時間営業を合法化しようという動きがあるのですが、Daily Mailという新聞が『パブの24時間営業に反対しよう』(Say
No to 24-hour Pubs)というキャンペーンを行ったところ、パブ業界紙のPublicanが「パブ差別だ」これに抗議、業界関係者にDaily
Mailの不買運動を呼びかけた。びっくりしたDaily Mailは「我々はパブに反対しているのではなく、深夜の飲酒に反対しているのだ」というわけで、キャンペーンのタイトルをSay
No to 24-hour drinking(24時間飲むのは止めよう)に変えておさまったのだそうです。
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