musasabi journal

 むささびジャーナル580号
2025年5月18日
 
今号も前回同様、写真中心の「むささび」になってしまいました…


ガザに生きる

プロの写真家の国際的な集団である Magnum のサイトに "On Girlhood in Gaza:ガザに生きる女性たち" というタイトルの企画が掲載されています。ガザは、現在イスラエルによる爆撃の対象として国際的な注目を集めていますが、この特集企画は、そのガザに生きる3人の若い女性に、このエリアで暮らすことの意味などについて語ってもらっている。


 
 撮影したのは Alessandra Sanguinetti (アレッサンドラ・サンギネッティ) という1968年ニューヨーク生まれの女性の写真家で、撮影時期はいずれも2020年のようです。

 Hana: 14才

私はパレスチナ人。自分の国の困難については知っています。
2020年の爆撃で兄弟や姉妹が亡くなりました。
素晴らしい自分のファミリーのことを知っており
本当の苦しさを知っています。
たまには自由の良さも味わい、
自分たちの苦しみを忘れることもあります。
自分の母親や兄弟のことを懐かしく想い出します。 
 


 
 Rania: 16才
 
昨年(2014年)夏、私たちは爆弾の音に目を覚まされました。
イスラエルによるガザ侵攻の始まりでした。
最初のうち聞こえてきたのはミサイルの音でしたが、
それはすぐに爆撃機や戦車からの発せられる銃音に代わりました。
普段着のままま自宅を逃げ出して親戚の家へ逃げ込みました。

一か月後に戦争が終わり自宅に戻ると、
ウチの近所はメチャクチャに破壊されていました。
私も自宅も破壊され、玩具や洋服もなくなっていた。
私は泣きながら自分の部屋のことを想い出そうと…。

 
 
Amani: 16才
 
戦争で思いつくのは、爆弾の破裂音と火災による臭い、
爆撃機の飛来と恐怖にすくむ人びとの姿…。
学校での食事はお米。お金も着るものもなかった。
私が感じたのは、
これからどうなるのかについての恐怖・疲労・不安などでした。

いつの日か、ガザが占領もされなくなり、
外国へも自由に行けるようになりたい。
神のご意思によって、必ずや再び自分たちの国になるだろう。
God willing, it will return to us, for sure.

<むささびの鳴き声>

▼この女性たちを見ていると、戦争に明け暮れる国のことなど全く浮かばない(と思う)けれど、撮影した女性写真家の意図はどの辺にあったのでしょうか?