2006年最初のむささびジャーナルです。私の住んでいる埼玉県は異常な晴天続きで、大雪が降っているところの人たちには申し訳ない気がしないでもありません。先日、あの新潟県山古志村の元村長さん(現衆議院議員)が「ワタシら新潟の百姓には雪は必要です。が、これは少し降りすぎです」と言っていました。確かに・・・。
@エイジコンサーンの講演会
A一日300ポンド!のジャーナリスト養成学校
B狂牛病、口蹄疫、そして・・・
Cロンドンの渋滞税がさらに進化?
D短信
E編集後記
関西でむささびジャーナルをお受取り頂いている皆様にお知らせしておきますが、1月20日(金)午後1時半から4時まで、大阪市住之江区南港北というところで、老人福祉問題に関連する講演会があります。主催はNPOのエイジコンサーン・ジャパン(ACJ)という組織なのですが、この講演会(有料)はACJの本家とも言える英国のAge
Concernというチャリティ組織から講師を招いて、英国における高齢者介護のシステムやトレーニングの方法などについてディスカッションをしようという試みです。詳しくは主催者のサイトをクリックしてみてください。
私に送られてきたチラシに見る限りにおいては、どちらかというと介護のプロ、あるいはそれを目指す人たちのための集まりのようです。英国のAge
Concernは創立65年の歴史を持ち、職員数は6000人(!)が、1600の支部で働いているそうです。ボランティアの数は25万人だとか。
今回の講演会はともかく、私としては、このエイジコンサーン・ジャパンという組織の行く末が気になっています。どこが気になるのかというと、それが「英国の知恵」を採用して、日本の老人福祉という問題に取り組もうとしているという点です。何故この部分が気になるのかについては、かなり回りくどい説明が必要になります。別のところに掲載しますので、興味がおありの方はここをクリックしてみてください。
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メディア関係者の専門紙Press Gazetteのサイトを読んでいたら、National Council
for the Training of Journalists という組織があることに気がつきました。直訳するとジャーナリスト養成全国協議会ってことになるか・・・。要するに記者養成のためのコースを提供している組織ですが、independent
registered charityというから一種のNPOなのでしょうが、創立1951年という歴史を誇っています。
既に記者として仕事をしている人たちの質の向上が主な業務のようですが、これからジャーナリストになりたいという人のための養成講座なども提供している。
Press Gazetteに掲載されていたニュースで興味深いと思ったのは、この組織が主催する全国テストがあって、その成績優秀者の名前が公表されていたことです。Press
Gazetteによると、昨年10月に行われたテストの結果senior journalistと呼ばれるに足る成績を収めたのは116人、受験者の49%にあたるそうです。結構厳しい。この場合のseniorは、年齢のシニアではなく「経験豊富な」とか「優秀な」とかいう意味で使われています。
今回senior journalistテストに合格したのは、いずれも現役の記者で、所属新聞社の名前からすると全員が地方紙の記者のようです。いずれにしてもこの組織のテストに合格すると、Press
Gazetteに名前まで公表されるのだから、鵜の目鷹の目で優秀な記者を探している新聞経営者たちの目に付いて、転職のきっかけにはなるでしょうね。
ちなみにこの組織のサイトを読んでみたら、養成コースの一つに「インタビューの仕方」というのがありましたが、これが何と1日コースで授業料295ポンド(+付加価値税)・・・これって殆ど6-7万円ってことになりません?一日ですよ!まさか私の計算違いではないと思うけれど、これだけ払うのなら余程実になる授業をしてくれないと・・・。通信講座もあるようです。この組織のサイトはhttp://www.nctj.com/です。
- 私はジャーナリストではないけれど、日本の場合、ジャーナリストが会社を移るということは余りないのだそうですね。全然ないというわけではないけれど、余り普通ではない。そういえば私が存じ上げている、あるジャーナリストの場合、国際ニュースの記者であったのに、いつの間にか事業部という部署で展覧会の主催なんて仕事をやっていました。その人の場合、新聞記者というよりも、その会社の社員であったというわけです。
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最近、英国の畜産農家の間で、アナグマ(badger)が牛の伝染病のもとになっているということが問題になっています。bovine
TB(直訳すると"牛結核")という伝染病なのですが、これに感染する牛の数が一年に18%の割合で増えており、今のうちに食い止めないと、将来は人間に感染しないとも限らないというわけで、政府も年間9000万ポンドの予算を使って牛結核の原因を調査しているそうです。ただ農家の間では、原因がアナグマにあり、その対策としてはアナグマの駆除(cullying)しかないと主張しています。
これに対して「駆除なんて許せない」(totally unacceptable)とカンカンに怒っているのが、動物愛護協会(RSPCA)で「牛結核が広がっているのは、牛そのものの移動によるもので、アナグマが運んだというのは言いがかりだ。アナグマ駆除の前にもっと調査研究をするべきだ」と主張しています。
英国では、アナグマは1980年代から特に保護され、増加してきた動物なのだそうで、特に農家が牛の飼料としてのトウモロコシ(maize)の生産に力を入れ始めたことが繁殖に輪をかけたらしい。これはアナグマの好物なのだそうです。
bovine TBを伝播しているのがアナグマだというのは、英国獣医協会も支持しているそうで、この協会もまた駆除しかないと言っているそうですが、世論調査などを見ると「駆除反対」が90%を超えているとかで、政府としてもアタマが痛い。特に労働党政権は、キツネ狩りを禁止したりなどして「動物愛護」の政府みたいに言われてきたので、愛護団体からのロビー活動には特に弱いのだそうです。
- 英国というと「動物愛護」のチャリティが極めて大きな力を持っていることで知られていますが、何故か狂牛病や口蹄疫のような動物がらみの怖ろしげな病の発生国としても知られてしまっています。このギャップはどうなっているのでしょうか?
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ロンドンがクルマの市内乗り入れ規制のために「渋滞税」(congestion charge)なるものを徴収し始めたのは、今から2年前の2003年2月。導入にあたっては商店街あたりから文句が出たりするなどして、効果のほどを疑問視する声が高かったのですが、どうやら結構うまくいっているらしいです。最近のThe
Economistによると、これが導入されてから、乗り入れ規制地区に入る車の数は18%も減ったし、交通渋滞については30%も緩和されたとされています。
成功に気を良くしたのか、ロンドン交通局(Transport for London)が、これをさらに向上させようという実験を行っているのだそうです。現在のシステムでは、朝の7時から夕方6時半までの間に乗り入れ規制区域に入るクルマについては、一律8ポンド(日本円で約1600円)が徴収されるのだとか。実際にどの程度の渋滞があるのかとか、そのエリアに何分くらい「滞在」したのか等ということに関係なく同じ額が請求されるのが余りにも「画一的」(crude)というわけです。
現在のシステムでは、乗り入れ車のナンバープレートや運転手の写真をカメラで撮影するという方法をとっているのですが、実験中の新システムはtag
and beaconと呼ばれるもので、全てのクルマに電子タグを装着させ、これを道路に設置されたマストのビーコンが感知するというもの。写真システムの場合、プレートやドライバーの割り出し精度は75%程度なのだそうで、イマイチ信頼性に欠ける。しかしtag
and beaconの場合はこれが99%にまで向上するらしい。
現在の制度では、渋滞税はその日の夜中までに払わないと罰金が加算されるらしく忘れっぽいドライバーには評判が悪い。新システムを採用するとドライバーは料金を自動的に引かれるので、払うのを忘れて余計に取られるということがなくなる。
その他、ロンドン交通局では新システムの導入によって、道路の実際の渋滞度合いに応じて渋滞税の額を変えることなども可能だとしています。
- 東京の渋滞税構想はどうなっているのでしたっけ?それからこれは渋滞税とは違いますが、1年半ほど前にオックスフォードへ行ったときに、市内繁華街へのクルマの乗り入れ規制が徹底しているのには驚きました。町の外れまで自家用車で来て、そこからはバスに乗る、Park
& rideというやり方です。
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ドッキリ・カメラで有罪判決
ベルギーの「ドッキリ・カメラ」のテレビ番組のプロデューサーが裁判で有罪判決を受けたという話題。舞台はある葬儀社で、棺桶の中に死人が横になっている。で、葬儀社の掃除婦3人に対して死人が着ているコートのポケットからカギを取って来るように依頼した。掃除婦たちがおそるおそる棺桶に近寄ると、死人が急に生き返って飛び出してくるという設定。掃除婦たちが真っ青になったところで、「今のはドッキリ・カメラでございます」というので大笑い・・・で済むはずだったのですが、このギャグがもとで精神的な苦痛を味わったというので掃除婦たちが訴えたというわけ。最初は無罪だったのですが、控訴審で執行猶予付きの有罪判決だったそうです。
- でしょうね。いくら何でも、これで無罪はまずいよね。
コーデュロイ禁止命令
英国の海岸リゾート地にLowestoftとGreat Yarmouthという場所がある(らしい)のですが、この二つの町の鉄道駅で仕事をするタクシーの運転手たちにとって厳しすぎる服装規則(dress
code)が不満のタネになっています。男の運転手は黒いズボンに黒い靴、襟付きのシャツ(又はポロシャツ)を着用しなければならないし、女性は黒のスカートに襟付きのブラウスというわけ。これに違反した者は駅で客待ちは許されない。これを申し渡したのが駅の持ち主である鉄道会社だけに、運転手としても逆らえない。運転手たちにとって特に気に入らないのがコーデュロイのズボンはアウトという規則。「運転手がきちんとした身なりをすることが大事だからジーンズだのTシャツだのはまずいというのは認める。でもコーデュロイのどこが悪いんです?」というわけ。鉄道会社の担当者によると、「一時はコーデュロイも認められていたが、色あせた惨めなものを着用する運転手がいたから・・・」と禁止に踏み切ったのだそうです。
- ウーン、これは運転手の言い分を認めたいですよね。コーデュロイというのは温かみがあっていいじゃありんせんか?
犬専門のベーカリー
犬用のパン屋さんがパリにあるんだそうですね。アメリカからラブラドール犬と一緒にパリに移り住んだハリエット・スチブンソンさんが始めたもの。もともとパン作りが趣味で犬が大好きということで始めたのがMon
Bon Chienなるパン屋で、例えば猫の形をしたベーコンビスケット、骨の形をしたホアグラクッキーなどを売っている。自分で作るのだそうで、一日に200-300個くらいのビスケットを焼くのだそうです。「まず飼い主が来て買って行きますが、次からはワンちゃんを一緒に連れてきて好きなものを選ばせますね」とか。「ハロウィンやクリスマス特集をやったから・・・次はバレンタイン・デーかな」と張り切っています。
- こういうのって気持ち悪いんですね。犬でしょ?フランスパンの味噌汁漬けあたりで十分なのさ。何がホアグラだよ!と言いたい。
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●大晦日の歌番組と言えば、何と言ってもテレビ東京(東京ではテレビ東京ですが、別のところでは別の名前かも)のナツメロ番組がダントツの出来ですよね。夕方の5時ごろからやる、あれです●ナツメロ番組だから、視聴者は(私も含めて)歌を聴きながら「あの頃」の想い出に浸るわけですが、笑える部分もあります。40年も前に流行った青春歌謡で、その内容が「喫茶店でキミとコーヒーを飲みながらビートルズを聴いたね・・・」というようなもので、歌っているのがはげアタマのオジイチャン歌手。そのアンバランスが泣かせるわけです●昨年(2005年)の番組では松山惠子という歌手が「お別れ公衆電話」というのを歌っていました。恋人との別れを公衆電話で・・・というものなのですが、今じゃそれもケータイだもんね●
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