musasabi journal

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473号 2021/4/11
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BREXIT 美耶子の言い分 美耶子のK9研究 むささびの鳴き声 どうでも英和辞書


もう4月も半ばなのですね。梅に比べると桜は、あっという間に散ってしまいますね。「静心なく花の散るらん」はどう考えても桜、それも街中(まちなか)で人に見られている桜のこと。埼玉県の山奥へ行くと、誰にも見られることなく咲いている桜があるんです。これが「静か」なのです。「もろともに あはれと思へ 山桜 花よほかに 知る人もなし」という、あれです。奥山にひっそり咲いている、あの桜は誰が植えたのでしょうか?野生の桜なんてあるんですかね?

目次

1)スライドショー:アメリカ、夜の街角
2)北アイルランドが燃えている
3)日本は不平等社会か?
4)メディア世界の人種差別
5)どうでも英和辞書
6)むささびの鳴き声


1)スライドショー:アメリカ、夜の街角

BBCのサイト(3月30日)に
  • Photographing the "endless diversity" of America by streetlight 街灯で浮かび上がる限りなきアメリカの多様性を撮影する
という見出しの記事が出ています。ダニエル・フリーマンという英国の写真家が、10年がかりでアメリカ中(約4万キロ)を歩き回って撮影した作品を集めた写真集(Midnight on Main)を出版したことを記念して、その作品を紹介している。いずれもどうってことない小さな町のどうってことない風景ばかりなのですが、変わっているのは、どれもが夜の風景で、人間がひとりも写っていないこと。どれも街灯や建物の中から漏れてくる灯りに浮かび上がる景色ばかり。

しかもどの写真も町の名前が一切出てこないから、同じ場所へ行ってみたいと思ってもできない。フリーマンによると、町の名前を明かさないことで、「アメリカの小さな町の夜」という全体のイメージを強調したかったとのことであります。夜陰に浮かび上がるこれらの街角は、確かに「無名」だから写真として面白いのかもしれない。観光促進キャンペーンのための写真集ではないのだから。

▼むささびが初めてアメリカという国を訪問したのは半世紀以上も前のことだったのですが、いまだに忘れられないのはその旅行で乗ったGreyhoundの周遊バスの旅です。99ドルで好きなところへ行けるというものだったのですが、夜中も走り続けるわけで、その際にバスの窓から見えたのがこのような景色だった。

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2)北アイルランドが燃えている

むささびのメールボックスには、毎日のように保守派のマガジン、The Spectatorからニュースレターが送られてきます。主に英国内の政治に関係したニュースが多いのですが、4月9日付のレターは "Disunion" という見出しで、最近の英国内で進展しているように思える「UK解体」の動きについて語っています。一つはスコットランドにおける独立の機運、もう一つは北アイルランドにおける暴動騒ぎについて語っています。


まずスコットランドですが、この5月に議会の選挙が行われることになっており、どうやら与党のスコットランド民族党(Scottish Nationalist Party:SNP) が勝ちそうな雲行きらしい。SNPは「次の選挙で勝ったら再度独立に関する国民投票を行う」と約束している。2014年に行われた国民投票では、独立賛成が160万票(44.7%)、反対が200万票(55.3%)でSNPの主張は実らなかった。あのときと今回の違いはBREXITです。EUから離れたUKにスコットランド人がどのような将来像を描いているのか?スコットランド独立の是非を問うということは、ボリス・ジョンソンの言うようなGlobal Britainを目指すのか、EUという共同体の一部として生きるのか?という選択肢の話になる。


The Spectatorの記事がスコットランド独立以上に気にしているのが北アイルランド情勢です。北アイルランドはかつてのようなテロ騒ぎこそ鳴りを潜めてはいるけれど、英国の一部であり続けることを主張する右派(ユニオニスト)とアイルランドへの帰属を望むナショナリストの対立は全く解消してはいない。むしろ対立状態を受け入れることで、とりあえず戦闘状態にはならないことで落ち着いている感じで、首都のベルファストにはユニオニストとナショナリストのエリアを隔てる壁が出来ている。

それが最近になって、特にユニオニストの若者たちによる暴動騒ぎが頻発するようになっている。それも(例えば)BREXITやアイルランド愛国主義のような政治性を帯びた騒ぎというより、右派系の若者たちを中心とする、北アイルランド和平そのものが気に入らないという欲求不満の暴力沙汰の色彩が濃い状態が続いている。


ジョンソン首相はこれらの暴動騒ぎを非難、中央政府から閣僚を派遣したりしているけれど、北アイルランドでは保守派の政治家でさえもボリスが進めたEUとの離脱交渉を快く思っていない。北アイルランドとアイルランドの国境を復活させないために、英国本土とアイルランド島の間に検問所(事実上の国境)を置くというアイデアで妥協してしまった。おかげでUKの中で北アイルランドだけが「あちら」(EUのこと)に留まるかのようなことになってしまった。「自分たちは英国の一部だ」とする人びとの欲求不満はなかなか解決しそうにはない。トランプ支持のアメリカ右翼集団を相手にするようなものです。

▼これは確かに厄介です。暴動を起こしているのが、IRAのようなアイルランド・ナショナリストではなくて、英国への帰属を主張する勢力であり、しかも若い人びとが中心となった憎しみ集団なのだから・・・。そもそもBREXITなどやらなければ国境など問題にはならなかったのですからね。

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3)日本は不平等社会か?

IPSOS-Moriという英国の世論調査機関のサイト(3月26日)に「不平等・格差」(inequalities)をテーマにしたアンケート調査結果が出ています。ロンドンのキングス・カレッジと共同で行ったもので、この調査は英国を含む28か国の人びとを対象に行ったもので、参加者が自分たちの社会に存在する様々な「不平等」についてどの程度深刻に受け止めているかを知ることができる。

例えば「地域間格差」(regional inequalities)について、64%のロシア人が「自分の国にはこれが存在する」と感じており、これは28か国中の最高となっている。第2位は韓国の63%、第3位は南米・ペルー(57%)となっており、反対にこれを感じている人間が最も少ないのはドイツ(22%)、サウジアラビア(26%)、日本(27%)などとなっている。

また英国人も半数以上がこれを感じているのですが、これはUKにおけるイングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランドの4つの「地域」の間における格差の問題もあるとは思うけれど、イングランド内部における「南北格差」は常に問題になっている。北イングランドは常にロンドンを中心とする「南」に後れを取っているとされていることも大きい。自国内の地域格差に対する不満という意味では、英国はヨーロッパの他の国よりも強いようで、英国を上回るのはハンガリー(52%)だけ。


ただ、何と言っても最も興味深いと思うのは、「男女間の格差」(inequalities between men and women)についてのアンケート調査の結果です。この件については、世界経済フォーラム(World Economic Forum: WEF)が2021年3月31日公表した「男女格差レポート」で、日本は156カ国中120位だったことが話題になりましたよね。英国は21位だった。あのレポートとIPSOS-Moriのアンケート結果を並べてみると次のようになる。

「自分の国には男女格差がある」と考える人の割合と
それぞれのWEFランキング


このグラフの左側にリストアップされている国の名前とその右側に書いてある数字を見てください。「WEFランク」として掲載されている数字が大きければ大きいほど男女格差が大きい(とWEFが考えている)国ということになる。つまりこの数字が小さければ小さいほど「男女格差が少ない」とWEFが見なしている国ということです。"India: 41%/112" とあるのは、インドには男女格差が存在すると考えているインド人が41%いるけれど、世界経済フォーラムが第三者として他国と比較すると、インドは男女格差が少ない国としては156カ国中の112位という意味になる。

この中で目立つのはフランスで、WEFのレポートでは世界で第15位なのに、格差の存在を認めている人の割合はかなり高い部類に入る。対照的なのが日本で、WEFのランクのランキングでは156カ国中の120位と情けない位置にいるくせに格差の存在を問題視している日本人の割合は25%とかなり低い。スウェーデンなどは格差が少ない点では第4位という成績なのに、格差を気にしているという点では世界平均より高いという数字が出ています。

▼英国人の場合、自国の男女格差を批判的に意識している人は少ない(23%)けれど、WEFの眼から見ても日本などよりは男女格差のはるかに少ない国ということになる。IPSOS-Moriのアンケート調査への参加者の男女別の割合を知ってみたいですね。そういえば現在の駐日英国大使(3月から赴任と書いてある)は女性のようですが、ひょっとすると歴史上初めてなのでは?

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4)メディア社会の人種差別


構造的人種差別 実社会を反映
笑止の沙汰? 米国メディアでは

前号のむささびジャーナルで「王室と英国人」という記事を掲載しました。ヘンリー王子とメーガン妃が英王室と対立しており、その背景は何か?という話題をThe Economistの記事を参考にして語ったものだった。ただその後の英国メディアの報道を見ていると、この問題には「ヘンリー王子とメーガン妃vs王室vs英国世論」というお馴染みのアングルとは全く異なる話題が隠れていたことが明らかになりつつあるような気がします。それは英国ジャーナリズムの世界における人種差別(racism)の問題です。


エリノア・ミルズ編集者会議理事
構造的人種差別

メディア業界の専門誌 Press Gazette のサイト(3月26日)に Society of Editors という組織の理事を務めていたエリノア・ミルズ(Eleanor Mills)という人(女性)が辞任したというニュースが出ています。Society of Editors は英国の新聞・放送など約400にのぼるメディア機関における編集関係者の集まりで、報道の自由を守ることをスローガンとする、「編集者会議」とでも呼ぶべき存在のようです。辞任したエリノア・ミルズ(1970年生まれ)は、昨年3月までSunday Timesで編集長を務めていた人物なのですが、今回「編集者会議」の理事を辞める理由として、英国のメディアにはびこる「構造的人種差別」(structural racism)を挙げている。

実はヘンリー王子とメーガン妃がアメリカのテレビとの間で行ったインタビューの中で、英国のメディアによる人種差別的報道を非難するような発言をしたことで、英国メディアに批判され大騒ぎになるということがあった。その騒ぎの中で「編集者会議」の事務局長の立場にあるイアン・マレーというTVキャスターが「英国メディアの世界に人種差別はない」(UK media not bigoted)という見出し付きの声明文を発表した。声明の中で事務局長は、メーガン妃らの発言には「何の根拠もなく、とても容認できるものではない」と極めて強い調子で二人を批判した。


イアン・マレー編集者会議事務局長
笑止の沙汰?

ところがこの事務局長声明が発表された途端に、約200人に上るジャーナリストがそれに反論する公開質問状を発表、事務局長の主張は「笑止の沙汰」(laughable)であり、「現実無視の見本」(illustration of an ‘industry in denial’)のようなものだとケチョンケチョンにけなすに及んで、「編集者会議」そのものが「事務局長の声明は編集者会議全体の意見を反映したものではない」というコメントまで出すに至った。そして面目丸つぶれという感じの事務局長は辞任に追い込まれた。専門誌 Press Gazette で辞任を報道された、編集者会議のエリノア・ミルズ理事も事務局長の声明に反対した一人なのですが、この問題に対する「会議」側の対応が余りにも遅すぎることに業を煮やして辞任することにしたというわけです。


オメガ・ダグラス講師

実はこの件については、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの政治・政策ブログ(4月1日付)の中で、ロンドン大学でメディア論を担当するオメガ・ダグラス講師が
というタイトルのエッセイを書いている。

▼この見出しで使われている "inclusion" という言葉は、日本のメディアでは「包含」とか「包括」という言葉を使っているけれど、むささびにはこの日本語では何のことだかよく分からない。意味としては、さまざまに異なる意見・人種をも排除しないオープンな姿勢ということです。それが「逆説的」(paradox)ということは、多様性や開放性が最大限に尊重されなければならないメディアの世界なのに、そのようにはなっていないという意味の見出しだろうと思います。

実社会を反映


ダグラス講師によると、英国メディアにおける非白人の人数を見ると、如何にこの業界が世の中の現実を反映していないかが分かると言います。例えば英国の人口に占める黒人の割合は3%なのに、ジャーナリストと呼ばれる職業に占める黒人の割合は0.2%なのだそうです。アジア系の全人口に占める割合は7%、ジャーナリストの世界では2.5%というわけです。英国におけるジャーナリストの94%が白人なのですが、実際の人口では87%…。大学でメディアを専攻した学生で卒業後にメディアに就職できる確率は、白人で26%、黒人の場合は8%だそうです。さらにWomen in Journalismという組織が昨年の夏に調査したところ、ランダムに選んだ一週間、主要紙の一面に掲載された記事の中には黒人の記者が書いたものは一本もなかったのだそうです。


言うまでもないけれど、英国社会における人種差別が問題になるのはこれが初めてではない。1980年代にはロンドン、リバプール、バーミンガムなどの大都会で黒人による暴動が相次いだことがあり、それがきっかけで1982年にはthe Voiceという黒人コミュニティを対象にした新聞が生まれたりもしている。さらに1993年のロンドンにおける黒人青年殺害事件をきっかけに1999年には英国社会に巣くう「構造的人種差別」(institutional racism)に関する大々的な調査(Macpherson Inquiry)を実施したりしているのですが、一向に進歩した気配がない。

ダグラス講師は自身の研究の過程で、英国の主要紙で仕事をする黒人記者26人にインタビューをしたことがあるのですが、そのうちの一人が経験談を語った。その日は彼のボス(部長)が休みで、自分と副部長(白人)だけが職場にいた。副部長と言っても社内における経歴では自分よりも新しかったけれど、副部長と自分が一緒にある事件の取材を担当していた。そこへやって来たのが編集局長(白人)で、副部長とちょっと話をしてから自分のことを見ながら、副部長に向かって「そうか…今日はキミ一人なのか…大変だな」と言いながらその場を離れて行った。
  • あたしは、その日は13時間も仕事をしたあとだったんですよ。新聞社で黒人スタッフでいるというのは、そういうことなんですよ。I’d worked a 13-hour day. […] that says everything about how you’re regarded as a black staff member.


米国メディアでは


つまり存在しないのと同じということです。そうかと思うと、新聞社や放送局によっては、自分たちの組織には有色人種のスタッフが存在するということを見せつけようとする組織もある。自分たちの組織が多様性と開放性に富んでいるという印象を与えた方が取材に有利というケースもあるし、読者獲得にも有利に働くということもある。

メディア業界全体にとって必要なのは、自分たちの組織に根を下ろしてしまっている「組織的な差別」(systemic racism)とでもいうべきものにどのように取り組むのかという問題だ、とダグラス講師は言います。そのためには記事や番組制作の過程における差別に常に目を向けることである、と。現在アメリカのメディアではVision25という人種差別撤廃運動が展開されており、英国メディアも同じような必要性に駆られているけれど
  • 現在我々(英国メディア)が直面しているのは、そもそもジャーナリズムの世界に人種問題など存在するのか?ということについての認識の一致が存在していないということであり、そのことは「編集者会議」のイアン・マレー事務局長の声明文とそれに伴う大騒ぎを見ても明らかなのだ。その点についての認識が一致していないのでは問題に対しても取り組みようがない。まずはそのあたりから変えていかなければならないということなのだろう。Instead, we’re faced with the current situation where, as illustrated by Murray’s statement and the row that followed, there is no industry consensus on whether the British journalistic field has a race problem, let alone a clear, joint method for tackling it. This must change.
とダグラス講師は結んでいます。

▼要するに英国という社会に深く根を下ろしている「人種差別」がメディアの世界でも行われているということ。労働組合が何かをやって事態が好転するとかいう話ではないかもしれない。「構造的人種差別」(structural racism)というのはそういうものですよね。で、日本のメディアの世界にはこの種の「構造的差別」はないのか?日本の場合、「人種差別」は稀かもしれないけれど、「性差別」は英国どころではないレベルであるのでは?むささびが最近さっぱり見なくなったテレビのニュース番組は、ほぼ例外なしに男性の「キャスター」とか「司会者」の横に女性の「アシスタント」と呼ばれる人が座っていません?女性キャスターに男性アシスタントという取り合わせの番組ってあります?

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5)どうでも英和辞書
A-Zの総合索引はこちら


ableism:健常者による身障者差別

「能力がある」という意味の "able" に "ism" がついて出来上がっている言葉ですよね。障害者を差別する姿勢のことで、"ism" の代わりに "ist" を付けて "ableist" とすると「障害者差別者」という意味になる。むささびはこの単語の存在自体をつい最近まで知りませんでした。4月6日付のBBCの "Equality Matters" というサイトに掲載されている
という記事は筆者が耳の不自由な人(deaf)なのですが、書き出しが次のようになっている。
  • I like being deaf. I like the silence as well as the rich culture and language deafness affords me. When I see the word ‘deaf’ on the page, it evokes a feeling of pride for my community, and calls to me as if I’m being addressed directly, as if it were my name. 私は聾啞者であることが好きである。静けさも好きだし、聾唖者であることによってのみ得られる豊かな文化と言語もたまらない。何かのページに ‘deaf’ という言葉が書かれているのを見ると、聾唖の世界に対する誇りを呼び覚まされると同時に恰も自分の名前が直接語りかけられているような気持になるのである。
現実には ‘deaf’ という言葉は 'Nevada’s proposed gun safety laws fallen on deaf ears'(ネバダ州の銃規制法の持つ意味は誰にも分からない)という見出しで使われたりするけれど、使っている本人は障害者への差別意識など全くない。‘blind’, ‘dumb’, ‘lame’ も同じことです。この種の言葉は日本語にもありますよね。

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6)むささびの鳴き声
▼エリザベス女王の夫、エディンバラ公(Duke of Edinburgh)が4月9日に亡くなったことについては、英国中のメディアが書きまくり、叫びまくっています。むささびの出番ではありません。そこでBBCのサイトに出ていた写真を数枚お借りして、英国の様子を想像してみようと思いました。

バッキンガム宮殿のゲイト

▼エディンバラ公死去の発表を張り出す職員。マスクが痛々しい。レターヘッドに印刷されたロゴが何故かWindsor Castleのものだった。発表の文章は次のようなものだった。
  • It is with deep sorrow that Her Majesty The Queen announces the death of her beloved husband, His Royal Highness The Prince Philip, Duke of Edinburgh.女王陛下におかれましては、愛すべき彼女の夫君であるエディンバラ公フィリップ殿下が亡くなられたことを深い悲しみを以て発表されました。
  • His Royal Highness passed away peacefully this morning at Windsor Castle.殿下は今朝、平和裏にウィンザー城において旅立たれました。
  • Further announcements will be made in due course.詳細につきましては適宜お知らせいたします。
  • The Royal Family join with people around the world in mourning his loss.王室は世界中の人びとと共に殿下がお亡くなりになったことを哀悼するものです。

半旗

▼バッキンガム宮殿に半旗がひるがえっています。ちょっと意外な気がしたのは、旗が王室の旗ではなくてユニオン・フラッグであったことです。

競馬場にて

▼リバプールにある競馬場(Aintree Racecourse)の広場で、競馬を見に来た人たちと騎手が2分間の黙とうをささげているところ。

Daily Mailの伝え方

▼エディンバラ公の死去を伝える4月9日付のDaily Mailのサイト。この新聞は保守的中間層の間で人気が高いのですが、エディンバラ公が親戚であるかのような "PHILIP IS DEAD" という見出しには驚きました。でも他のメディアの扱いを見ると、これはむささびの認識不足で、王室の人を呼ぶときはファーストネームともいえる "Philip" でいいようなのですね。このあたりが英国人の間における王室の人気の秘密なのかな・・・?

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