musasabi journal

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480号 2021/7/18
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BREXIT 美耶子の言い分 美耶子のK9研究 むささびの鳴き声 どうでも英和辞書

7月16日(金)、関東地方の梅雨明けでした。この日、むささびは埼玉県の山奥にいたのですが、初めてヒグラシの鳴き声を聞きました。「カナカナカナカナ」という、楽しいのか寂しげなのか、よく分からない、あの声です。同じ日、トンボの姿も。夏が来たということですね。

目次

)スライドショー:ふくろうのご挨拶
2)「Soul Capはダメ」という時代錯誤
3)お呼びでない?英国艦隊
4)「独り」と「ひとり」の差
5)どうでも英和辞書
6)むささびの鳴き声


1)スライドショー:ふくろうのご挨拶

あなたはフクロウという鳥を見たことあります?むささびは動物園のようなところで檻の中にいるのを見たことはあるけれど、野生のフクロウというのは見たことがありません。ネット情報によると「南極を除くほぼ全世界に分布」するのだそうですね。Deane Lewisというオーストラリア人が運営する "Owl Pages" というサイトによると、少なくとも260種類もいるのですね。人里にいる割にはなかなか見かけないのは、夜行性だからなのかもしれない。英国の田舎でも鳴き声は耳にするのですが、なかなか実物を眼にすることがない。"Owl Pages" からほんの少しだけ写真を借りてお見せします。小林一茶の俳句に
  • 梟(ふくろう)のむくむく氷る支度かな
というのがあるのだそうで、冬の季語らしい。いずれにしても外見だけで判断すると、憎めない存在だと思う。

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2)「Soul Capはダメ」という時代錯誤

水泳の選手が被る帽子で "Soul Cap" というブランドのものがあるなんてこと、知ってました?むささびはもちろん知りませんでした、最近のBBCの記事を見るまでは。未だにキャンセルもされていない東京五輪の話題の一つ(英国における)なのですが、アリス・ディアリング(Alice Dearing)という女子の水泳選手が黒人女性としては初めて英国を代表して出場することになっている。


上の写真がそのアリスなのですが、彼女の被っている帽子がSoul Capというブランドなのだそうです。アリスが出場するのは、自然の水域で10kmを泳ぐ「マラソンスイミング」という競技なのですが、問題は国際水泳連盟(FINA: Fédération Internationale De Natation)という組織が「オリンピックではSoul Capの使用は許さない」という声明を発表して、もめていることです。

拒否されたメーカーによると、Soul Capは「人間のアタマの自然な形には合わない」(it didn't fit the natural form of the head)というのがFINAの主張らしい。「アタマの自然な形」というのがどのようなものを言うのか、よく分からないけれど、FINAの言っていることには黒人水泳協会(Black Swimming Association)は言うまでもなく、Swim England のような水泳関係のNPOまでもが「ナンセンス」と抗議している。

Swim Englandのサイトによると、英国の黒人成人の95%、黒人児童の80%が泳げないのだそうです。またSwim Englandの会員に占める非白人の割合はわずか7%なのだそうで、英国の水泳界そのものが人種差別主義の世界になっているとのことです。ただアリス・ディアリング自身のSoul Capについては、自分たちの拒否の姿勢に対する反感の強さに驚いたFINAが態度を改めるという姿勢に転じているとも報道されている。
▼ところで、アリス・ディアリングも出場する東京五輪に英国人はどの程度関心があるのか?世論調査機関のYouGovが7月2日に、英国人3642人を対象にアンケート調査をした結果、約4割が「興味あり」、6割が「興味なし」と答えた。普通の人間の外国オリンピックに対する関心はそんなものなのでしょうね。

▼ひょっとすると「いかにも英国人」と言えるかもしれないのは、賭け(ギャンブル)の対象としての五輪に対する関心です。同じYouGovが6月初旬に行ったアンケート調査によると、ほぼ1割(9%)が何らかの競技に金を賭けるつもりと答えているのですが、若年層(18-24才)になると15%がオリンピックを賭け事の対象と見ている。

▼YouGovによると、2021年はギャンブル業界にとっては盛況の年なのだそうです。一つはサッカーのEUROがあり、もう一つは東京五輪があるというわけですが、いずれもコロナ禍のお陰で「家で楽しめる」ものとしてのギャンブルが受けているというわけです。

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3)お呼びでない?英国艦隊


6月26日付のOpen Democracyのサイトに、現在の英国政権が目指している(ように見える)「グローバルな英国」について検討するエッセイが出ています。書いたのは英国ブラッドフォード大学のポール・ロジャース(Paul Rogers)教授で、見出しは次のようになっています。
それ続くイントロは
  • インド・太平洋において海軍力を誇示しようとしているけれど、実際には世界で最も危険な安全保障上の危機にさらされている場所で、大いなる力の無駄遣いをやっているというイメージだけが浮かび上がっている  Naval posturing in the Indo-Pacific is the image of futility as the world’s most deadly security threats rage on


このエッセイは、今から約2か月前(4月下旬)に英国国防省が、最新鋭空母「クイーン・エリザベス」(HMS Queen Elizabeth)を中核とする強力な艦隊をインド太平洋地域に派遣すると発表したことについて書かれたものです。この艦隊派遣については、日本にも寄港するということもあって、日本のメディアでもかなり報道されています。このむささびが発行される頃に「クイーン・エリザベス」の艦隊がどの辺にいるのか定かではありませんが、日本への寄港は年内になるとされている。出発に先立ってベン・ウォレス国防大臣が艦隊派遣の目的について「グローバルな英国の旗を押し立てること」(will be flying the flag for Global Britain)と述べている。彼の言う "Global Britain" については、むささびジャーナル466号(2021年1月3日)でも触れています。

今回の艦隊には英国の水上艦や潜水艦のほか、米海軍の駆逐艦やオランダのフリゲート艦も加わる。空母「クイーン・エリザベス」には18機の超音速戦闘機F35Bも搭載されており、ロジャース教授によると「規模の点では1982年のフォークランド紛争で展開した艦隊にも匹敵する」ものなのだそうです。


この艦隊派遣は本来は「自分の存在を見せつける」(showing the flag)ことを目的としていたのですが、英国艦隊の一隻である駆逐艦(HMS Defender)がボスポラス海峡から黒海へ抜けてウクライナの港を訪問するなどの行動をとった際にロシア領の海域とされる部分を通過してクレムリンを怒らせたりもしている。その際のロシア政府の反応の速さには英国政府も驚いたのですが、英国海軍のこの駆逐艦の行為はEU加盟国、特にドイツを怒らせてしまった。ドイツは現在対ロ関係の向上を目指してモスクワと交渉を行っているところであり、ロシア政府を怒らせるようなことはして欲しくないという気持ちが強かった。

さらに不思議なのは、インド太平洋地域へ派遣されたはずの艦隊が地中海を航行中に、空母「クイーン・エリザベス」から発進した戦闘機がイラク国内の過激派組織「イスラム国」(IS)が支配する地域に攻撃を仕掛けたりもしている。ロジャース教授によれば、ISの支配地域攻撃などはキプロスやカタール、クウェートにある基地から爆撃すれば済むはずのものを、あえてHMS Queen Elizabethを絡ませたりしているのは、「必要にかられて」というよりも、英国海軍の攻撃力の誇示が目的としか思えないものだった。


「クイーン・エリザベス」を先頭に立てる艦隊はスエズ運河を通ってインド洋に出る。その後、オマーンに立ち寄ってから東へ向かうけれど、場合によってはソマリアやアフガニスタンで何らかの戦闘に参加することもあり得る。ロシアの海域に侵入してロシア政府を怒らせた英国艦隊ですが、インド太平洋地域で自分たちの強さを見せつけたい相手は中国です。ロジャース教授によれば、中国との「対決」を通じて戦争を演出できれば、世界の軍需産業にとっては悪い話ではない。それは軍需産業と結びついている中国やロシアにとっても利益になることなのだ、と。

ただ、世の中の現実に目を向けると、欧米社会全体がコロナ禍で戦々恐々の状態にある。すでに1000万人もの人間がコロナで死んでおり、さらに数百万の人間が衰弱状態に置かれている。コロナとの戦いに勝つためには、来年(2022年)末までには全世界の人間がワクチン接種を行っている必要があるとされている。が、接種拡大のペースは余りにも遅い。国連はコロナについて「第二次大戦以来、最大の挑戦」(the worst global challenge since the Second World War)としている。そのような状況の中では、空母の力云々などは全く無関係であると言える。



「クイーン・エリザベス」が先導する艦隊はやがてマラッカ海峡を通過、マレーシアとインドネシアの間を通って南シナ海ヘ向かう。そして中国政府に英国の軍事力のすごさを見せつけようというわけだ。皮肉な話ではあるけれど、近くに位置するインドネシアは東南アジアの中でも最悪のコロナ禍に苦しんでいる。それも英国海軍の艦隊にとってはまるで無関係…というわけで、我々の目の前にあるのは、この素晴らしい空母「クイーン・エリザベス」が率いる艦隊だ。アメリカの助けを借りて復活した、あの偉大なる「英国海軍」(Royal Navy)なのだ。それこそまさに「再び大国となった英国」(a ‘re-Great’ Britain)の凄さを証明しているではないか、というわけです。英国艦隊は大喜びで世界中を回る。あちらこちらで戦闘のタネをまきちらし、たまには爆弾も落として行くこともある。しかしコロナ感染のエスカレーションのど真ん中にあるアフリカ大陸だけは避けて通る。

というわけで、ロジャース教授は、自分のエッセイを次の文章で締めくくっています。ちょっと長いけれど、そのまま紹介します。


ポール・ロジャース教授
安全保障と言うものに対する英国政府の姿勢ほど「無駄な努力」の例を見ることは難しい。それはまた現実に目を向けようとしない姿勢の反映であるともいえる。考えてもみよう、人類の生き残りに期待をかけようとするならば、やらなければならないことは二つしかない。一つは「コロナ禍」の克服であり、もう一つ(コロナ禍以上に厳しいのは)は気候変動の問題だ。戦争などはますます「無意味」(irrelevant)なものとなりつつある。人類が地球規模の脅威に直面し、協力的な行動によってのみ乗り越えることができる…現代とはまさにそのような時代であると言える。現代において戦争は時代遅れの行動であり、人類が直面する脅威は軍艦によって乗り越えることはできないものなのである。 It is difficult to imagine a more striking example of the futility of our approach to security, but it is also an even deeper reflection of unreality. For any hope of the human race’s survival, the lesson that must be learnt, first through COVID-19 and even more so with climate breakdown, is that war is increasingly irrelevant. Instead, it should be shelved as an obsolete practice in an era of common global threats that can only be met by cooperative action – and certainly not by warships.

▼教授の結論の中で使われている "irrelevant" という言葉、訳しにくい言葉ですよね。むささびは「無意味」としている。辞書では次のように説明されている。
  • not related to what is being discussed or considered and therefore not important: 現在、検討・考慮されていることとは無関係な(つまり大切ではない)こと。
▼これにぴったりの日本語があることはある。はるか昔に植木等らが使った「お呼びでない」です。「お呼びでないね、お呼びでない、こりゃまた失礼しました!」という、あれ。ロジャース教授に言わせると、インド太平洋地域まで艦隊を送り込んでGlobal Britainを売り込もうという、ボリス・ジョンソンのアタマは "irrelevant" そのものです。


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4)「独り」と「ひとり」の差



むささびが好きなサイトに "Our World in Data" というのがあります。世の中のさまざまな動きを数字によるデータ(統計)として示そうというもので、数年前にオックスフォード大学のマックス・ローザー(Max Roser)という教授が始めたものです。2年前(2019年12月11日)のこのサイトに次のような見出しの記事が掲載されていました。


北ヨーロッパの国というと、どちらかというと「個人主義的」であり、その結果として人間が(ほかの国に比べると)孤独をかこつケースが大きい…と一般的には言われている。が、統計を見ると「個人主義的だから孤独」というわけではないということが分かる(The data, however, does not support this claim)と言っている。

"alone" という言葉と "lonely" という言葉は "lone" というアルファベットの並びは似ているけれど、意味は違いますよね。"alone" は「一人」で "lonely" は「独り」。前者は物理的な「ひとり」を意味するけれど、後者は「寂しさ」とか「孤独感」のような主観的な状態を意味する。例えばデンマークやスイスでは「独り暮らし」(to live alone)が極めて当たり前のことであるけれど、デンマーク人やスイス人が他国に比べて孤独感が強い (feeling lonely) というわけではない。
 
しばしば孤独を感じるという高齢者の割合

かなり前(2005年)のことではあるけれど、欧米の15か国における高齢者(65才以上)を対象に「日常生活の中でしばしば(often)孤独を感じることがあるか」というアンケート調査(上のグラフ)を行った結果、「孤独を感じる」人が最も多いギリシャ(62%)と最も少ないデンマーク(25%)の間ではかなりの差があることが分かった。しかもどちらかというと南の人びとの方が孤独感が強いようなのです。

一方、下のグラフはOECDが加盟国の国民を対象に行ったアンケート調査(2017年)で、設問が「何かのトラブルに陥ったときに頼れそうな親戚や友人はいますか?」というものだった。「孤独云々」よりも「生活観」が出ていると(むささびは)思うのですが…。

「困ったときに頼れる友人や親戚がいる」と答えた人の割合

いざとなったら親戚や友人に頼れる…と考える人は、ヨーロッパでも北の国々に多いのですね。フランスを別にして、日本・トルコ・ギリシャ・韓国などは、「北ヨーロッパ」とは多少違う文化圏に入ることが影響しているのかもしれない。

▼マックス・ローザが "Our World in Data" というサイトを開いたのは、そこに集められる様々なデータを社会政策に生かすことができるという意識があったからです。この記事が提案している「個人主義社会=寂しい社会?」という問いかけに対してはノーと答えるしかない、とむささびは思うわけです。ギリシャ、イスラエル、イタリアのような、どちらかというと伝統的な宗教が強い影響力を持っている社会では、高齢者は物理的に一人であることに慣れていない。スウェーデン、スイス、デンマークのような社会では若いころから物理的に一人である生活をしており、そのことに不足感を持つことが少ないのでは?

▼非常に興味深いのは、ギリシャでは日常生活で「孤独を感じる」という高齢者が多くて「頼れる知り合いがいる」と感じている人はぐっと少ないこと。正反対なのがデンマークで、孤独を感じる人間は少なくて、頼りになる知り合いが多いということを強く感じている。この二つの心理現象の間には関連性でもあるのでしょうか?

▼「頼れる知り合い云々」という調査の中で韓国の数字が飛びぬけて低いように見えるのは、どういうことなのか?韓国社会では親戚や友人に頼ることはやらないってこと?頼りは「家族」だけ?韓国に詳しい方、教えてください。

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5)どうでも英和辞書
A-Zの総合索引はこちら


dog-theft:犬泥棒

コロナ禍が原因とは言わないまでも、それが背景の一つであることは間違いがない犯罪が英国で増えている…とThe Economistのサイト(7月3日)が伝えているのがペット(特に犬)の盗難です。この1年間でイングランドの警察に届けられたものだけでもほぼ1800件に上っている。ここ1年半ほどの間に300万人もの英国人が新たにペットを飼い始めている。そんなことはかつてなかったことなのですが、ペット・フード協会によると「子どもが欲しがるから」というのが最も一般的な理由なのですが、Stay Homeを余儀なくされている高齢の両親に散歩のチャンスを与えたいという人たちもいる。

ペットの値段も高くなっているのだそうで、ビーグル犬の子どもは昨年の3月では563ポンド(7万円強)だったものが、12月には1447ポンド(ほぼ20万円)と2倍を超える値上がりを記録しているし、チャウチャウの値段は1.5倍の値上がりで2789ポンド(約36万円)にまで達している。


なぜペットの盗難がはやるのか?一つにはペットそのものが「生きているもの」として軽く見られているということがあるけれど、何よりもペット盗難が商売になるということです。盗難常習者によっては、盗んできたペットを自分で交配させて「新種」として売り出して利益をあげたりしている者もある。例えばジャック・ラッセル・テリアとチワワを交配させて「ジャクワワ」(Jackahuahua)という新種を作り出したりという具合です。

もちろんこの犯罪撲滅に力を入れているNPOのような組織もある。Beauty’s Legacyという組織を立ち上げた女性は、自分の飼っていた猫が誘拐されたことがきっかけだったし、Pet Detectives(ペット探偵団)という組織を立ち上げたコリン・ブッチャーという男性は元警察官です。このような人たちによるオンライン署名活動が功を奏したのか、5月8日には "Pet Theft Taskforce" という政府組織が立ち上がり、6月28日には、ペット用のマイクロチップを全国規模で管理するデータベースの作成を国会が決議するまでに至っている。

The Economist の記事は
  • Catching the pet-nappers will take doggedness.
と言っている。"pet-nappers" は "kidnapping" にひっかけた造語で「ペット誘拐者」のことであり、"doggedness" は「根気強さ」という意味です。

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6)むささびの鳴き声
 
▼ドイツ、ベルギー、オランダなどの洪水には驚きましたね。昨日(10月17日)のBBCのサイトは「少なくとも120人死亡 数百人程度が未確認 At least 120 dead and hundreds unaccounted for」と言っているのですが、BBCの記事でさらにショックだったのは「北ヨーロッパの洪水とアメリカの熱波は予想されていた」(They have been predicting for years)ということ。言われてみると、気候変動にともなう極端な変化はここ数年の話題だった。それに加えてコロナ禍というのが、いま人間が置かれた現実なのだとしたら、まずはオリンピックなどは中止して…というのが常識というものなのでは?

▼二つ目の水泳帽の記事で紹介したアリス・ディアリングという選手ですが、「英国」を代表してオリンピックに出場するのだから "Team GB" の選手ということになる。GBはもちろん英国の国名である United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland の中にある "Great Britain" のことであり、これにはEngland, Scotland and Walesが含まれるけれど、Northern Ireland は入らない。

▼確か2012年のロンドン五輪あたりから "Team GB" という呼び方が採用されたはずだと思ってウィキペディアを調べたら、この呼称は1999年から英国オリンピック委員会 (BOA) がオリンピックの英国選手団に冠している「ブランド名」だと書いてある。この「ブランド名」を "Team UK" とするべきだという意見があったにもかかわらず「BOA はこの意見を却下している」と書いてある。

▼考えてみると、"Soul Cap" という水泳帽は許さないと言っている国際水泳連盟(FINAというフランス語になっている)といい、世界中がコロナであたふたしている際にもオリンピックを強行、何故か広島・長崎に代表を派遣したIOCといい、スポーツの世界はどこか現実からずれているのではありません?

▼「現実からずれている」と言えば、3つ目の英国艦隊の記事ですが、空母「クイーン・エリザベス」の乗組員にコロナの「感染者」が出たのだそうですね。人類の敵は(現在は)感染病であって、戦争ではない。大艦隊などは「お呼びでない」(irrelevant)ということです。

▼コロナといえば、ボリス・ジョンソンの閣僚の一人(それも健康担当大臣)がコロナのテストで「陽性」反応が出たと本日のBBCが伝えています。英国では明日(7月19日)を期してロックダウンの類がすべて解除されることになっているのですが…。Salid Javid という中東系の名前のこの大臣は、ワクチンは2回打っているし、陽性反応についても "very mild" なのだとか。でも気分は「フラフラする (groggy)」とのことであります。

▼暑い日が続きます。確か昨年は40度まで行ったのでは?余りにもありふれたメッセージですが、毎日、無理をしないで生きてくださいね。「疲れたら休め、彼らもそう遠くへは行くまい」というのは、ツルゲーネフの言葉なのだそうですね。

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