Facebookの世界をうろうろしていたら上の写真に行き当たりました。誰が・いつ・どこで撮ったのかについての情報はゼロだったのですが、「平和だけが唯一この世で戦う価値のある戦争だ」(Peace
is the only war worth waging...)という言葉が添えられていました。アルベール・カミユの言葉だそうです。 |
目次
1)スライドショー:life is indeed fun!
2)BBCがハマスを「テロリスト」と呼ばない理由
3)再掲載:森嶋通夫 を再認識する
4)年の差を気にしよう
5)英和辞書: anti-Semitism
6)むささびの鳴き声
7)俳句
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1)スライドショー: life is indeed fun...
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前号の表紙写真はクマさんが握手している場面のもので、動物を題材にしたユーモア写真集の中にあった作品でした。で、今回はその作品集に掲載されている他の写真を集めてみました。ちなみにこのスライドショーで使われている音楽は、Delta
Rythm Boys というグループによるDry Bones という歌です。むささびが子どもの頃に流行っていたものなのですが、実際には黒人霊歌だった。ここをクリックすると、全部聴けます。さらにここをクリックすると歌詞を見ることができます。足の爪先から頭のてっぺんまでの骨の名前が歌い込まれている。日本ではデューク・エイセスが歌っていた |
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2)BBCがハマスをテロリストと呼ばない理由
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世論調査機関であるYougovのサイト(10月13日)次のような問いかけによるアンケート調査の結果が出ています。対象は英国人です。
- これまであなた自身が見たり聞いたりしたことから判断して、あなたはハマスをテロ組織だと思いますか、そうは思いませんか? From everything
you've seen and heard, do you think that Hamas are or are not a terrorist
organisation?
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-Yougov世論調査-
ハマスはテロ組織か?
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結果は「テロ組織だ」と思う意見が66%、「そうではない」という意見が6%、「分からない」が27%となっています。つまりハマスはテロリストだという人が圧倒的に多いわけですが、このアンケートが紹介された前日(10月12日)のBBCのウェブサイトに、ジョン・シンプソン外信部長が読者・視聴者宛てに書いた次のような見出しのエッセイが出ていました。
- BBCは何故ハマスを暴力的テロリストと呼ばないのか Why BBC doesn't call Hamas militants 'terrorists'
エッセイはかなりの長さで英文を全部載せるのは難しいので、ここではむささびの翻訳による和文のみを掲載しますが、ここをクリックすると英語の記事は全文出ており、またBBCの日本語サイトにもこの話題を伝える記事(日本語)が掲載されています。 |
BBCがハマスをテロリストと呼ばない理由
Why the BBC doesn't call Hamas 'terrorists'
John Simpson, World Affairs editor, BBC
ジョン・シンプソンBBC外信部長
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BBC設立の原則
英国政府の関係者から新聞のコラムニスト、普通の英国人にいたるまで、さまざまな人びとが、南イスラエルで残虐行為を繰り返しているハマスの戦闘員をBBCが「テロリスト」と呼ばない理由は何なのか?という疑問を口にしている。それに対する答えはBBCの設立原則そのものにある。
そもそも「テロリズム:terrorism」という言葉自体が、対象を悪しざまに表現する言葉である。そもそも「誰を支持して誰を支持すべきでないのか」「誰が善人で誰が悪人か」などということを視聴者に伝えるのはBBCの責任ではない。
BBCが英国政府や他国の政府がハマスをテロ集団であるとして非難していることを伝えるが、ハマスをどのように呼ぶのかは彼らの仕事であり、我々のものではない。さらに我々はハマスをテロリスト呼ばわりする識者とインタビューをしたり、彼らの発言を伝えたりもする。 |
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事実の提供
しかし大切なのは、それらの発言は我々自身がしているのではないということである。我々(BBC)の仕事は視聴者・読者に事実を提供し、それによって彼らが自分たちの考えを決めるということにある。
我々は報道する中で写真や音響を使ったりもする。テロリストという言葉を使わないということでBBCを非難する人たちは、それらの写真や音響が使われることで、BBCは十分に視聴者に対して影響を与えているということを忘れている。
ガザで起こっていることを見れば、誰でも眉を顰めたくなるし、あの出来事を「残虐行為」と呼ぶことも不思議でも何でもない。正に「残虐行為」以外のなにものでもないのだから。子どもや赤ん坊も含めた市民たちへの殺人行為を擁護することは誰にもできない。音楽祭を楽しんでいたような市民に対する行為はなおさらであろう。 |
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私自身、過去50年にわたって中東の出来事を伝えてきた。イスラエルにおける市民へのこのような攻撃の結果を眼にしてきたし、レバノンやガザでも目にしてきた。あの残酷さが心の中から消えることはないだろう。
「客観性」の義務
しかしそのことは残酷な行為を行った支援者たちの組織を「テロ組織」と呼んでもいいということにはならない。それを許してしまうと、我々は「客観的であることの義務」を放棄することになってしまうからだ。
BBCでは常にこのような問題があった。第二次大戦の間、BBCの記者たちは「ナチを悪者呼ばわりしてはならない(not to call the Nazis evil or wicked)と厳重に言われていた。「敵」と呼ぶのは構わないし、現にそのように呼ぶこともあった。BBCのドキュメントを見ると、ナチについての表現については「がなり立ててはならない」(there must be no room for ranting)とされていた。常に冷静で抑えたもの(calm and collected)でなければならなかったのである。 |
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アイルランドのテロ組織と言われたIRA(Irish Republican Army)が英国内で爆弾を破裂させて無実の市民の命が奪われるようなことがあっても、だ。サッチャー政府からはBBC全体および個々の記者たちに対する圧力が常にかけられていた。特に彼女が危うく犠牲になりかけたブライトンにおける爆破事件のときはそうだった。それでも我々は一線を守ったし、現在でも守っている。
BBCはどちらかの側につくということはしないし、「悪魔:evil」とか「臆病者:cowardly」のように悪意の籠った言葉は使わない。「テロリスト」について語ることはしない。そのような姿勢をとり続けるのはBBCだけではない。世界でも最も尊敬されている報道機関は正にこのような姿勢を保っている。
BBCの批判勢力
それでもBBCが特に注目を浴びるのは、政治家とメディアの間でのBBCに対する批判が強いからであろう。それにはBBCが維持している(メディアとしての)水準の高さを保っているからだろう。そのように高い水準を守るということは、出来る限り客観的であること(as
objective as it's possible to be)を意味する。というわけで、シンプソン外信部長は次のように締めくくっています。
- だからこそ英国および世界中の人びとが、一日も欠かすことなく、我々(メディア機関)の伝えることを眼にするし、これを読み・聴きするのだ。That's
why people in Britain and right round the world, in huge numbers, watch,
read and listen to what we say, every single day.
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▼真ん中あたりに掲載しているのは、Daily Mail という新聞の第一面です。「チャールズ国王までが(彼らを)テロリストと呼んでいるのだ。BBCにできない理由はない」というわけです。第一面はこの見出しと何やら意味ありげな女性の写真だけで埋まっている。Daily Mail は発行部数73万は全国紙ではダントツ。The Sun という大衆紙は120万部を超えていると自称しているのですが、Daily Mail のように部数を公表していないところがマユツバというわけ。 |
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3)再掲載:森嶋通夫を再認識する
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むささびジャーナルが始まってから約2年、2004~2005年ごろ、日本では小泉首相による靖国神社訪問などが行われ、国内的には妙に愛国主義的な雰囲気が溢れていた。これに反発するように、中国では、それまでにないような規模で反日デモが行われたりしていた。
むささび自身は中国の反日活動にはそれほどの関心をもってえいなかったと記憶しているのですが、駐日英国大使館の「現地雇い」という仕事をしていたこともあって、英国に関係する日本の著名人には注目していました。ロンドン大学で教える森嶋通夫教授もそのような「著名人」の一人だった。駐日大使館が英国のための広報活動の一環として広報誌の発行を行っており、森嶋教授とはほんの数回ですがメールのやりとりをしたことがあった。教授に英国についてのエッセイを書いてもらおうと思ったのですが、これは実現しなかった。
というわけで、むささびが森嶋教授の『なぜ日本は没落するか』という岩波新書を読むに至ったのは英国大使館という職場を去ってからのことだった。 |
再掲載:森嶋通夫さんの本
むささびジャーナル56号(2005年4月17日)
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中国で「反日デモ」が荒れ狂った日、私は昨年亡くなった経済学者でロンドン大学(LSE)の教授であった森嶋通夫さんが書いた「なぜ日本は没落するか」(岩波書店・1999年)という本を読んでいました。単なる偶然。その中で彼は「北東アジア共同体」なる構想について非常に熱心に書いていました。日本・中国・韓国・北朝鮮などを含めた「共同体」を作ろうというものです。
森嶋さんが提案したものなのですが「日本では殆ど注目されなかった」と残念そうに書いています。 このアイデアについて私などがどうこう言えるような知識も経験もありませんが、一箇所だけ紹介します。森嶋教授が「北東アジア共同体」というアイデアについて「21世紀の関西を考える会」で講演したときのことで、聴衆の一人(30歳後半の男性)が次のように発言したそうです。
- 「日本は中国で残虐行為をしたから、一緒に共同体をつくりましょうという気持ちにはなりません」
この発言について森嶋さんは次のように書いています。
- 私はびっくりした。その逆のことを言う(つまり"残虐行為をしたから罪滅ぼしにでも今後は仲良くしたい")のなら話は分かるが、彼の言葉には耳を疑った・・・。
で、教授はその発言者に次のように聞き返したそうです。
- 「それなら言いますが、日本はアメリカに対しても残虐行為や不法行為をしています。真珠湾を(たとえ意図的ではなく、結果的にそうなったとしても)無警告攻撃し、フィリピンのコレヒドールでは米軍の捕虜に死の行進をさせました。だけど日本はアメリカと仲良くしています。アメリカとはできてもどうして中国とはできないのですか?」
質問者は怒ったような顔をして何も言わずに着席したそうです。 もう一つ、教授は1998年に中国の江沢民主席が来日したときに、共同体構想のようなものが少しは前進するのではないかと期待したのに、日本政府が中国に対する「おわび」を口頭で述べるにとどまり「文書化せよ」という中国の要求を拒否した、と残念そうに書いています。 |
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そういえばそんなことありましたね。その時、私はロンドンでBBCのスタジオ見学をやっていたのですが、ニュース番組の放送風景を見ていたら、江沢民訪日のニュースが結構大きく扱われていたのを覚えています。報道のニュアンスとしては「日本は相変わらず自らの過ちを認めようとしない」というもので、その場にいた日本人である私はかなり居心地の悪い思いをしたものです。 |
▼森嶋通夫さんは英国について面白い本を沢山書いていますね。既にお読みの方も多いと思いますが私が持っているのは「イギリスと日本」(2巻)、「サッチャー時代のイギリス」「思想としての近代経済学」(全て岩波新書)・・・いずれも傑作ですね。 |
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4)「年の差」を気にしよう
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The Economistの兄弟(姉妹)誌として "1843" というタイトルの週刊誌があります。中身はThe Economistのような硬い政治・経済がらみの分析ではなく、どちらかというと人間臭いもので占められています。ちょっと古いけれど、その1843誌の2017年6月26日号のサイトに、男女関係における年齢差についての記事が出ています。題して「男女関係における最善の年齢差は?」(What’s the best age gap in a relationship?)。 |
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自分の両親と似たような年齢の異性と付き合おうとする友人を見ると、つい「年の差を考えたら?」と余計な忠告をしたくなる。1843誌によると、適当な「年の差」を別の言葉で表すと「自分の年齢の半分プラス7才:half
their age plus seven」となるのだそうです。例えば22才の人間が18才の相手とデートする(11+7=18)のは構わないけれど、
- 38才が23才と付き合うとなると必ずしも「オーケー」ではない。26(38÷2+7)才が相手なら問題ないのに。 It’s not ok for a 38-year-old to go out with a 23-year-old, however a 26-year-old would be fair game.
要するに高齢になればなるほど、相手との年齢差は「許される」(permissible)、と。つまり50才の人間が86才と付き合うのは全く構わない…。
理屈ではそのようになる。が、男女交際奨励サービスを専門にしているOKCupidという出会い系サイトの設立者によると、年齢差については男と女では考え方が異なるとのことです。女性会員は自分と似たような年齢(もしくは1~2才高齢)の男性を求めるけれど、男性会員は自分の年齢とは無関係に「20代前半」の相手を求める傾向にある。 |
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男性は賢明と言えるのか?というのがこの記事の問いかけです。理論的には年の差は小さい方がいいという理由は多くある。例えば子供じみたTV番組で流行しているテーマソングを歌う能力が両方にある場合は付き合いもうまくいくのでは、とか。あるいはお互いにタダのバスのチケットが使えたり、似たような年齢の誕生日パーティーを同時にやれば節約になる
etc etc…。
年齢差が小さいカップルは、大きいカップルよりも関係が長続きするということはあるのか?2014年に、ある雑誌が調査したところによると、「年齢差が5才以上のカップルは、年齢差の小さいカップルよりも離婚率が18%高い」という結果だった。ただそれらの離婚が年齢差によるものであるという証拠は挙げられていない。
むしろ英国の政府統計局の調査では、年齢差と離婚率の間には強い関係は認められないとされている。ただ30才を過ぎて結婚した女性で、夫よりも年上という場合は「離婚する可能性が高い:more likely to divorce」と言っている。 |
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1843誌のこの記事によると、「年齢差」は高齢者の方に影響がある。年をとってからは面倒を見てもらえる相手がいるのは有り難いし、いわゆる「独り身」もできれば避けたいし…というわけで、自分の相手は年下の方が望ましいということになる。ストックホルム(スウェーデン)のスベン・ドレファール(Sven Drefahl)教授がデンマークで50才より上の男性を調べたのですが、相手が自分より若い女性を相手にしている男性は自分より年上の女性を相手にしている男性よりも長生きする傾向にあるという結果が出ているとのことです。
OKCupidの会員のチョイスは明らかで、女性は自分の年齢に最も近い男性を選び、男性は自分より若い女性を求めるということ。ただ(1843誌の記事によると)本物の経済学者ならより優れた証拠を模索するはずだ、と。例えば様々な年齢構成の夫婦の状態を幅広く調査するとか。というわけで
- 経済学者たちにとって残念(我々にとっては結構)なのは、カップルの相手を選ぶのは自分たちであり、他人の経験則などはアホらしいものとして無視できるということだ。Unfortunately
for them, but luckily for the rest of us, people make their own choices
– and are free to ignore silly rules of thumb.
というのが1843誌の記事の締めくくりです。 |
▼むささびの場合、ミセスは5つ年下ですが、この記事に出ている「年をとってからは面倒を見てもらえる相手がいるのは有り難い」という高齢者のコメントは、なんだかわびしいよね。、 |
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5)どうでも英和辞書
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anti-Semitism:反ユダヤ主義
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上の漫画、誰だかお分かりですよね。イスラエル首相のベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)氏です。字が小さくて見えないかもしれないけれど、上の部分に "RESIDENTS OF GAZA, GET OUT NOW."(ガザの住民は直ちに出て行け)というキャプションが刷り込まれている。
この漫画の作家はスティーブ・ベル(Steve Bell)風刺漫画の作家で、1951年生まれだから、今年で72才になる。いろいろな新聞や雑誌に作品を寄稿しているけれど、何と言っても有名なのがGuardianへの寄稿で、これまで40年間続けてきた。が、この漫画をめぐって編集部と対立、キャサリン・バイナー(Katharine Viner)編集長からクビを言い渡されてしまった。バイナー編集長が主張するのは、この漫画がハマスとの対立に絡んで英国内に芽生えている「反イスラエル」の政治的な雰囲気に便乗して "anti-Semitic"(反ユダヤ主義的)であるということだった。
これに対してベルは、「反ユダヤ主義の促進などとんでもない(would not dream” of promoting harmful anti-Semitic
stereotypes」というわけで激論を交わしたけれど、結局「意見の相違」というわけで、彼自身がガーディアンを去ることに決めたというわけ。上の漫画は結局掲載されることはなかった。 |
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あちらの辞書を引くと "anti-Semitism" という言葉は
- Hate or strong dislike of Jews, or actions that express hate or dislike of Jews ユダヤ人を対象にする憎しみや嫌悪感、あるいはユダヤ人に向けて示される憎しみや嫌悪感
と説明されている。普通、「反日」とくれば "anti-Japan" であり、「反米」は"anti-America" となりますよね。おそらく「反パレスチナ」は "anti-Palestine" となるんでない?ユダヤ人の場合は何故か"Semitism" という言葉が使われる。"anti-Jewish" ではない。
実に頼りないネット情報によると、西アジア・アラビア半島・アフリカ北東部に住み、セム語系の言語を用いる民族に「セム族」と呼ばれる民族があり、その中にはアラビア人、エチオピア人、ユダヤ人なども含まれていた。この人たちに対する敵意・人種偏見などが反ユダヤ人意識へと繋がった…とのことです。 |
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6)むささびの鳴き声
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▼津田大介というジャーナリストが、9月27日付の朝日新聞とのインタビューで、いわゆる「ジャニーズ問題」について、「(日本という社会が)自浄作用が働かない社会であることが映し出されている」と語っています。ジャニーズの問題にはさしたる関心も持っていないむささびなのですが、津田さんのいわゆる「自浄作用が働かない社会」というものには関心がある。「自浄」というのは、他人に押されてではなく、自分自身で身を清めようとする態度・能力のことですよね。ジャニーズ問題に絡めて言うと
- 「新聞などの報道機関はこの問題を大きく取り上げることができず、テレビを中心としたメディアもジャニーズのタレントを起用し続け、ファンや視聴者・消費者も無関心でした」(津田氏)、と。
▼最近でこそ、新聞記者やテレビ関係者から「自分たちも人権意識が低かった」という反省の弁が聞かれるけれど、津田氏に言わせると「まるで他人事のような言い方だ」ということになる。ジャニー喜多川が犯している性犯罪については充分に知っていた(聞いていた)のに無視・放置するどころか、それらのタレントを使い続けたのだから、事実上の「共犯者」だった。それを今さら「自分たちも悪かった」という趣旨の告白めいたことを言いながら、相変わらず「ジャニーズ」をネタに生活している…。
▼津田氏によると、BBCでも人気番組の司会者が長年にわたって大規模な児童性虐待を繰り返したうえ発覚することなく死去してしまった。で、BBCは、当時は知らなかったとはいえ、生前の司会者を長年使用し続けたことの責任をとって、死後になって自分たちの責任と原因追及のために外部の機関に調査を依頼、その結果を公表した。
▼今号の「むささび」には、ガザ報道の中でBBCがハマスのことをテロリストと呼ばないことについて、外信部長がきっちり説明しています。大衆紙などがそれについて非を鳴らしていても、BBCの立場をきっちり説明している。世論調査などを見ても、一般の人たちはハマスをテロリスト呼ばわりして疑ってもいないのに、です。ハマスをテロリスト呼ばわりすると、BBC自体がハマスを悪人呼ばわりすることになる、それはBBCの仕事ではない、と。
▼「ジャニーズ」と「ハマス」では出来事の性格自体が異なるとは思うけれど、日本のメディアは、どのような姿勢でこれらの出来事に立ち向かうのでありましょうか?と言いながらも、ちょっとびびるのは、現在のように「メディア」というものが、それをメシのタネにしている放送局や新聞社の人間ではないのに、インターネットという「メディアのような手段」だけを手にしている、むささびのような人間は、どのように考え・振る舞うべきなのか?
▼寒い中をお付き合い頂いたことに感謝します。80過ぎにはこたえます! |
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