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 むささびの鳴き声 どうでも英和辞書
547号 2024/2/11

北海道・東北・北陸などの人びとから見れば、何でもなかったかもしれないけれど、関東の住民からすると、先日の雪には驚きました。上の写真はどこかの新聞に掲載されていた、東京の雪景色です。

目次

1)スライドショー:カルティエ・ブレッソンの世界
2)安楽死は権利、か…?
3)北アイルランドのこれから
4)再掲載:あの頃のベルファスト
5)どうでも英和辞書
6)むささびの鳴き声
7)俳句

1)スライドショー: カルティエ・ブレッソンの世界

今回のスライドショーは20世紀を代表するフランスの写真家・アンリ・カルティエ=ブレッソン(Henri Cartier-Bresson:1908~2004)の作品だけを集めてみました。この人の作品は、過去のむささびジャーナルでもいろいろ紹介されていると思います。プロの写真家集団・マグナムの創設者の一人なのですが、彼が写した「人間」の写真は、どれも「どこかで見たことある」作品ばかりです。有名人としては哲学者のカミュとサルトル、科学者のキューリー夫人などが入っているけれど、どれも見事なシャッター・タイミングのおかげで絵画を見ているような気分になる。。

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2)安楽死は権利、か…?

記事としてはやや古いけれど、話題としては決して古くはならない(と思う)ものが12月19日付のGuardianに出ていました。その話題というのは「安楽死」です。そう「人に苦痛を与えずに死に至らせる」という、あれです。英国では違法なのですが、
  • MPs moving towards majority backing for assisted dying 国会議員の多くは安楽死を支持する方向へ動いている
というのがGuardianの見出しです。イントロによると、安楽死については2015年に一度下院で討議・否決(賛成:118票vs反対330票)されているけれど、それ以来世論は明らかにこれを支持する方向に動いている(sentiment has moved significantly)のだそうです。

安楽死の合法化を目指す請願


英国政府・議会のサイトの中に "Petitions" というセクションがあります。 "Petitions" は「請願」とか「歎願」という意味ですよね。さまざまな社会問題について、これを国会における議題として取り上げることを「請願」する機会を与えることで国民の政治参加の意識を高めることを目的としている。

このシステムで1万人以上の署名が集まると、その問題に対して政府は何らかの反応(response)を示さなければならず、署名が10万を超えると、その話題は議会で討議されなければならない。で、最近話題になっている署名の一つが "assisted dying"(安楽死)に関する請願で、日本時間の2024年2月3日で、議会での討議を必要とする10万人の署名を超えて108,460人が集まった。


エスター・ランツェン

エスター・ランツェン(Esther Rantzen)はBBCのTV司会者として有名な人ですが、その彼女が番組の中で自分が第4段階のガンであることを打ち明けると同時にDignitasというスイスの安楽死団体に入会したことを明らかにしている。彼女としては症状が改善しない限り、スイスへ出かけて行って手術を受けたいと思っているけれど、そうなると彼女の家族や友人たちもスイスへ同行することを希望する。となると、彼らがエスターの違法行為を支援することになり、警察沙汰になるかもしれないというのが悩みのタネというわけです。

彼女に言わせると安楽死に関しては世論がこれを支持するようになっており、下院議員は自由投票(free vote)を許されるべきだと主張している。


英国には「尊厳死を進める会」(Dignity in Dying)という安楽死を認めるキャンペーンがあるのですが、その組織の担当者は、英国における安楽死論議は今年もしくは来年早々に行われる選挙で「決着がつく」(break the deadlock)と言っている。尤もこの問題に関する限り保守党も労働党も幹部は安楽死推進には乗り気ではない。彼らの意見を代弁するかのように、現政権の幹部は
  • human life is very sacred and we should be very careful. 人間の命は極めて神聖なものであり、慎重に扱われるべきだ
とコメントしている。

この問題に関しては首相の広報担当官のコメントも「これは議員一人一人の良心の問題であり、決めるのは議会だ」(It is a matter for parliament to decide. It’s an issue of conscience for individual parliamentarians)というわけで、どこか腰が引けている。

一方、安楽死に反対する運動を続けるグループもある。Care Not Killingというグループもその一つで、この組織の担当者は、ランツェンのような人の発言は常に心を動かされるように為されるけれど「安楽死が必ずしも “quick and painless”(迅速かつ無痛)でないことは、外国からの報告を見ても分かる」として、現在討議するべきなのは、健康保険サービス(NHS)や患者の苦痛軽減対策なのではないかと言っている。

 
▼安楽死に関する英国の政治家・メディア関係者・専門家らが何を想っているのかは以上の説明で何となく説明はつくのですが、では「普通の人びと」は何を感じているのか?世論調査機関のYouGovが行ったアンケート調査によると、下のグラフに見るとおり、政治家と一般人の感覚にはかなりのギャップのあることが明らかになっている。
▼むささびが興味深いと思ったのは、アンケート調査におけるYouGovの問いかけの文章です。
  • Do you think the law should or should not be changed to allow doctors to assist in the suicide of their patients? あなたは、医者が患者の自殺を助ける方向に法律を変えるべきだと思いますか?
▼ずいぶんはっきりと "suicide"(自殺) という言葉が使われているのですね。不治の病に苦しむ患者が医者に対して「楽にしてくれませんか?」と依頼することは「自殺」にあたるのか…?ちなみにこのアンケート調査に参加したのは一般人(成人)が1758人、下院議員は100だったそうです。

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3)北アイルランドのこれから

2月4日付のYAHOOニュースに「共同通信発」として
という見出しの記事が出ていました。英国という国には(特に政治の分野では)分からないことが非常に多いと思いません?この見出しだってそうだ。英分離派党・初の首相・歴史的・・・なんだそりゃ!? 

英国(United Kingdom)という国は、(北から順に)スコットランド、イングランド、ウェールズ、そして(海を隔てて)北アイルランドという4つの「国」(nation)から成り立っており、イングランド以外はそれぞれの「自治政府」を持ち、それぞれに「首相」に相当する "First Minister" と呼ばれるリーダーを有している。なぜ「イングランド以外は」なの?

YAHOOニュースの見出しによると「英分離派党」という政党が初めて北アイルランドの「首相:First Minister」を生み出した、と。「北アイルランド」という国が生まれたのは1921年のことであり、場所はアイルランド島の北部である、と。それまではアイルランド島全体が「アイルランド」という一つの国として英国の一部であったものが、「南」は英国の支配を離れアイルランド共和国という独立国として存在する一方で、「北」は相変わらず英国に属する北アイルランドという国として存在することになった。


ロンドンにある英国議会(parliament)には「北アイルランド」という選挙区から選ばれた国会議員が存在するけれど、北アイルランド自体にも国会(Assembly)がある。最近の北アイルランド議会の議員の選挙は2022年に行われたのですが、それまでは第一党だったDUP (Democratic Unionists Party) に代わって、第二党であった Sinn Fein(シン・フェイン党)が北アイルランドをリードする第一党となった。この入れ替わりは重大です。それまでずっと第一党の立場にあったDUPの最大の特徴が、北アイルランドはこれからも未来永劫に英国(UK)の一部であり続けることを約束するものであったのに対してSinn Feinの特徴は北アイルランドが南の「アイルランド共和国」の一部となること(英国から離れること)を訴えてきたということ。

そもそも北アイルランドでは、英国から別れて南のアイルランド共和国への帰属を望むカトリック系住民と、これに反対して英国の一部であることを主張するプロテスタント系住民との間で30年以上にわたる激しい対立を繰り広げながらも、1998年の和平合意に基づき、双方を代表する政党が共同で自治政府を運営してきた。そのあたりのことは下記の記事(再掲載: あの頃のベルファスト)を読むと分かります。


ミッシェル・オニール(シンフェイン党党首・北アイルランド自治政府首相)

このうちDUPは、英国のEU離脱(2020年)後に北アイルランドと英国本土の間にかつては存在したモノの自由な往来が失われたとして反発、シンフェイン党との間に存在していた「連立」関係からも離脱していた。それが、最近になってスナク政権による呼びかけに応じてこれに復帰することになり、この2月3日に2年ぶりに北アイルランドの自治政府が復活したわけ。そして自治政府の「首相」には議会第一党でカトリック系のシン・フェイン党のオニール副党首(47才)が就任したのですが、北アイルランドの歴史上初めて南のアイルランド共和国との統一を掲げる政党からの首相の誕生となった。

オニール自治政府首相の誕生が画期的な出来事であることは間違いないのですが、2月3日付のObserver紙によるとオニール首相は勝ち誇ったような派手な発言を控えめにしており、就任演説でも次のように述べて、ナショナリズム色を極力薄いものにしている。
  • 私は誰に対しても平等に仕えるつもりであり、みんなのための首相になるつもりです。私たちの出身がどこであれ、我々の望みが何であれ、我々は我々の未来を一緒に作らなければなりません。我々は自分たちの権力のシェアリングを正しく実現・実行しなければなりません。我々はすべての人民、すべてのコミュニティのために先頭に立ち、政策を実現していかなければならないのです。 I will serve everyone equally and be a first minister for all. Wherever we come from, whatever our aspirations, we can and must build our future together. We must make power-sharing work because collectively, we are charged with leading and delivering for all our people, for every community.
▼英国という国の正式名称は「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国:United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland」(日本の外務省のサイト参照)というのですが、国名に "and"(及び) というのは如何にも不自然ですよね。要するにオニール首相の誕生はアイルランド共和国と英国が「当たり前の状態」(二つの別の国)になることへの一歩前進ということです。

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4)再掲載: あの頃のベルファスト

北アイルランドの話をしようとすると、100年以上も前、アイルランドがまだ英国の一部であった時代から引き継がれたアイルランド人と「英国人」(主にイングランド人)の間に存在する感情的ともいえる対立のことに触れざるを得ず、むささびのような外国人には理解が難しい。今から12年前に首都・ベルファストを舞台に起こった対立もそのような出来事だった…。
国旗掲揚をめぐって暴動騒ぎ



むささびジャーナル256号(2012年12月16日)

2012年12月3日、北アイルランドの首都、ベルファスト(Belfast)にある市役所の建物に英国国旗(Union Flag)を掲げるについての対立が原因でデモ隊と警官隊が衝突してけが人まで出るという騒ぎがありました。ベルファスト市役所はこれまで英国国旗を毎日掲揚してきているのですが、市議会政党の中でもシンフェイン党(最大多数)のような、どちらかというと北アイルランドの英国からの独立を支持するような政党などは「365日掲げる必要はない」と、国旗掲揚の変更が要求していた。

で、今回、ベルファスト市議会で採決したところ29対21で、特別な日(dedicated days)にのみ掲揚することが決まった。「特別な日」とは例えば女王の誕生日のような日で、国旗の掲揚日は一年に17日のみとすることが決まったわけです。激高しているのが、北アイルランドの英国帰属の続行を主張しているグループで、1906年から一年を通じて掲揚されているものを今さら変更する必要はないというわけで、12月3日の夜、約1000人のデモ隊が市役所に押しかけ、市庁舎内に乱入しようとして警官隊と衝突となった。デモ隊はその後、ベルファストのカソリック教徒が多い地区へ乗り込んで、バスを乗っ取ったり、住民に殴りかかったりという乱暴を働いており、かつての対立が復活してしまうのではないかと懸念されています。


ベルファスト市役所の国旗掲揚問題を契機に英国帰属派とアイルランド復帰派の対立が全国的に広がる危険性があることについて、自身が北アイルランドの出身であるAdam McGibbonという社会活動家が12月14日付Guardianに「北アイルランドのセクト主義と政治的リーダーシップの欠如」(Northern Ireland remains sectarian and without political leadership)というエッセイを寄稿、北アイルランドの政治家の中にはあえてセクト間の対立を煽るような発言を繰り返す者がいると非難、故郷がこのような状況では、若い世代の北アイルランド人が外国へ出たきり「帰国するのがいやになっている」と書いています。
 
 
下の記事は「むささび256号」に載ったものです。
▼北アイルランド関連の記事を読んでいて、私のような記憶力がいまいちの人間に分からなくなるのが政治勢力のセクトの名前です。この際(自己確認のためにも)はっきりさせておくと、まず英国に帰属し続けることを主張するグループとアイルランドに戻るべきだとするグループの二つに分かれる。英国帰属派はUnionistと呼ばれ、アイルランド復帰派はNationalistと呼ばれる。ただUnionistの中には英国にとどまるためには武力闘争も辞さずという、Loyalistという過激派がいる。ベルファスト市役所付近で警官隊と衝突したり、カトリック地区で乱暴狼藉を働いているのはLoyalistです。アイルランド復帰派にもRepublicanと呼ばれる過激派がいる。ご存じアイルランド共和国軍(Irish Republican Army: IRA)がそれなのですが、最近IRAはいろいろとセクトが誕生してなんだかよく分からなくなっている。ただIRAの政治組織であるシンフェイン党(Sinn Féin)はベルファスト市議会では16議席を有して最大の政党となっています。

▼北アイルランド出身の若者たちが自分の国の現状にうんざりしているというGuardianの記事の中の「政治家の中には国内対立を煽り立てる者がいる」(politicians who have inflamed the recent situation)と筆者が怒っている部分を読んでいて、最近の日本の政治家や政治メディアのことを想起してしまった。対立を煽り立てることで、一時的とはいえ得する人たちがいるってことですね。新聞の部数は増えるかもしれないし、テレビの視聴率は上がるかもしれない。でも長い眼で見ると国の大半の人たちにとっては悲劇でしかない。外から見ると、北アイルランドも日本+中国・韓国も「お可哀そうに」という同情の対象でしかない。

▼ベルファスト市役所への国旗掲揚をめぐるトラブルですが、12月15日付のBBCのサイトによると、この日、数百人のベルファスト市民が「平和」を祈って、市役所の周囲を手をつないで囲むというイベントに参加したと伝えています。"We wanted to do something really positive and just pray for peace and hope."(何か前向きのことをやって、平和と希望のために祈りたかった)と参加者は語っています。
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5)どうでも英和辞書
A-Zの総合索引はこちら


longevity:長生き、長命、寿命、生涯

"longevity" という単語を英和辞書で引いたら上のような訳が出ていました。で、同じ英単語をCambridgeの辞書で引いたら "living for a long time" という意味であると説明されていた。むささびはちょっと意外な気がしました。この英単語の和訳はてっきり「寿命」なのだろうと思っていた。つまり「短い寿命・長い寿命」という日本語では当たり前の表現は "longevity" に"short"とか"long"をつければいいというものではないってこと。

ところで、New Scientist というサイトにワンちゃんの "longevity" に関する英国における調査結果が出ています。英国内で飼われている約58万匹のイヌを調査したのですが、それによると顔の長い小型犬ほど寿命が長く、顔の丸い中型犬は寿命が短いという傾向にあることが分かったのだとか。最も寿命が長いのはLankashire Heelerという種類のワンちゃんで平均寿命は15.4、最も短いのはCaucasian Shepherdの5.4だそうです。柴犬の平均寿命は上から4番目の14.6なのだそうです。

英国で飼われている犬の平均寿命

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6)むささびの鳴き声
 
▼本日(日本時間・2月11日)付のBBCのサイト(UK)が「チャールズ国王、ガン診断後に寄せられた支援の声に感謝」と伝える中で、自らの感謝の気持ちを次のような言葉で伝えています。
  • It is equally heartening to hear how sharing my own diagnosis has helped promote public understanding and shine a light on the work of all those organisations which support cancer patients and their families across the UK and wider world. 私自身のガンに関する診断を共有することで、英国及び世界中のガン患者とその家族を支援する関連組織の仕事を理解し、それに光が当たることに貢献していることを知ることで心が暖まる思いがする。
  • My lifelong admiration for their tireless care and dedication is all the greater as a result of my own personal experience. 医療関係者による疲れを知らぬ思いやりと献身の念に対する私自身の賞賛の念は、自分自身の体験の結果として、より大きなものとなっている。
▼このむささびジャーナルの二つ目に載せた「安楽死」について、朝日新聞のGlobeというサイトに、静岡大学の松田純・名誉教授とのインタビューが出ています。日本では安楽死についての議論が深まらないのだそうですが、松田教授によると、その理由の一つが、日本に根付く「忖度文化」にあるのではないか、と。日本の高齢者の間では、欧米などに比較すると「家族や社会に迷惑をかけたくない、という思い(忖度)が強い」のだそうで、生死についての本人の意思や希望が見えにくいのだそうです。まるで死ぬことが義務であるかのような態度に傾いてしまう。「日本で安楽死を認めようとしたら一番心配されるのがこの点です」と教授は言っている。

▼超高齢社会の日本では、これから先、十分な年金や介護を受けられるのかについて疑問を持つ高齢者が追い詰められ、仕方なく「こうしたほうがいいんだよね」と形だけの「自己決定」をするようになってしまうのではないか…というのが教授の懸念です。日本では医療の専門学会が「治療の中止」(安楽死)を盛り込んだガイドラインを出し、厚生労働省は本人の意思を確認するアドバンス・ケア・プランニング(ACP)を普及させようとしているのだそうで、これらを充実させることで、本人の希望を「できるだけ保障する」のが望ましい、と。

▼但し(教授が強調するのは)厚労省が推進するACPを「患者の意思(遺志)」として固定化しないことである、と。教授に言わせると、患者が行う「過去の意思決定」は、あくまでも「過去」のものであり、「人の心は変わりやすく、動揺もする。書いてある内容があいまいだと実行できないと言う問題点もあります」というわけです。ですよね。

▼むささびは知らなかったけれど、倍賞千恵子が主演、日本・フランス・フィリピン・カタール合作の映画で『PLAN 75』というのがあるのですね。この映画で描かれた世界こそが(教授によると)むささびのような年寄りが「形だけの自己決定」を持っている世の中なのだそうであります。

▼だらだらと失礼しました。埼玉県飯能市内の雪はさすがに殆ど消えてしまったけれど、我々がワンちゃんを連れて遊びに行く山奥の雪はまだまだ…だそうです。お元気で!

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