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 むささびの鳴き声 どうでも英和辞書
528号 2023/5/21

上の写真は今回のスライドショーでも使っているロンドンの写真家、アラン・シャラーの作品です。場所も犬の種類も分からないけれど、シャラーという写真家はモノクロ写真の専門家として知られています。

目次
1)スライドショー:ロンドン人のモノクロ生活
2)次なる英国首相はこの人?
3)キッシンジャー、100才のアタマ
4)再掲載:安楽死と動物愛護
5)どうでも英和辞書
6)むささびの鳴き声
7)俳句

1)スライドショー: ロンドン人のモノクロ生活

むささびはつい最近までアラン・シャラー(Alan Schaller)という写真家のことを全く知りませんでした。ロンドンをベースに活動している写真家で、作品はすべてモノクロ。彼によるとモノクロの方が「人間生活の現実と多様性(realities and diversities of human life)を表現するのに適しているのだそうです。

彼はまた「ストリート・フォトグラファー」とも呼ばれている。確かに都会の街角が舞台になった写真が多いように思えるけれど、「ストリート」という言葉は必ずしも都会の街角というよりも「さり気ない人間の生活ぶり」とでも表現した方がいいかもしれません。今回はロンドンを舞台にした作品を紹介させてもらいますが、別の機会には人間と共に暮らしている動物たちを主人公にしたものも紹介したいと…。

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2)次なる英国首相はこの人?

コービン元労働党党首 スターマー現労働党党首

"Sir Keir Starmer" という名前を聞いて、それが誰なのかを分かる日本人は余り多くはないと思います。この人は現在の英国労働党の党首です。ジェレミー・コービンの後を継いで党首に就任したのが2020年4月だから、もう3年になる。1962年生まれ、今年で61才。労働党の下院議員となったのは2015年ですが、職歴には検察局長官などというものがあるところからしても普通の労働党員とはちょっと違う。

過去60年の労働党党首(太字は首相も兼任)
  • Harold Wilson 1963年2月~1976年4月
  • James Callaghan 1976年4月~1980年11月
  • Michael Foot 1980年11月~1983年10月
  • Neil Kinnock 1983年10月~1992年7月
  • John Smith 1992年7月~1994年5月
  • Tony Blair 1994年7月~2007年6月
  • Gordon Brown 2007年6月~2010年11月
  • Ed Miliband 2010年9月~2015年5月
  • Jeremy Corbyn 2015年9月~2020年4月
  • Keir Starmer 2020年4月~現在

名前の最初に Sir という称号がついているけれど、ネット情報によると検察庁長官を5年間務めたことが理由である、と。現役の労働党党首で Sir という称号がついているのはこの人だけなのではないか(とむささびは考えている)。かつて労働党党首だったトニー・ブレアも今では「サー・トニー」となっているけれど、彼がサーの称号を与えられたのは首相を辞めてからのことです。

そのスターマー党首について、最近のThe Economistが次のように書いている。
  • Given that he has a fair chance of becoming Britain’s next prime minister, Sir Keir Starmer remains curiously undefined. スターマーが英国の次期首相になる可能性はかなり高い。なのに彼がどのような考え方の持ち主なのかということは殆ど知られていない。
最近の世論調査では労働党が保守党を15%もリードしている。なのに人によっては彼のことを政治的なスローガンだけで生きている「空っぽ人間:empty vessel」などとバカにする向きもある。YouGovのサイト(4月4日)が
  • Three years on, what do Britons make of Keir Starmer’s time as Labour leader? 就任から3年、英国人は労働党党首としてのスターマーをどのように評価しているのか?
という世論調査の結果を次のように報告しています。

これらのグラフは彼が党首になって1年後(2021年)から今年(2023年)4月までの彼についての評価を連続調査したものです。確かに英国の政治の世界で一方のリーダーとして君臨するにしては影が薄いという気がしないでもない。「好かれる・嫌われる」(likable/dislikable)という評価について「嫌われる」が多いというのは何故なのか?
 
▼キーア・スターマーはロンドン生まれのサリー(Surrey)育ちという「中流階級」を絵にかいたような家庭で育った。父親は工具作りの職人、母親は看護婦ですが、両親ともに熱心な労働党支持者だったのだとか。

▼現在のスターマーについて注目されるのは、EUに対する態度です。EU離脱に関する国民投票(2016年に実施された)をもう一度やるべきだと言っている。さらに現在英国で暮らしているEU加盟国の国籍保持者に対しては英国の国政選挙での投票権を与えるべきだと考えていると報道されたりしている。要するに前党首のジェレミー・コービンなどに比べると明らかにEU寄りです。

▼英国における次なる国会(下院)議員選挙は遅くとも2015年1月までに行われることが法律で決まっているけれど、首相の意志次第でこれを早めることはできるし、そうなるのではないかと言われている。つまり来年中ということです。


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3)キッシンジャー、100才のアタマ


米中対立 中露友好関係への疑問 核保有国・日本

5月17日付のThe Economistのサイトが、かつてアメリカの国務長官も務めたヘンリー・キッシンジャーとのインタビューを掲載しています。この人、1923年生まれで、今年の5月27日で100才となる。インタビューは二日間にわたって行われ、これからの世界について主に中国および米中関係を中心に語っています。二日もかけただけに掲載記事も長い長いもので、これを短くまとめることなどむささびには無理。というわけで、The Economistの編集者が「主なるポイント」として挙げた8つのポイントのうち3つの部分のみをそのまま訳して紹介します。これら以外のポイントはここをクリックして読むことができます。


米中間の対立が世界規模の紛争に発展する危険性について
On the threat of global conflict arising from confrontation between America and China
  • 我々は今、第一次世界大戦前の状態にある。つまり米中双方ともに、均衡が破れて世界を惨劇的状況に追い込んでしまうような政治的な影響力を有していない。“We’re in the classic pre-World War One situation, where neither side has much margin of political concession and in which any disturbance of the equilibrium can lead to catastrophic consequences.”
  • 双方ともに「あちら側が戦略的危険性を有している。我々は「大国同士の衝突」への道を歩んでいるのだ。“Both sides have convinced themselves that the other represents a strategic danger,” he says. “We are on the path to great-power confrontation.”
  • 平和に対する二つの大きな脅威は我々自身(米国と中国)であり、その意味で我々には人類そのものを破壊する能力があるとも言える。“The two greatest dangers to peace right now are us two [America and China]. In the sense that we have the capacity to destroy humanity.”


中露友好関係への疑問
Doubts about China’s relationship with Russia
  • 北京五輪(2022年)に際してプーチンと習近平との間で成された合意(習近平はこの会談でNATOの拡大に反対する態度を表明)以前に中国側の指導者がヨーロッパの情勢について意見を表明したことはなかったと思う。プーチンがウクライナを攻撃することを習近平は知っていたに違いない。(北京における合意は)中国側にとっては重大な約束であっただろう。 “Until the agreement between Putin and Xi at the Olympic Games, when Xi stated his opposition to nato expansion—I don’t think any Chinese leader had expressed a view on European evolution before this. Xi must have known that Putin would go into Ukraine. That is a serious Chinese commitment.”
  • 私自身は中国について好意的なことを言うロシアの指導者には会ったことがないし、ロシアについて好意的な意見を言う中国のリーダーにお目にかかったことがない。両者ともにお互いを敵視し合っている関係だった。“I have never met a Russian leader who said anything good about China. And I’ve never met a Chinese leader who said anything good about Russia, they are sort of treated with contempt.”


日本は5年後には核兵器保有国家になる
Japan will become a nuclear-armed state in five years
  • 日本について。日本は自分たちの将来について明確な展望を持っている。5年後に核保有国になるということだ。そして彼ら(日本)は我々(欧米)とは接近していたいと考えている。そうでないケースを挙げるならば、彼ら日本が我々(欧米)にとっては有り難くないような取り引きをする可能性を排除することはできないということだ。“[On] Japan. It has a pretty clear view of where they’re going; they’re heading towards becoming a nuclear power in five years. And they always want to be close to us. Except I wouldn’t exclude their making deals inconvenient to us.
  • しかし彼らにとっての心配のタネは常に中国という国であり、日本と中国の間の力関係ということになる。それと同様に、日本は自分たちの足かせとなるような国際的な多国籍制度のメンバー国であり続けるつもりもない、と私は考えている。 But they will always be worried about China, and the power relationship between them. Similarly, I don’t think Japan has any intention of being a permanent member of a global multilateral system that will constrain them.”

この他のポイントとしてキッシンジャーが述べているのは「ウクライナのNATO加盟:Ukraine should join NATO」「ウクライナと中国:Ukraine being ready to talk to China」「AIの脅威:looming threat from AI」「アメリカの分裂:domestic American polarisation」「インドの外交政策:India’s foreign policy」などの事柄で、インドの存在に注目しているのが目を引きます。
 
▼キッシンジャーについては、彼が91才のとき(2014年)にドイツの週刊誌 "Der Spiegel" との間で行われたインタビューをむささびジャーナル307号が紹介しています。その年に彼は "World Order" という本を著しているのですが、国際社会における話題の一つが3月に行われたプーチンのロシアによるクリミア併合だった。「ロシアとどう付き合えばいいと思っているのか?」という記者の質問に対しては次のように答えています。
  • ロシアは欧米にとって「使いでのある」(useful)な存在であり、そのような付き合いをするべきだということ、そのために過度にロシアを敵に回すようなことは止めたほうがいい、と。
▼国際社会における「ロシア」という存在を "useful" という言葉で位置付けている。キッシンジャーという人のアタマの中を見る思いがします。

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4)再掲載:安楽死と動物愛護

今回の「再掲載」は17年前(2006年)のむささびジャーナル81号に載ったもので、話題は人間の「安楽死:euthanasia」です。この記事が掲載されたとき、むささびは64才だった。ずいぶん昔だなぁ!重病に苦しんでいる人を見ると、おそらく誰でも「楽にさせてやりたい」と思うでしょうね。それはペットについても言える。「楽に死ぬ」ということは「楽に生きる」と同じくらい貴重なこと…かな?

人間の安楽死は「殺人」、ペットは「動物愛護」!?

むささびジャーナル81号(2006年4月2日)

英国での反応
動物に許されるのなら…
「管理」された自然

先日(2006年4月)ラジオを聴いていたら、富山県の病院で外科部長さんという人が、患者の人工呼吸装置を外した事件に関連して、安楽死のことをディスカッションしていて、法律で安楽死が許される範囲を認めるべきかどうかが話題になっていました。前回のむささびジャーナル80号で、バーミンガムの新聞のコラムニストが、30年前に自分の大叔母を安楽死させたと告白するエッセイを掲載したことをお伝えしました。

英国での反

で、このコラムニストの「告白」は普通の英国人にどのように受け取られたのか?この新聞のサイトに読者の意見がいくつか掲載されていたのですが、ここでは「典型的英国人」と(むささびが)思う意見を二つ紹介します。一つはコラムニストを非難するもので「他人の命を奪う権利は誰にもない」と言ったうえで、次のように宣言しています。
  • どのような苦しみであれ、イエス・キリストが、我々のために、木の十字架に6時間も磔(はりつけ)にされ、ローマ軍の兵隊たちによって鞭打たれ、群集からはののしられた、あの苦しみに比べればなんでもない。  No amount of suffering can be compared to the agony that Jesus did for us on a wooden cross for six hours having been scourged by the Roman Soldiers and mocked by a jeering crowd.

投稿者はかなり熱心なクリスチャンの男性のようですが、それに反論する投稿は女性からのものです。
  • なんという酷いことを言うんですか。あなたには自分が愛する人がゆっくり、ゆっくり死んでいくという場所に居合わせたことがないのでしょう。動物だってそれほどの苦しみにさらされることはないでしょう。なぜ人間だけはそうしなければならないんです? What a despicable thing to say. I imagine you have never had to sit and watch as someone you love dearly dies a slow and lingering death? An animal wouldn't be left to suffer like this so why should a human?
と、こちらはおそらく常識的というか普通感覚なのでしょう。ちなみに私が聴いた日本のラジオ番組のディスカッションでも大多数が「安楽死は場合によっては認められるべし」という意見でありました。


動物に許されるのなら…

ただ、二つ目の英国人の意見に動物のことが出て来る部分が気になります。「動物が安楽死を許されるのなら人間だって・・・」という意見が結構多いようで、上のサンプル以外にもありました。投書に見る限り、苦しんでいる動物をそのままに放置するのは、英国では「動物虐待」の罪と解釈される場合もあるようなのであります。それなのに人間となると、少なくともこの新聞への投書に見る限りは安楽死を殺人と同じように否定的に考える人が多いようです。

これは何を表わしているのか?「可愛がっている犬や猫なら苦しみから救うために命を絶ってあげてもよろしい。人間の場合はどのように苦しくても自然に死ぬまでは苦しむしかない」ということは、英国人にとって動物は人間よりも下の存在であり、面倒を見てあげる存在であるということであります。「面倒を見る」という行為の中に「命をとること」もありってこと。人間については、安楽死も自殺も神の御心に逆らう行為で、犯罪みたいなものということです。世の中、神の下で人間を中心に動いているということでありますね。


「管理」された自然

例えば英国の田園風景を見て「英国人は自然を大切にしている」と感心し、「それに引き換え日本の田園は、デッカイ広告は並んでいるし、電線はあるし、ラブホテルはあるし・・・」と嘆く人がいます。確かに日本の田園風景のひどさは情けない部分があるのですが、それでは英国のそれは「自然を大切にしている」という類のものなのでしょうか?むしろ反対で、自然を人間の好きなように「管理している」のが英国の自然・田園風景なのではないですかね。

我が家にも柴犬が3匹います。5匹いたのですが2匹は死にました。両方ともどちらかというと苦しんで死にました。我々(私と妻の美耶子)にはそのとき「安楽死」ということは全くアタマに浮かびませんでした。苦しむ犬の傍で「一緒にいる」だけでありました。無力感をイヤというほど味わったわけです。で、ついに命が消えたときには、思わず犬の身体をさすって「よかったね」と言ってやりました。

▼亡くなったワンちゃんの身体をさすりながら「よかったね」と言ったけれど、心の中で言ったもう一つの言葉は「どうもありがとう」だった。彼らには本当にお世話になったのです、むささびは。
 

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5)どうでも英和辞書
A-Zの総合索引はこちら

gender neutral:ジェンダー・ニュートラル

"gender neutral" というのは(ネット情報によると)「男女の性差にとらわれない中立的な考え方」のことを指すのだそうです。知ってました?相手を職業で呼ぶときなどに、これまでは男女の違いを言葉で表していたけれど、それは性差別に繋がるというわけで、なるべく使わないようにするのが英語の世界では流行り(?)なのだそうですね。例えばレストランなどでは男性のスタッフは "waiter" であり、女性は "waitress" というのが普通ですが、ジェンダー・ニュートラルの意識が強い人たちの間では "server" と呼ぶ、とか。飛行機の「客室乗務員」は "steward/stewardess" ではなくて "flight attendant" と。例はいろいろある。
  • 映画俳優:男も女も "actor"
  • 警官:"policeman" ではなくて "police officer"
  • 消防士: "firefighter"
  • 郵便屋さん:"postal worker/mail carrier"
などなど。ただ会話の中では、代名詞で呼ぶこともありますよね。その場合のジェンダー・ニュートラル言語は、男でも女でも "they" なのだそうです。でも…"My sister wants to be an actor..." "Do you think they will?" なんて、何だか妙だな。でも、そう言われてみると、最近は企業や政府組織の「広報担当」のことを "spokesman" ではなくて "spokesperson" と呼ぶケースが一般的になりつつありますね。

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6)むささびの鳴き声
未曾有の再掲載?

異端の意味>
▼今回は4つ目に載せた「安楽死と動物愛護」に続いて「再掲載」をもう一本掲載させてください。そんなこと、やったことがない…という意味で「未曾有(みぞう)」のこころみであります。再掲載するのは、152号の「鳴き声」に掲載した「異端の意味」という記事です。ちょっと長いかもしれないけれどご勘弁を。



むささびジャーナル152号
2008年12月21日

麻生首相が漢字の読み方を間違えたというので、いろいろ言われています。「頻繁(ひんぱん)」を「はんざつ」と読んだり、「未曾有(みぞう)」が「みぞゆう」になり、「踏襲(とうしゅう)」を「ふしゅう」とやってしまったり等々。フォーサイトという雑誌の2009年1月号に掲載された『異端妄説』というコラムも、そんな麻生さんを批判しているものの一つで、書き出しは次のようになっています。
  • 内閣総理大臣が漢字を知らないということは、笑いごとで済むような話ではない。この国の日本語能力の低下の象徴であるとともに、国家指導者の人材がいかに不足しているかを如実に物語っている。
で、締めくくりは
  • これからわが国の総理になろうという人物にはせめて漢字検定3級のテストぐらい受けてもらう必要がある。国語ができない国家運営の責任者の率いる日本など、国際社会でだれが信用するものか。
となっている。かんかんに怒っているわけであります。

むささびは「頻繁」とか「踏襲」ていどは読めるけれど、漢字検定3級(それってどんなものなのですか?)に受かる自信は全くない。自慢ではないけれど、妻の美耶子によると、むささびは「基本的な常識に欠ける」のであります。自分の常識度はともかく、美耶子さんは確かにいろいろ知っております。であるので、子供たちも「常識問題」については、母親を頼りにしていたのでございます。はっきり言って、その点は大いにコンプレックスを抱いて生きております、むささびは。

そのコンプレックス人間によりますと、麻生さんの間違いなどは「笑いごとで済むような話」なのであります。『異端妄説』のコラムニストには、「なにをキャンキャン吠えてんのさ」と言いたい。私たちが麻生さんに期待するのは、この国から少しでも貧困や犯罪や差別をなくすことであり、漢字の読み書きではない。「踏襲」を「ふみおそい」と読んでも構いません。寒空に社宅を追い出されるような人をなくしてくれればよろしいのであります。

『異端妄説』が褒めている政治家に宮沢喜一さんがおります。筆者によると、宮沢さんは「総理としての実績はいまひとつだったが、教養の深さでは天下一品だった」そうです。漢学に詳しく、英語はペラペラで、ビル・クリントンもびっくりだったのだとか。しかし教養が「天下一品」であったとしても「総理としての実績はいまひとつ」なのでは、しゃあないんじゃありませんか?(麻生さんのための注:天下一品は、"てんか・いっぴん"と読みます。"てんか・ひとしな"ではありません。食堂じゃないんだから)。

それから「国語ができない国家運営の責任者」が率いる国は、国際社会で信用されないと言いますが、ブッシュさんは「子供」の複数形をchildrensとやったりしていた。彼が国際社会の信用を落とした(とされている)のは、英語の間違いが多かったからではないでしょう。イラク戦争が間違っていたからであり、国内的には金融危機を招来するような政策をやってしまったからでしょう。"childrens"とは関係ない。

ところで「異端妄説」というコラムの名前はどういう意味なのでしょうか?「異端」は「少数派」と似たような意味であろうし、「妄説」はYahoo!の辞書によると「根拠不明のでたらめな話」とか「取るに足らぬ話」となっています。つまり、今回のコラムも「取るに足らぬ話」として笑って無視すればいいのでしょう。それを鬼の首でも取ったようにキャンキャン言ってしまった私もお恥ずかしい・・・。ボクメンダイシモナイ(「面目次第もない」の反対)。

ただ、このコラムニストの言っていることは、とても「異端」とは思えない。私、何故か、コラムニストのような人たちは、まずは「異端」であるべきだと思っております。100人中・99人が「右」と言ったら「ひょっとして左なんじゃない?」とか言ってその場をしらけさせるような存在です。麻生さんの漢字力については、どの新聞も、どの雑誌も、どのテレビ番組も「みぞゆう」を取り上げて「首相たるもの、情けない!」と嘆いていたはずです。私の考えによると、「コラムニスト」といわれる人が(しかも匿名・ペンネームで)、そんなことをわざわざ取り上げて「笑いごっちゃない!」などと書くのは、勉強のできる沢山の"お利口さん"が、出来ないヤツ(少数)をよってたかって嘲笑しているようで、読んでいて不愉快であったわけでございます。この人、ひょっとして「異端」の意味を知らないんじゃないの?!

▼だらだらと失礼しました。ところで「異端」は英語で "heresy" というのですね。カタカナで「ヘラシー」で意味としては "an opinion or belief that is the opposite of or against what is the official or popular opinion" だそうです。要するに「公式」とか「普通」の反対ということ。

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