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549号 2024/3/10 |
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ただ、イラク国民による指導層への好意的な態度はイラク国内のどこにでも見られるというものではない。同じイラクでもクルド人エリアでは指導部に対する支持率は29%にすぎず他のエリアにおける55%には遠く及ばない。 現首相のモハメッド・シーア・アルスダニ(Mohammed Shia al-Sudani)がイラク首相の座に就いたのは2022年10月のことであるけれど、昨年(2023年)のギャラップの世論調査では69%もの支持率を獲得している。5年前のイラクで一時、反政府デモが盛り上がったことがある。その時に中心となったのが30才以下という若年層のイラク国民だったけれど、現在ではこの年齢層のアル・スダニ政権への支持率は68%と高く、高齢者の間でも現政権への評価は極めて高い。 |
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4)一般教書演説:アメリカ人のアタマの中 |
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バイデン米大統領は、現地(ワシントンDC)時間の3月7日夜、上下両院合同会議で今年の施政方針を示す一般教書演説(State of the Union
Address)を行なった。この演説は、アメリカという国の現状 (State of the Union) についての大統領の見解を述べ、主要な政治課題を説明するもので、今年の演説についてはここをクリックすると原文を読むことができるし、いろいろなメディアがこれを論じているはずです。 アメリカの世論調査機関であるPew Researchが "State of the Union 2024:How Americans view 10 major issues" という資料を送付してきたので紹介します。アメリカが直面する課題10項目について、アメリカの有権者が何を想っているのかを調査したものです。 |
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アメリカ人が気にする社会問題10項目 1. Immigration: 移民 2. Economy: アメリカ経済 3. Crime:犯罪 4. Climate:気候変動 5. Israel-Hamas War:イスラエル・ハマス戦争 6. Ukraine: ウクライナ情勢 7. China:米中関係 8. Money in politics: 政治とカネ 9. Partisan polarization: 政治の分極化 10. Artificial intelligence: 人工知能 |
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1. Immigration: 移民 ほぼ8割(78%)のアメリカ人がメキシコとの国境地帯における移民の存在を「危機:a crisis」もしくは「大問題:a major problem」と見ており、共和・民主両党の支持者たちが「政府のやり方はまずい:government is doing a bad job」としている。また移民問題に対処するために移民関連の法的な関係者の数を増やすべきだとしている。 |
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2. Economy: アメリカ経済 アメリカ人が常に気に留めるのが物価高なのだそうで、今回も72%の調査対象者が食品を始めとする消費財、64%が住宅費、そして約50%がガス・石油などの燃料代の値上がりについて「非常に憂いている:very concerned」としている。 |
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3. Crime: 犯罪 バイデン政権が始まったあたりから民主・共和両党の支持者が憂慮していたのが犯罪だった。それがバイデン政権が始まった頃からすでに問題になっており、10人に7人の共和党支持者が犯罪の減少を大統領にとっての重要課題として挙げていた(民主党支持者の間では47%)。 |
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4. Climate change: 気候変動 気候変動への取り組みとなると両党の力の入れ方が異なる。今年(2024年)における優先政策とするべきだと主張する民主党員が59%も存在するのに共和党関係は12%しかいない。ただ、それでも石油にとって代わる再生エネルギーの開発には党派を超えて支持の波が広がっている。また気候変動問題への国際的取り組みにはアメリカも積極的に参加すべきだと主張する意見は全体の74%にも達している。 5. Israel-Hamas war: イスラエル・ハマス戦争 大多数(75%)のアメリカ人はイスラエル・ハマス戦争がアメリカという国の利益にとって大切だと考えているし、個人的にも大事だと言うアメリカ人が65%いる。ただ、その一方でこの戦争に対するバイデン政権の姿勢を良しとする意見は35%に過ぎず、41%がこれを否定(disapprove)、「よく分からない:not sure」という意見が24%もいる。 |
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6. Ukraine: ウクライナ戦争 この戦争が「アメリカの利益にとって大切だ」と考える人を党派に分けると「民主党81%vs共和党69%」となるけれど、昨年(2023年)末にギャラップが行った調査では、共和党支持者の半数(48%)が「アメリカはウクライナに物資を提供しすぎている:U.S. was giving too much support to Ukraine」と答えており、民主党支持者の16%を大きく引き離している。 7. China: 米中関係 制約なしの自由回答(open-ended question)で、「アメリカにとって最大の脅威は?」と質問されると、どのアメリカ人も「中国」と答えるのだそうです。中国を「脅威」と感じるアメリカ人は、大体において「中国の脅威」は経済及び防衛面で感じているけれど、その一方で別の調査では中国の技術面での発展はアメリカを抜いている(outpacing those of the U.S)と感じているアメリカ人が多いのだそうです。 8. Money in politics: 政治とカネ 政治において金銭が影響力を発揮することを避けるべしとするのは、民主党支持者(65%)も共和党支持者(60%)も似たような数字であるけれど、両方に共通しているのは献金者・ロビイスト・業界関係者は「議会における政治的な決定に対して影響力を行使しすぎる(too much influence over congressional decision-making)」と感じていることだそうです。 |
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9. Partisan polarization: 党派的分極化 アメリカ人の大半(57%)が、政治の世界では民主党・共和党という政党間の違い(disagreements)が余りにも強調されすぎる傾向にあると考えている。その割にはアメリカにとって大切な問題への注目度が低いと考えている人が78%も存在する。さらに86%ものアメリカ人が、政治家は問題解決よりも党派間の争いにうつつを抜かしている(more focused on fighting each other than on solving problems)と考えている。 10. Artificial intelligence: AI(人工知能) ギャラップの調査によると、アメリカ人の52%が、ますます大きくなっている日常生活におけるAIの働きに興奮よりも不安(more concerned than excited)を感じている。一般的に言って、アメリカ人は最新のAI技術(運転者不要の自動車・ chatbotsによる自動会話など)には関心が浅く、関連企業に対しても疑問の眼差しを向ける傾向にある。 |
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