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美耶子の言い分 美耶子のK9研究 前澤猛句集
 むささびの鳴き声 どうでも英和辞書
549号 2024/3/10

上の写真はネットから拾ってきたもので、オランダ第4の都市ユトレヒト郊外にある、ハウテン(Houten)という名前の町だそうです。人口は約5万。ハウテンは、ちょっと変わった環境都市。街の中央には、グリーンベルトと幹線自転車道が走り、自動車の通行は禁止されている。緑いっぱいの自転車道沿いに家々がならぶ様子は、まるで公園の中に街があるようです。首都のアムステルダムから電車で約40分という距離だとかで、確かに一度は行ってみたいな!

目次

1)スライドショー:「塔」の楽しさ
2)教師が怒鳴らない学校
3)イラクはどうなっているのか?
4)一般教書演説:アメリカ人のアタマの中
5)どうでも英和辞書
6)鳴き声
7)俳句

1)スライドショー:「塔」の楽しさ


今回もまたBBCのサイト(2月11日)が主催した読者による応募写真コンテスト(Towers in picture)から借りてきました。テーマは「塔:towers」なのですが、建物という意味での塔(タワー)はもちろんですが、それとは関係なく「塔のように見える」という作品も含まれています。ここに掲載されている二本の樹木は、アメリカ・インディアナ州のハンコック郡というところにある林に生えている双子の樹木です。キャプションでは「オーク」と書いてあるけれど、木肌からするとむしろヒノキとか杉のように見える。二本の間に夕陽が沈んでいくのがドラマチックではある。

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2)教師が怒鳴らない学校


懲罰は効かない 親も交えて話し合う
Unicefが認める 自分自身」という感覚
一体性促進憲章

2月22日付のBBCのサイトに "The school where teachers never shout at children"(子供たちを絶対に怒鳴らない学校)という見出しの記事が出ていました。ロンドンには全部で32の区があるのですが、そのうちの一つであるイルフォード(Ilford)という地区にある公立のアポール小学校(Uphall Primary School)がそれで、BBCによると、行儀の悪い生徒がいても、教師は絶対に怒鳴りつけてはならないというのが規則なのだとか。この記事は、この学校の校長の苦労について報告しています。


カルバーン・アトワル校長
懲罰は効かない

カルバーン・アトワル(Kulvarn Atwal)という校長によると、行いの悪い生徒についてはそれを理由に放課後も学校に留め置いたり(detentions)停学処分(suspensions)にしたりという罰を課しても決して行いが良くなることはない。彼の基本的な姿勢として
  • 生徒が過ちを犯したり、悪い行いに走ったとしても、それは生徒本人に学びの機会を与えるものなのだ。行儀を学ぶのも算数や国語を学ぶのも、それぞれの生徒にはそれぞれの学び方というものがある。中には自分の行いを律するのが難しいと思う生徒だっている。 If someone makes a mistake, if someone does something wrong, then that is a learning opportunity. Behaviour is learned in the same way as maths or English, and every child learns differently. Some find it very difficult to manage their behaviour.
というのがある。

行いの良くない生徒がいても、彼らをどこかへ閉じ込めたりするのではなく、教師は彼らと一緒に考える姿勢を示すことである、と。彼らがなぜそのような行為に走ったのか、何を考えていたのかetcについてじっくり生徒本人と話し合う。もちろん最終的には生徒が謝らなければならないし、将来は行動を改める必要があることは校長も認めている。生徒の一人はBBCに対して「学友を殴るようなことをした場合は、謝罪の手紙を書いて謝る必要がある。If they hit someone, they'll probably have to write a letter to apologise to them」と言っている。 

Unicefが認める

この小学校は、国連児童基金(Unicef)によって「子どもの権利を尊重する学校:rights respecting school」として認められており、ロンドン市役所には「暴力防止課:Violence Reduction Unit (VRU)」というセクションがあって、140万ポンド(約1億9000万円)の予算を使って 市内の学校に対してアポール小学校がやっているようなことを実施することを奨励している。VRUというセクションはサディク・カーン市長が児童を暴力の危険から守るべく作ったものです。


ロンドンでは児童による授業の欠席現象が激しく、半数以上の授業を欠席する児童の数が2018-19年の2年間では6,586人だったものが、2022-23年までの2年間では14,689人にまで増えている。停学者の数も49,404人から 56,376人へと増えている。

一体性促進憲章

VRUの責任者であるリブ・ペック氏は、最近の児童を取り巻く環境について「学校へ行かない児童を見ていると、子供たちが生命の安全さえ脅かされていることが分かる。良くない組織に取り込まれたり、暴力事件に巻き込まれたりするケースが余りにも多い」と憂慮するコメントを発表している。

VRU ではロンドン中の公立学校や区議会に対して、新しい「ロンドン一体性促進憲章:London Inclusion Charter」なるものに対して参加するように呼び掛けている。これは若者・両親・教育関係者に対して、新しい価値観に基づいて社会規範のようなものを作ろうとするもので、例えば学校の制服を決めるについては「子どもたちの意見も採り入れる」ことなどがある。
 

この市民憲章には、これまでにロンドンの32区のうちの20区が参加を表明しており、全国教師組合(National Education Union)のダニエル・ケビード委員長もこれを歓迎、「社会における公正さと機会の増大を促進することに繋がる(improve equity and life chances)」とコメントしている。

親も交えて話し合う

ただ、現実問題として、(例えば)授業の邪魔ばかりする生徒の行動を阻止するような手段はあるのか?他の生徒や教師たちに危害が及ぶような事態になった場合、教師たちは何らかの援助は期待できるのか?このあたりのことについて、最初に出てきたカルバーン・アトワル校長は「私の学校にも学校へナイフを持参する生徒がいた。学校によっては直ちに停学処分というところもあるだろう」としがらも次のようなコメントを寄せている。
  • 我々は時間をとって両親と会い、生徒ともじっくり話し合いました。そうすることで、なぜ彼が学校へナイフなど持参するのかを理解しようと思ったわけです。 We took the time and met with parents, and sat with the child, to try and understand what the reason was for bringing in a knife.

その生徒は小学校6年生だったのですが、両親に伴われずに自分だけで通学するようになったのはつい最近のことだった。彼は新聞で女性がナイフで襲われるという事件について読み、「防衛」目的でナイフを持参することにした、と。アトワル校長は次のようにコメントしている。
  • 校長としての私の仕事は、その生徒に対して「ナイフを持ち歩くことで自分自身を傷つけることになるよ」と説明することだった。しかしもし彼が停学処分になって学校から追放されてしまったら、私のような言葉を使っても彼自身の行為を変えるまでには至らないはずだ。My job was to say, by carrying that knife, you could lead to harm to yourself. But if he had just been excluded, how would that support him to change that behaviour?
 
「自分自身」という感覚

アトワル校長のようなやり方は誰も彼もの賛同を得るわけではないかもしれない。が、校長には自分で判断するという自由が与えられてもいいはずだ、とBBCの記事は言っている。VRUのペック理事長も、停学・退学のようなやり方を全面的に否定するものではないとして次のように言っている。
  • 若者たちが困難な立場に行き着くまでには様々なポイントがある。中には我々のような人間が介入する必要があることもある。ただ現在のところではそのような介入が許されてはいない。What I am saying there are lots of points before a young person gets to that situation, where I think we should look at intervening, and at the moment the system doesn’t enable that to happen
アトワル氏が校長を務めるアポール小学校は、教育監視局(Office for Standards in Education:Ofsted)の判断では「改善の余地あり:requiring improvement」とされているけれど、検査官の報告では生徒は皆「丁寧で敬意に満ち:polite and respectful」ており「安全性が保障された環境にいる」と評価している。アトワル校長は自分の教育について「児童が卒業するまでには<自分自身という感覚:sense of self>を身につけて自分の行動や感情をも管理できるようになってほしいとして次のようにコメントしている。
  • ナイフによる犯罪は一夜にしてなくなるようなものではないだろうが、我々が望むのは若い人たちが社会的にも適正な決定を行える能力を身につけることだ。We won't obliterate knife crime overnight, but we are going to give young people the ability to make decisions that are societally appropriate.
▼むささびが注目するアトワル校長の「教育方針」に "sense of self" の奨励というのがある。要するに子どもたちがそれぞれに「自分」を大事にしようとする態度のことだと思う。簡単なようで、全く簡単ではない。が、校長なりに身につけてきた人生観のようなものなのでしょうね。ぜひ大事に守ってください。

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3)イラクはどうなっているのか?

むささびジャーナルの第1号が出たのは2003年2月23日、アメリカのブッシュ(子)大統領が、イラクのサダム=フセイン政権が大量破壊兵器を保持しているとして攻撃に踏み切り、米軍主体の「有志連合」軍が侵攻、フセイン政権を倒した。「むささび」第1号に掲載されたブレア首相と英国民による対話集会では米英による対イラク軍事行動への批判が続出、結局大量破壊兵器の保持の事実は確認されず、戦争の大義に疑問が呈された。

そして2003年5月には戦闘が終了、後にフセイン大統領を拘束し、新たなイラク政府も成立したが、その後もイラク情勢は安定せずにテロ活動がやまず、アメリカ軍・英国軍などが依然として駐留を続け、問題は長期化している。そしてイラク情勢はその後も宗教対立などが続き、完全には安定していない(世界史の窓)。

モハメッド・シーア・アルスダニ首相

ただごく最近(2024年2月16日)のギャラップの調査によると、イラク国内は明らかに安定化の道を歩んでいるのだそうです。
  • イラクの国内政治や国家体制に対するイラク国民の信頼の念は、昨年(2023年)あたりから上昇し始めており、イラク国民の56%が現政権(2022年に設立)に対する信頼の念を表すまでになっている。 Iraqis’ faith in their political and national institutions soared last year, including a record-high 56% who expressed confidence in the national government, which was formed in late 2022 after a year without one.
というわけです。56%という信頼度は中東・北アフリカ諸国における国民の信頼度に比べるとかなり高いものと言える。このエリアにおける信頼度は殆どないのも同然で、あえて例外を探すとすればイラン(60%)、ヨルダン(77%)あたりということになる。


ただ、イラク国民による指導層への好意的な態度はイラク国内のどこにでも見られるというものではない。同じイラクでもクルド人エリアでは指導部に対する支持率は29%にすぎず他のエリアにおける55%には遠く及ばない。

現首相のモハメッド・シーア・アルスダニ(Mohammed Shia al-Sudani)がイラク首相の座に就いたのは2022年10月のことであるけれど、昨年(2023年)のギャラップの世論調査では69%もの支持率を獲得している。5年前のイラクで一時、反政府デモが盛り上がったことがある。その時に中心となったのが30才以下という若年層のイラク国民だったけれど、現在ではこの年齢層のアル・スダニ政権への支持率は68%と高く、高齢者の間でも現政権への評価は極めて高い。

中東各国の指導層への国民的支持率:2019年・2023年
▼これもギャラップが中東で行った国民vs政府の信頼度調査です。イラクにおける信頼度が2019年では最下位だったのに、2023年ではトップに来ている。

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4)一般教書演説:アメリカ人のアタマの中

バイデン米大統領は、現地(ワシントンDC)時間の3月7日夜、上下両院合同会議で今年の施政方針を示す一般教書演説(State of the Union Address)を行なった。この演説は、アメリカという国の現状 (State of the Union) についての大統領の見解を述べ、主要な政治課題を説明するもので、今年の演説についてはここをクリックすると原文を読むことができるし、いろいろなメディアがこれを論じているはずです。

アメリカの世論調査機関であるPew Researchが "State of the Union 2024:How Americans view 10 major issues" という資料を送付してきたので紹介します。アメリカが直面する課題10項目について、アメリカの有権者が何を想っているのかを調査したものです。


アメリカ人が気にする社会問題10項目
1. Immigration: 移民
2. Economy: アメリカ経済
3. Crime:犯罪
4. Climate:気候変動
5. Israel-Hamas War:イスラエル・ハマス戦争
6. Ukraine: ウクライナ情勢
7. China:米中関係
8. Money in politics: 政治とカネ
9. Partisan polarization: 政治の分極化
10. Artificial intelligence: 人工知能

1. Immigration: 移民
ほぼ8割(78%)のアメリカ人がメキシコとの国境地帯における移民の存在を「危機:a crisis」もしくは「大問題:a major problem」と見ており、共和・民主両党の支持者たちが「政府のやり方はまずい:government is doing a bad job」としている。また移民問題に対処するために移民関連の法的な関係者の数を増やすべきだとしている。

 

2. Economy: アメリカ経済
アメリカ人が常に気に留めるのが物価高なのだそうで、今回も72%の調査対象者が食品を始めとする消費財、64%が住宅費、そして約50%がガス・石油などの燃料代の値上がりについて「非常に憂いている:very concerned」としている。

3. Crime: 犯罪
バイデン政権が始まったあたりから民主・共和両党の支持者が憂慮していたのが犯罪だった。それがバイデン政権が始まった頃からすでに問題になっており、10人に7人の共和党支持者が犯罪の減少を大統領にとっての重要課題として挙げていた(民主党支持者の間では47%)。


4. Climate change: 気候変動
気候変動への取り組みとなると両党の力の入れ方が異なる。今年(2024年)における優先政策とするべきだと主張する民主党員が59%も存在するのに共和党関係は12%しかいない。ただ、それでも石油にとって代わる再生エネルギーの開発には党派を超えて支持の波が広がっている。また気候変動問題への国際的取り組みにはアメリカも積極的に参加すべきだと主張する意見は全体の74%にも達している。

5. Israel-Hamas war: イスラエル・ハマス戦争
大多数(75%)のアメリカ人はイスラエル・ハマス戦争がアメリカという国の利益にとって大切だと考えているし、個人的にも大事だと言うアメリカ人が65%いる。ただ、その一方でこの戦争に対するバイデン政権の姿勢を良しとする意見は35%に過ぎず、41%がこれを否定(disapprove)、「よく分からない:not sure」という意見が24%もいる。


6. Ukraine: ウクライナ戦争
この戦争が「アメリカの利益にとって大切だ」と考える人を党派に分けると「民主党81%vs共和党69%」となるけれど、昨年(2023年)末にギャラップが行った調査では、共和党支持者の半数(48%)が「アメリカはウクライナに物資を提供しすぎている:U.S. was giving too much support to Ukraine」と答えており、民主党支持者の16%を大きく引き離している。

7. China: 米中関係
制約なしの自由回答(open-ended question)で、「アメリカにとって最大の脅威は?」と質問されると、どのアメリカ人も「中国」と答えるのだそうです。中国を「脅威」と感じるアメリカ人は、大体において「中国の脅威」は経済及び防衛面で感じているけれど、その一方で別の調査では中国の技術面での発展はアメリカを抜いている(outpacing those of the U.S)と感じているアメリカ人が多いのだそうです。

8. Money in politics: 政治とカネ
政治において金銭が影響力を発揮することを避けるべしとするのは、民主党支持者(65%)も共和党支持者(60%)も似たような数字であるけれど、両方に共通しているのは献金者・ロビイスト・業界関係者は「議会における政治的な決定に対して影響力を行使しすぎる(too much influence over congressional decision-making)」と感じていることだそうです。
 

9. Partisan polarization: 党派的分極化
アメリカ人の大半(57%)が、政治の世界では民主党・共和党という政党間の違い(disagreements)が余りにも強調されすぎる傾向にあると考えている。その割にはアメリカにとって大切な問題への注目度が低いと考えている人が78%も存在する。さらに86%ものアメリカ人が、政治家は問題解決よりも党派間の争いにうつつを抜かしている(more focused on fighting each other than on solving problems)と考えている。

10. Artificial intelligence: AI(人工知能)
ギャラップの調査によると、アメリカ人の52%が、ますます大きくなっている日常生活におけるAIの働きに興奮よりも不安(more concerned than excited)を感じている。一般的に言って、アメリカ人は最新のAI技術(運転者不要の自動車・ chatbotsによる自動会話など)には関心が浅く、関連企業に対しても疑問の眼差しを向ける傾向にある。
 
▼バイデンの演説について、3月8日付のThe Economistが "Joe Biden comes out fighting against Donald Trump" という見出しで報じています。「バイデンがトランプとの戦いに参じた」というわけですよね。見出しはさらに次のようにも言っている。
  • His campaign-style state-of-the-union speech may calm Democrats’ nerves, for now あの演説は「一般教書演説」というよりも選挙運動のような感じだったが、民主党員たちの気分を落ち着かせただろう、少なくとも今のところは…
▼The Economistによると、あの演説を行うべく演台に向かったバイデンが直面していたのは「高い期待感」(high expectations)というよりも「党内における不安感」(high anxiety within his own party)だったはずだ、と。81才にもなった男に大統領選を率いる能力などあるのか?という不安感だ、というわけです。演説の中でバイデンは競争相手であるトランプについて名前(Mr Trump/Donald etc)では呼ばずに「私の前任者:my predecessor」という呼び方で終止していた…と。

▼大統領という立場にある人間が議会で演説する場合は、党派を超え、上院・下院の違いをも超越した言葉遣いでやらなければならないのに、バイデンときたらそんな慣例は全く無視してしまったというわけです。なるほどねぇ、そういう見方もあるのか!
 
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5)どうでも英和辞書
A-Zの総合索引はこちら

rubberstamp: ゴム印…?

中国経済の現状に関連して、3月4日付のBBCのサイトに次のような見出しの記事が出ています。
  • Can a rubberstamp parliament help China’s economy? ゴム印国会は中国経済の助けになるのか?
"rubberstamp" は「ゴム印」ですよね?でも "rubberstamp parliament"(ゴム印国会)って何のこと?が、 むささびが好きなCambridge Dictionaryの説明によると "rubberstamp" は "to officially approve a decision or plan without thinking about it” という意味なのだとか。「何も考えずに公的な決定を下し、計画を立てる」ということです。こんな英語、全く知りませんでしたが、言われてみると日本でも考えるのが面倒になるとゴム印のお世話になることはある、か?

で、最初に戻ると "Can a rubberstamp parliament help China’s economy?" は「軽率に承認する全国人民代表大会が中国経済の助けになるのか?」ということになる。この例文だけを見ると、何やら非現実という気がしないでもないけれどい、次のような例文を見ると "rubberstamp" もあり得ることのような気がしてくる。
  • The boss makes the decisions and the committee just rubber-stamps them. その委員会では、上役が下した決定には委員会は何も考えず判を押す。
  • They usually just rubber stamp orders under $100. 彼らは100ドル未満の注文については、通常簡単に承認してしまう。

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6)むささびの鳴き声
▼むささびが話題に窮すると、まず訪れるのが北九州にある「東八幡教会」というキリスト教会のサイトの中にある「巻頭言」という部分です。今回もそんな状態で「巻頭言」(3月3日付)のドアを叩いたら「『問い』に留まる―平和への道」という見出しのエッセイが迎えてくれました。おそらく奥田知志(おくだ・ともし)さんという牧師の手になる文章なのであろうと想像しています。

▼この教会で若松英輔さんという文芸評論家による講演会があったのですが、奥田牧師の心に残った若松さんの言葉に「問いを大切にする」というのがあったのだそうです。人間として生きて行く上で肝心なことは「問いを発する」ことである、と。ちょっと長いけれど牧師の文章を引用させてもらいます。
  • 僕らは小中高と「正解がある」という前提で勉強してきた。テストでは「正解」はただ一つ存在した。それを的確に書くことが求められた。だが、一旦社会に出ると世界はそう単純ではなかった。何が「正解」かわからない。そんな現実をさまよい歩く。「解ったら生きられる」と考えていては生きていけない。「解らなくても生きる」。そんな生き方、そんな力が必要だった。「不可解性への耐性」だ。
▼不可解性への耐性・・・むささびはこんな言葉を眼にするのは初めてなのですが、人間は「解っても解らなくても生きている」ということ。世の中、どちらかが「絶対に」正しくて、どちらかが「絶対に」間違っているということは「絶対に」ない・・・そのような世の中を生きて行くには「解らなくても生きる力」が必要である、と。奥田牧師によると、「解りやすさ」を求める人間に解りやすいことを言う人間の例として「戦争指導者」がある。彼らによると、世の中には「善」と「悪」しか存在せず、自分らは「善」、相手は「悪」、共存はない。
  • (戦争指導者は)世界を善と悪に二分し相手の存在を許さない。戦争は実にわかりやすい。しかし、そんな単純であるはずはない。どちらかが絶対に間違っていることも、どちらかが絶対に正しいこともない。あえて「絶対」というならば「戦争は絶対に間違っている」と言うべきであってどちらかが「正しい戦争」をしているということはない。だから「答えを与える人を信用しない」ということは大事な指摘だ。そして「問い続けること」が平和の道となる。
▼むささびはキリスト教徒ではないけれど、十字架にかけられたイエス・キリストが叫んだ「わが神、わが神、どうしてわたしをお見捨てになったのですか」という言葉は知っている。奥田牧師によると、イエスの最期の言葉は「どうして」だったし、それこそが「平和の君」の姿だった、と。<問われた神も「答え」を出さない。ただ沈黙のみ>である、と奥田さんは語っています。


1960年6月16日付の神戸新聞
▼正直言って、むささびには「プーチンもゼレンスキーも間違っている」とか「ネタニエフもハマスも悪い」などと言い切るような自信はないけれど、今から60年以上も前(1960年)に「安保反対」のデモ隊の一人として国会議事堂前に押し掛けて警官隊の石のような靴で蹴っ飛ばされて恐怖に震えた自分を否定する気にもなれない。いまの日本では「憲法第9条」などと口走っても怪訝な顔をされるだけなのかもしれない。あの時、むささびたちに襲い掛かってきた警官隊の背後で笑っていたのが、安倍晋三の祖父(岸信介)だった・・・何という時の経過でしょうか。

▼だらだら失礼しました。早く春になってもらいたいよね!

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