目次
1)スライドショー:ヨーロッパの街角
2)再掲載:カーティス教授の日本メディア批判
3)RFK Jrは誰が支えたのか?
4)英国人と極端論
5)どうでも英和辞書
6)むささびの鳴き声
7)俳句
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1)スライドショー: ヨーロッパの街角
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「ヨーロッパ」というと「上流」「歴史・伝統」「高級」などという言葉に代表される諸々が浮かんできません?「ヨーロッパ」と言ってもむささびが実際に眼にしたことがあるのは、英国・フィンランド・アイスランド・ドイツ・フランス・ベルギーくらいで、殆どが数時間・数日間しか経験していないので、実際には経験していないのと同じです。というわけで、ネットの世界に点在する「ヨーロッパ人のいるヨーロッパ」の写真をいろいろと集めてみました。 |
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2)再掲載:カーティス教授の日本政治メディア批判 |
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今から20年も前のことですが、むささびは日本記者クラブというところで仕事をしたことがあります。2004年1月から2009年3月までのことだから5年とちょっとということになる。日本記者クラブは新聞・放送の世界で仕事をする人たちの手助けをする組織であり、むささびの仕事は、この組織の会員となっている人たちのために記者会見や講演会などを開催することにあった。
その約5年間で手配した「講演会」の中で、むささび自身が「面白い」と感じたものの一つが、米国・コロンビア大学のジェラルド・カーティス(Gerald Curtis)教授による、日本の政治についてのトークだった。 |
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カーティス教授は1940年生まれだから今年で83才、ネットで見ると「名誉教授」という肩書になっているのですが、ウィキペディアによると「大学院生時代に日本で地方選挙の実態を徹底取材した博士論文がベストセラーとなったことをきっかけに、政権与党の実力者・財界の要人らと数十年にわたって深い関係を築き、アメリカ有数のジャパン・ウォッチャーとして知られるようになった」とのことです。
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カーティス教授の講演のテーマは「55年体制の半世紀」。55年体制とは1955年に自由党と民主党という二つの保守政党が合併(保守合同)して現在の自民党が出来た年のことです。よくも悪くも「自民党的な政治」が日本を牛耳ってきた、この50年を振り返ってみようというのが、講演の趣旨でした。
非公式な調整
カーティス教授は、この50年間の日本政治を特徴付けているものに「非公式な調整」という言葉を挙げました。英語でいうとinformal coordination。つまり「ナア・ナア」とか「ツーカー」とか「根回し」とかいうもののやり方が支配的であったということで、自民党の場合は例えば派閥政治というような形であったというわけです。いわゆる「癒着」「裏取引」などの世界でもあります。
教授のinformal coordination論を全部お伝えするにはいくらスペースがあっても足りないし私の能力では無理なので、ここでは教授が批判した「マスコミと政治」の間のinformal coordination(癒着)についてのみ触れておきます。新聞やテレビは他の分野での癒着については、いろいろと批判しますが、自分のところの癒着については余り書かないし、放送もしない。
「くっつきすぎ」
カーティス教授が特に批判したのはジャーナリストと政治家の「くっつきすぎ」です。マスコミに関係のない皆様でも「番記者」というのは聞いたことがありますよね。マスコミ各社には「小泉番」「中曽根番」という具合に、個々の政治家にぴったり張り付いて取材をする記者たちがいます。これが番記者。例えば夜中に政治家の自宅に上げてもらってご馳走になったりしながら、いろいろと情報を集めたりする。
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記者にしてみれば、そうやって政治家に近づくことで貴重な情報を手に入れたりすることができるわけですが、カーティス教授によると明らかに近づきすぎるというケースが目につくのだそうです。彼の知り合いのNHKの政治記者が、自分が密着している政治家のことを「ウチのオヤジ」という言い方をしていたケースもあった。この場合の「ウチ」というのは、この記者が「番」をしていた自民党の派閥のこと。つまりその政治家は派閥の親分。彼はおそらく自分が如何に有力な政治家に食い込んでいるかを自慢したかったのでしょう(と教授は言っていた)。
情報カルテル:記者クラブ制度
カーティスさんはさらに、日本の「記者クラブ制度」について「情報カルテル」と呼び、「もういい加減にこんなものは止めるべきだ」とはっきり言っていました。記者クラブ、ご存知ですよね?長野県の田中知事は廃止した。例えば外務省には何とかいう名前の「記者クラブ」があるのですが、それに所属していると、外務省からの発表資料をもらったり、幹部のブリーフィングに参加する機会を与えられたりする。しかし誰もが所属できるわけではない。有力な新聞や放送局でないと入れてもらえない。既得権(英語で言うとvested interestかな?)ですね。多分「むささびジャーナル」は入れてもらえないと思います。
むささびが英国大使館というところに勤務していた時に、ある英国人がらみの事件があった。警察沙汰になったもので、警視庁の記者クラブに入っていた社の記者は警視庁による会見に出席することができた。外人記者の場合は、私の記憶では参加はゆるされたけれど質問する権利は与えられなかった。カーティス教授はこのような状態を称して「情報カルテル」と批判したわけです。 |
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ワシントンでもやっている・・・?
教授の批判に対して、会場にいたある新聞社の記者が「いい記事を書くためには政治家と密着することも必要だ。必ずしも癒着とはいえないのではないか」と「くっつきすぎ」を擁護していた。また記者クラブという名前の「情報カルテル」という批判に対しては「ワシントンのホワイトハウスなんか、自分たちの親しい記者にだけ情報を与えたりするし、日本の記者クラブ以上にカルテルではないか」と反論していました。
この記者に対するカーティス教授の答えは「政治家に近づくことは悪いことではないが"ウチのオヤジ"呼ばわりするような近づきすぎはよくない」ということ。さらにアメリカのマスコミにおける情報カルテルについては「ホワイトハウスでそのようなことをやっているから、日本でもやっていい、ということにはならないのでは?」というものでした。
長々と書きましたが、実は私が最も感銘を受けたのは最後の部分でした。政治家への接近にも「程度というものがある」ということ。「常識」ですよね。「近づきすぎ」が良くない、と言っているだけなのに、近づくこと自体が悪いと言われているような、極端な議論をすることで、自分たちのやっていることを正当化するという手法は非常によくない。 |
▼それから他の国の例を挙げて「あちらでもやっているのだ。我々だけ批判するな」という言い方も実に情けない。自分たちなりの価値基準とか善悪の基準というものがないのだろうかと思ってしまう。これも結局は既得権を有する者の自己正当化にすぎない(と思われても仕方ない)。 |
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