上の写真はネットから拾ってきたもので「バオバブ:baobab」という名前らしい。周囲は45メートルなのだとか。 |
目次
1)スライドショー:アメリカを見る
2)トランプに「慈悲」を求めた主教の勇気
3)歴代大統領の職務能力
4)再掲載:身障者外交官の生き方
5)どうでも英和辞書
6)むささびの鳴き声
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1)スライドショー: アメリカを見る
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写真家集団,Magnumのサイトに掲載されている "What is America" という作品集を見ると、20~30年以上も前のアメリカという国の「日常」を見ることができる。例えば上の写真は2001年9月11日に撮影された作品なのですが、川を挟んだ向こう側に、あの「9・11テロ」に燃えるニューヨークのビル群が写っている。 |
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2)トランプに「慈悲」を求めた主教の勇気
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アメリカ版 yahoo!news(ヤフーニュース)のサイト(1月23日付)のサイトを見ていたら TIME誌からの掲載として
という見出しの記事が目に付きました。「私は絶対に謝らない…トランプと対決する主教 (Bishop) は断固としている」という意味ですよね。1月21日、ワシントンにある大聖堂で行われたこの集会は、トランプ大統領就任をお祝いする集まりでもあったらしい。その集会の説教が大統領による移民・性的少数者らを批判する政策を批判するものになったしまったということです。
ここをクリックすると主教による説教の動画と説教の原文を見ることができますが、以下、主教がトランプに直接訴えた部分の原文だけを掲載しておきます。日本語はむささびの翻訳です。 |
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大統領閣下、最後に一つだけお願いがございます。この国では何百万人という人びとが貴方を信頼しています。愛情に満ちた神の御手を感じる、と昨日貴方は国中にお伝えになりましたね。神の御名をもって私は貴方にお願い申し上げます。現在わが国において恐怖を感じながら生きている人びとに対する慈悲の気持ちをお持ちになることを。(この国には)ゲイがおりますし、レスビアンやトランスジェンダーの子どもたちもおります。彼らは全て民主党・共和党・独立派の家庭の子どもたちであり、彼らは誰もが生きることへの恐怖心を抱えております。
- Let me make one final plea, Mr President. Millions have put their trust in you. As you told the nation yesterday, you have felt the providential hand of a loving God. In the name of our God, I ask you to have mercy upon the people in our country who are scared now. There are gay, lesbian and transgender children in Democratic, Republican and independent families who fear for their lives.
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大統領閣下、自分の両親がいつかは連れ去られるのではないかと怖れている子息に対して慈悲の心をお持ちください。自分たちの国の中に存在する戦争と迫害の場を抜け出して優しさと歓迎の気持ちに満ちた場所へ移動しようとする人びとを助けてください。神は、見知らぬ人間に対しても慈悲の心を持つことを教えております。誰もが一度は異邦人であったのですから。
- Have mercy, Mr President, on those in our communities whose children fear
that their parents will be taken away. Help those who are fleeing war zones
and persecution in their own lands to find compassion and welcome here.
Our God teaches us that we are to be merciful to the stranger, for we were
once strangers in this land.
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ワシントンの大聖堂 |
神がそのお力と勇気の全てを我々の名誉のためにお与えになり、愛の真実を語り、この国と世界の人びと全てのためにお互いに腰を低くして神と共に歩を進めることをお許しください。
- May God grant us all the strength and courage to honor the dignity of every human being, speak the truth in love, and walk humbly with one another and our God, for the good of all the people of this nation and the world.
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ブッデ主教の演説について、トランプ大統領は "Truth Social" という自身のSNSでブッデ主教を「極左的トランプ嫌い:Radical
Left hard line Trump hater」であり、主教としても「まともではない:not very good at her job」と批判したりしています。トランプによると、主教は「教会に政治の世界を持ち込んだ:brought
her church into the World of politics in a very ungracious way」として、自分に謝罪することを要求しています。 |
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3)歴代大統領の「職務能力」を評価する
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アメリカの世論調査会社であるギャラップ(Gallaup)が、1953年から2025年の間に就任したアメリカ大統領の「就任初期の時点の職務能力:Initial
Job Approval Ratings 」をどの程度支持したのかについてのアンケート調査の結果を発表しています。要するに大統領への就任直後に彼らの仕事ぶりがアメリカ人にどのように評価されているのか?ということです。アンケート調査の結果は下記のように出ています。 |
1953年~2025年に就任した大統領の職務能力
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これを見ると分かるけれど、第二期トランプ大統領(2025年1月21日~27日)の職務遂行能力はGeorge H.W. Bush(父ブッシュ)やRonald Reaganの51%と余り変わらない。が、違う点もある。それはトランプに対する「不支持:Disapprove」率が極めて高いことです。 |
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評価が最も高いのはJFケネディで72%が支持している。次いで高いのはD・アイゼンハワーとB・オバマで、いずれも68%の支持を得ている。
ギャラップによると、トランプの場合、第一期における平均支持率は41%で、支持率が50%を超えたことは皆無だった。彼が大統領職を辞したのは2021年1月ですが、その時点における支持率は34%で、大統領としての支持率は最低だったとのことです。 |
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4)再掲載:身障者外交官の生き方
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2010年11月1日付のThe Independent紙に身障者の英国外交官の海外赴任が英国外務省によって拒否されたという記事が出ています。ちょっとだけ読むと、外務省の方が理不尽のように思われるかもしれないけれど、よく読むと「仕方ない」という気もしてきます。 |
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話題の外交官はJane Cordellさんという女性で年齢は44才。カザフスタンにある英国大使館の公使(ナンバー2)として赴任することになっていたのですが、耳が全く聴こえない。外交官としての仕事をするためには読唇通訳というきわめて特殊な通訳を雇う必要があるのですが、それに要するコストが1年間で24万ポンド(約3000万円)もかかる。24万ポンドという金額は、Cordellさんの給料の5倍、駐カザフスタン大使館で仕事をする英国人スタッフ全員の給料を併せたものより多いのだそうです。
外務省は、Cordellさんの駐カザフスタン公使就任について、一旦は認めておきながら、身障スタッフを採用するについてのReasonable Adjustmentという規則に合致するかどうか検討した。この規則は身障者を採用するについて、雇用主が準備しなければならない装備などに要するコストが「理にかなった(reasonable)」ものであるかどうかを検討するように求めているもので、外務省としてはunreasonableとして公使としての採用を取り消した。Cordellさんはこれを障害者に対する差別であると雇用調停委員会に訴えていたのが、この調停委員会も外務省の言い分を認めたということです。 |
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実はCordellさんが海外赴任をするのはカザフスタンが最初ではない。2年前には駐ポーランド英国大使館で安全保障問題を担当する一等書記官として仕事したことがある。そのときは身体障害にもめげず職業人として生きるお手本としてポーランドでも話題になって勲章まで貰ってしまった。そのことは英国外務省の省内報告書でも素晴らしいこととして紹介されていたのだそうです。
Cordellさんには気の毒だけれど、24万ポンドも余計に納税者のお金を使わなければならないというのでは、外務省の決定も「理にかなっている」というのが常識というもの・・・と思っていたら、同じThe Independent紙に、かつて駐ポーランド大使をしていたという人のエッセイが出ており、外務省の「常識」(common sense)に疑問を呈しています。
この人によると、この件についての外務省の対応と調停委員会の決定には大切なものが欠けている(something important is missing)のだそうです。
- この障害者外交官を(公使という)幹部職員として支援するということ自体が、世界中の耳の障害者を勇気づける強力なシグナルの発信の役割を果たすのであり、政策的にも価値観を明確に打ち出すことになる。従ってお金を払う価値があるという発想が欠けているのである。the idea that the very fact of supporting this disabled diplomat in a senior overseas position itself sends a hugely powerful signal of encouragement to deaf people round the world. That this has policy value in itself, and is worth paying for.
というわけです。しかも外務省をはじめとするお役所というものは、会計年度内にすべての予算を使い果たすということは極めて稀であり、24万ポンド程度のお金は必ず見つかるはずであり、それを彼女のために使うことで「身障者でも能力があれば幹部としての仕事させる国としての英国」を世界中に見せつけることが出来たはずであると指摘しています。この元大使は、その責任は外務省の大臣ら(Ministers)にあると言っている。 |
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5)どうでも英和辞書
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a fork in the road
分かれ道 |
Cambridgeの辞書によると、"a fork in the road" というのは、道路が二手に分かれた状態のことを言うのだそうです。日本語で言うと「分かれ道」ということになるけれど、別の言い方をすると「人生の岐路に立たされている状態」という感じですね。
Fortune 誌のサイト(2月6日)が掲載した記事には次のような見出しがついています。
- 2 million government employees received an email with the same ominous
subject line Elon Musk sent to Twitter staffers in 2022
ワシントンの政府機関で働く労働者(約200万人)の下にメールが届いたのですが、メールの題目の部分に使われていたの “a fork in the road” という言葉だった。この言葉は、3年前の2022年にイーロン・マスクがTwitterのスタッフに送り付けたのと同じだった。2022年にマスクはTwitterを買収して "X" という名前にしたのですよね。 |
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6)むささびの鳴き声
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▶をクリックしても動画にはなりません。 |
▼2月9日付のBBCのサイトが、石破・トランプ会談について次のように書いている。
- もし日本が自信を持ちたいのなら、最近不安定の度が高まっているアジア・太平洋地域おいて、日本は間違いなく現在でもアメリカ同盟国のトップであり、友好国であり、それ以上の存在であるとも言える。 If
Japan needed reassurances it was indeed still the US's top ally and friend
in the increasingly unstable Asia-Pacific, it got that and then some.
▼メディアへのコメントで石破さんはトランプについて「テレビでは怖そうだったけれど、実際に会ってみたら真面目で、パワフル、意志も強いという感じだったとのことで、彼は出発前に安倍晋三夫人を始めとして実にいろいろな人間と会うことで「トランプ研究」を怠らなかったとのこと。
▼一方のトランプですが、BBCの記事に見るかぎりドジったのは日本製鉄のことをNissanと呼び間違えた程度のことだったそうです。そんなの間違いのうちに入らないのでは!? |
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▼かつて阪神タイガースの監督も務めた吉田義男さん(上の写真左)が2月3日に亡くなりました。91才だった。むささびは生前の吉田さんの大ファンだったっけ。が、それにもまして好きだったのは、吉田さんと同時期に阪神の三塁手だった三宅秀史選手(右)だった。三宅さんは4年前(2021年)に86才で亡くなっている。本当にいい三塁手だったなぁ、三宅さんは! |
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