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むささびの鳴き声 |
036 紀子様の赤ちゃん | |
紀子様に赤ちゃんが生まれた翌日(2006年9月7日)の新聞(朝刊)の社説の見出し並べると次のようになります。
それぞれが赤ちゃんの誕生を祝福しています(当り前)が、どの見出しにも「男児」「男子」という言葉が使われています。各紙が「祝福」しているのは、単に赤ちゃんが生まれたということだけではなくて「男の赤ちゃん」が生まれたことを祝福している(というふうに私には見える)わけです。 本来ですと、それぞれの社説の中身を読んで皆様と一緒に考えるべきなのですが、それも面倒なので、この際毎日新聞の社説だけ読んでみたところ、その中で次のようなくだりがありました。 「今回の朗報で慶祝ムードが一気に広がったのも、多くの人が男児誕生を心待ちにしていたせいだろう」え、そうなんですか!?毎日新聞の論説を書いた人は、生まれたのが女の子であったら「慶祝ムード」もそれほどには盛り上がらなかった、つまり大して歓迎されなかったと思っているわけですか!? へそ曲がりぶる気は全くなしで、私は皇室・王室ことには興味がなかったし、今もない。帝王切開が「おなかを切るのよ」と家内に言われて「切腹」とどう違うのかが分からず、さぞや痛いものなのだろうと同情したりしていたわけです。ただ各紙が「男児出産」にこだわるのは、皇位継承問題があるからだ、ということぐらいは分かっており、男の子が産まれたので、当面は心配がなくなった・・・だから「こころからお喜び」ということになるのだろうということも察しがつく。 ちなみに毎日新聞は女性の天皇でもいいんじゃありませんか?という立場のようです。 それはともかく、上の毎日新聞の社説の言葉について言うと、自分が男児誕生を心待ちにしていた「多くの人」に属さない人間であることは間違いないようなので、正直言ってちょっと心細い・・・。 というようなことを考えていて、先週の日曜日(9月10日)にあるテレビ番組を見ていたら「男子ご誕生の瞬間」のテレビ局編集部の様子を伝えておりました。デスクの電話をとった編集スタッフ(30代前半とおぼしき男性)が、大きな声で「XX時XX分、男の子です!!」と叫ぶと、スタッフが全員が拍手・拍手の大騒ぎになった。さすがに泣き出す人はいなかったけれど、局あげての「慶賀ムード」という雰囲気でありました。 あの雰囲気では「女の子だったら、あんたら、どうだったの?」とか「天皇制なんて面倒だから止めたほうがいいんでない?」などとは、とても言えないだろな・・・というわけで、あの職場にいなくて済む自分の幸せを噛み締めてしまったわけです。(2006.9.17) |