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むささびの鳴き声 |
051 メディアは検察の「陰の応援団」? | |||||
堀田力という人がいますね。いまは弁護士で、社会福祉関係のNPO「さわやか福祉財団」の理事長をされています。元検事で、東京地検特捜部検事としてロッキード事件で1976年に田中角栄前首相を逮捕したことで有名ですね。この人が、退官後(1999年)に日本記者クラブで講演をして、次のようなことを言っています。
堀田さんによると「特捜部」というのは極めて孤立した組織であり、出世したい人は入りたがらないところなのだそうです。特捜部には「事件が好きで仕方がない人間」がそろっているのですが、その特捜部の人たちを支えるのは(堀田さんの言葉どおり言うと)
とのことで、堀田さんはさらに
とも言っています。この講演が行われたのは10年前のことですが、最近、民主党の小沢一郎代表の公設秘書が、西松建設という会社から違法に政治献金を受けて逮捕されたことに関連して、堀田さんの「特に政治絡みの事件は、マスコミに支えてもらうことが非常に大きな力になります」という部分が、私には非常に気になるのであります。 小沢さんの秘書が逮捕されてからの新聞の見出しはというと、あたかも秘書が100%有罪であり、民主党内での動揺が広がっていて、小沢さんが代表を続けるのは無理というニュアンスのものが圧倒的であった(と私は思います)。「小沢氏秘書 西松側と献金調整」「小沢氏秘書 下請け迂回献金も認識 西松側に入金催促」・・・。これだけの見出しを見れば「やっぱ小沢も悪いことしていたんだ。政治家なんてみんなダーティ・・・」となるのは当たり前ですよね。 この件についての新聞記事を見ると、小沢さんの秘書が不正を働いたことについて「関係者」がいろいろと証言めいたことを言っていますね。それから検察による取調べに対して、小沢さんの秘書が自白めいたことをしていることにもなっている。「関係者」というのが誰のことなのか?新聞記事に出ているようなことを、本当に秘書が検察に対して自発的に述べているのか?それを新聞記者に教えた検事側の人は誰なのか?名前は? 新聞の社説だのコラムだのを読むと「この際、政治家の汚い部分を徹底的に暴いてもらいたい。検察がんばれ!」というニュアンスの意見が圧倒的に多い。 例えば3月7日付けの朝日新聞。第一面のトップ見出しが「自民団体側も聴取へ 西松事件で地検」となっていて、社説では「国民の嘆きが聞こえぬか」と怒っている。「2大政党のどちらにも1票を入れる気にならない」のだそうです。でも、小沢さんの秘書は本当に有罪と決まったのですか?自民党の政治家が西松建設という会社にパーティー券を買ってもらったとのことですがそれは違法なのですか? ・・・というわけで、検察に逮捕されたというだけであたかも有罪であるかのような扱いをしたり、違法行為をしたわけではない議員をダーティーだと決め付けているメディアは、確かに堀田さんのおっしゃるとおり検察のための「陰の支え」となっているとしか思えませんね。これ、おかしいのではありませんか?新聞もテレビも、何故これほどまでに検察の言うこと・やることをアタマから「正しい」と決めてかかるのでしょうか?冤罪かもしれないということは考えないのでしょうか? 鈴木宗男衆議院議員は、自分のサイトで「新聞、テレビ報道は西松側、検察のリーク情報ばかりである」と言っています。検察によるリークについていうと、10年前の日本記者クラブでの講演会の会場から「検察側が大新聞に次々とリークしている。それを載せないところがあると、次はリークしないよ、と言って脅すという説すらあるが、それは本当か?」という質問が出ました。質問した人はメディアの人ではなかったのですが。それに対して堀田さんは、検察からメディアへの情報提供(リーク)があることを認めたうえで、
と答えている。検察は秘密裏に捜査したいのに、マスコミが独自に特ダネ取材をやって、検察が目をつけている人物にじかに当たってしまうと捜査そのものがうまく行かなくなる。だからそれは止めて欲しい。「その代わり、きちんと節目節目のことは発表しますから」とのことであります。
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