前回のカナダ人の書いたローマ字仕立ての日本文を読んでふと気が付いた。彼はひょっとすると英語で考えて、それを日本語に直したのではないか、と。同じことが英会話の苦手な日本人にも当てはまるような気がした。こなれた英語にもこなれた日本語にもある種の共通点があって、自然な文章というものは聴き始めた(読み始めた)時点で、その人の口からどんな文章が出て来そうかという予測がつくという経験を、我々はしばしばしているのではないか。
文法を意識すると、聴きなれた表現を使うことよりも自分で文章を作ろうとしてしまい、その結果、文としては間違っていないのにあまり聞いたことのないナントも奇妙なものになってしまう、ということはないか。それから日本人が英会話を得意になれない一つの原因として、頭の中で考えた日本文の中の漢字熟語や日本語独特な表現を易しい知っている単語で言おうとしないで、すぐに辞書で調べたくなってしまうということが、言えるのではないか。
例えば「彼は一本気な人だ」と言いたい時、「一本気」って英語でなんて言うんだろう・・・・とか、「今日の決起集会では・・・・・」の「決起」ってどう言うのだろう・・・とかである。とにかくこの種の誘惑を断ち切ることが英会話力アップの第一歩という気がする。因みに「一本気」というのはsingle-minded 、「決起集会」というのはrally 、と辞書には出ていた。 よく使われる文型に敏感になること、なるべく簡単な単語を使って人に伝えること、これが実は案外簡単ではないから厄介なのだが・・・。
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