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美耶子の言い分
012 日本人のネイティブ信仰について

最近日本に暮らす外国人で、日本人の英語教育に携わっている英語話者が都市部だけでなく、地方にも増えた。日本政府や地方行政によって、JETやALTとして雇われている外国人がかなりの数にのぼるようになっただけでなく、民間の英語学校に雇われたり、個人で英語塾のようなものをやる外国人も、昔に比べるとかなり増えたように思う。 私の極身近でも、英語を母国語とする外国人を、子供たちの英語教師として雇うことにこだわっているグループを二つ知っている。

一つは幼稚園の目玉商品(?)のひとつとして、もう一つは民間の英語塾より安く習える機会を子供たちの為に作りたいという母親達が集まって、自主的に運営しているものだ。たまたま個人的に私は両方と係わりがあって、彼らの「こだわり」や問題点について考えさせられる機会が多い。 そして、両方に共通しているのは、自分達が英語でコミュニケーションを取ることが思うように出来ないのは、ネイティブに習わなかったからだという妄信と、「英語」に対する憧れや思い込みが強い人達である、ということである。

雇い主であるその人達は、ネイティブ・スピーカーを雇いたいという思いがやたら強いにも拘わらず、その外国人と意思疎通を図ることが彼等自身およそ出来ないので、その外国人が辞めることになると、次の外国人を探す為に英語の解かる誰かの助けを借りたりしなければならず、いずれにしても大変なエネルギーを使うことになる。辞められては困る弱みがあるので、多少の我慢をしているうちに、それが結構大きな譲歩になり、雇っている側にいつの間にか不満が溜まっていくというケースも少なくない。

ネイティブ教師の一方的な態度に我慢をしたり、次の人を見つけるのに苦労したりするくらいなら、日本人でもユニークで熱心で素晴らしい英語教育の出来る人がいることを「見抜く眼」を、大人及び雇う側に持って貰いたいと私は思う。 日本人の英語教師より、教育には全く素人の外国人の方を、ただネイティブ・スピーカーという理由だけで持て囃す日本人の大人の思い込みは、困ったものだと思う。

確かに日本人英語教師の実力不足には情けない点もあるが、幼稚園や週に1回程度の英語クラブのような場合にまで、ネイティブにこだわる必要がそんなにあるだろうか、、、と疑問に思う。所詮1日の殆どを日本語社会で暮らしているのだ。「英語で考える習慣」が付くほどの時間にはなりようが無い。もし、発音のことを考えてのことならば、正しい綺麗な発音が出来る日本人で十分だと思うのである。他の国の語学教育でもこんなにネイティブにこだわっているのか、、、是非知りたいところである。