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美耶子の言い分
030 中学英語の地域格差

最近同じ飯能市の別の学区(中心地からバスで15分ぐらいかかる山村に近い地域)のH中学校に通う中学生の英語の家庭教師を頼まれてやり始めた。これまでは自宅の近くにあるK中学校(我が家の子供たちも通った)の生徒にウチに来てもらって教えていたので、別の学区のことは全く知らなかった。

勿論同じ埼玉県で同じ飯能市なので、同じ教科書を使っている中学2年生なのだが、最近あった3学期の期末テストの英語の問題を見せて貰ってびっくりしてしまった。自宅近くのK中学校の問題と比べると、まずテストの問題量が歴然と違うのだ。 私がこれまで見慣れて来たK中学の問題は紙の両面を使った3枚分なのに対して、H中学は紙をおもて面だけ使ったナント1枚半分という少なさなのである。つまりH中学生は、K中学生の4分の1の量の問題を時間内にこなせばOKというテンポに中1の時から慣れてしまう訳である。

最近あった県立高校の入学試験問題を新聞で見る限り、問題の量は明らかにK中学のものに近い。従って実際の高校入試にあたりH中学の生徒は普段慣れてきた問題量の4倍の問題をこなさなければならないという、大きなハンディを背負う事になるのだ。 何故このような余りにも大きな違いが、同じ市内の義務教育の中学校でありながら起こるのか、、、。

文部省は、やれ、ゆとり教育だ、英語教育だ、と日本全国の義務教育の学校にそのカリキュラムを表面上一律に徹底させることで、教育レベルの地域格差をなくしているつもりかもしれないが、都市部と山村部で科目ごとに明らかな格差が存在している現実を知っているのであろうか、、、。また、現場の教師達、特にこのハンディを持たされてしまっている子供たちを担当している教師達は、どういう気持ちで問題量の少ない期末試験問題を作っているのだろうか。 小さな町の中でさえ格差がこのように大きいのであるから、全国的に考えるとその格差は膨大と言ってもいいかもしれない。

しかし、私の感じた不平等感と矛盾することになるかもしれないが、おもて面だけの1枚半の英語の問題を当り前の問題量と感じている中学生の方が、両面3枚の問題を当り前と感じている中学生よりも、余力が在る分あとになってぐーんと伸びたり面白い発想をしたりするのではないか、という気も大いにするのである。