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016 フィンランドの英語教育

先日、フィンランド大使館の人と話をしていて、小学校における英語教育のことが話題になりました。フィンランドでは小学校の3年生(9才)から英語の授業があるそうです。厳密に言うと「外国語」の授業なのですが、殆ど皆英語をとるので、事実上英語の授業ということになる。あの国では、小学校の4年生になるとスウェーデン語の授業もあるらしい。それだけではない。5年生になると希望者にはもう一つ外国語の授業があるのだそうです。

小学校における英語の授業は週3時間、先生はフィンランド人だと言っておりました。私、正直言ってフィンランド語は全く分からないけれど、噂では英語などとは言語体系が全く違うと聞いたことがある。でもアルファベットを使うのだから、少なくとも日本語よりは英語に近いとは言えるのではありましょうね。いずれにしてもフィンランドでは、子供のころから英語を習うから母国語によるコミュニケーションに支障があるという風には考えられていないのでしょう。

ただ私の妻の美耶子によると、フィンランドの教育事情をレポートするテレビ番組で、あの国の父兄が、小学校で余りにも多くの外国語を教えることが子供たちにとって負担になっていると伝えていたとのことでした。ただ父兄の不満は「小さいころから外国語を教えすぎると母国語がダメになる」という類のものではないようです。

これとは別に、フィンランド好きの日本人がやっているサイトを見ていたら「フィンランドでは普通の人でもかなり英語を使える」と書いてあった。この人は、フィンランド人が英語が上手である理由の一つとして、テレビで見るアメリカや英国の映画は全て字幕付きであって、吹き替えは一切無いということを挙げていました。なるほど、それは面白いポイントですね。

私が話をしたフィンランド人は、東京の大使館で3年半勤務しているのですが、10年ほど前に大阪外語大学に留学したことがあるので、日本語もかなり出来るし、日本体験もそこそこある。彼女が日本人の英語について文句を言っていたのは、彼女が付き合った日本人のかなり多くの部分が「私は英語ができません」と言っているにも拘わらず、実際にはかなり英語が出来るケースが多かったということです。「いい加減ウンザリ」というのが彼女のコメントです。何がウンザリなのかというと「本当は(英語が)できるのに、何故"出来ない"というのか」というところです。

  • で、私もかつて英国大使館というところで仕事をしていたときに、英国人外交官と日本人ジャーナリストと一緒に昼食をとったりすることがあったわけですが、日本人の中で「私の英語はアメリカンなもんで・・・」などと妙に照れくさげに言う人がおりましたね。私のひがみ根性なのだろうとは思いますが、そのように言う人は、要するに自分が英語で話しを出来るということを示したいわけ。
  • それから口では「英語はナントいってもブリティッシュです」などといいながら、実は世界的な影響力などの点では、はるかに上を行っている米国の言葉であるアメリカン・イングリッシュを使うということに優越意識を持っているように思えてならなかったわけです。実際にはBritishもAmericanも関係ない。分かればいいんですからね。言葉遣いによる優越・劣等意識というのも可愛いいもんだと言えばそれまでだけど、アホらしい話ですよね。(2006.5.28)
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