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むささびの鳴き声 |
059 軍事評論家に「世界の常識」を教わりたくない |
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世の中のことに何かと異論を唱えるのは、落語に出て来る頑固なご隠居さんみたいで、かっこ悪いけれど、言いたいことは言いたいし・・・。2008年4月18日付けの東京新聞は、名古屋高裁が「航空自衛隊のイラク派遣は違憲」という判決を下したということを大きく伝える中で、軍事評論家の江畑謙介という人の次のようなコメントを掲載しています。
このコメントは可笑しいくらい論理がメチャクチャだと思いませんか?判決は自衛隊のイラク派遣が違憲だと言っているのに、この人はまず「とにかくイラクへ行ったんだから、自衛隊が何を運ぼうが裁判所の関知することではない」と言っている。判決は「イラク派遣=戦闘行為への参加=憲法違反」と言っているのに、この人はそれには触れないで「世界の常識」を持ち出している。 憲法違反かどうかはともかく「水や食料、燃料はいいが兵員や弾薬はだめ」というのはそれほどメチャクチャなことでしょうか?兵士も含めた人の生命が危険にさらされているのだから、それを守りましょう。でも戦いはやりません・・・というのはそれほどおかしいですか? それにイラク戦争でアメリカ軍などが勝利することに自衛隊が貢献すれば、日本の食糧不足がちょっとでも解消されるんですか?イラク戦争の「勝利」に貢献しないと日本人は飢えてしまうんですか?「現実を踏まえないと事は進まない」とおっしゃっているのですが、この場合の「事」って何なのですか? この人、軍事評論家なのですよね。つまり兵器とか軍事技術とか軍需産業のことについて、いろいろと知識を蓄積することで世の中に貢献するのが仕事です。そのような人が「日本の海外貢献のあり方」について云々するのは、私の常識からは外れている。江畑さんが語るべきなのは、航空自衛隊が何を運ぶのかということではないし、アメリカ軍を助けるべきかということもない。自衛隊の飛行機の性能などのことなのではないんですか?ましてや食料自給率のことなど、アンタに関係ないんじゃないんですか?何でまた、東京新聞はこの話題のコメント提供者として、軍事評論家を選んだのか?編集者に是非聞いてみたい。(2008.4.27)
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