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むささびの鳴き声
090 春場所中止、なんだかヘンだ

「八百長相撲があったから春場所を中止」ということに、何だかヘンだと居心地の悪さを感じているのは、もちろん私だけではないですよね。ただ何がヘンなのかについては意見や感覚が違うかもしれない。「全員を調べて膿を出し切るまでは相撲をお見せするわけにはいかない」と相撲協会の理事長さんが言っていました。協会関係者の全員を徹底的に調査するのに時間がかかるので、とても春場所には間に合わないということのようであります。

が、その膿を出し切った状態というのはどのような状態のことを言うのでしょうか?相撲の世界が何から何までやましいところは皆無の「清く正しく美しい」状態になること?そんなことが(相撲に限らず)この世の中にあり得ると思っているわけですか?全員調査して「シロ」の人だけで相撲をやろうってことですよね。でもそのような「クリーン」なんてどのくらいの期間維持できると思っているのでしょうか?八百長をやってしまった(と現段階で言われている)力士だけが、そのつど責められればいいんじゃないのですか?

テレビのニュースを見ていたら「相撲記者会・会友」とかいう、かなりのお年寄りと見られる元ジャーナリストが「日本の伝統文化に対する冒とくです!」とカンカンに怒っておりました。その顔を見て、私は心底、気味が悪いと思ってしまった。この人たちとだけは食事を一緒にはしたくないとも・・・。自分の感覚を自分で分析するならば、あれは狂信者に対する私なりの拒否反応なのではないか、というのが一つ。「相撲の世界にだけは不正があってはならない。国技なんだから」という信仰に対する狂信です。

もう一つの可能性として「偽善」に対する拒否反応ということもある。八百長なんてこれまでもあったし、これからだって絶対になくならない。でもそれを言うわけにはいかない。とりあえず無難なことを言っておこう。オレたちもこれで飯食ってるんだから・・・というヤツ。ただ、この可能性は低い。あの顔はそれほどの悪ではなかった。やはり狂信の方が可能性としては高い。だからなおさら気味が悪い。

相撲協会の理事長さんの記者会見をテレビで見ながら「膿を出し切る・・・」という言い回しも、「申し訳ありませんでした!」と言ってカメラや記者たちに向かって深々とアタマを下げるやり方も、何だか「マニュアルどおり」という気がしてしまった。ひょっとすると、これも「相撲記者会・会友」の方々によるアドバイスがあってのことかも?[2011/2/13]

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