近隣に住む外国人に日本語をボランティアで教え始めて2年とちょっとになる。日本語を学ぶ(教える)際の中身というのは、小学校で国語の授業としてやるものとも、中学・高校でやる国文法や古典文法とも、どこか違う。英語で「国語」も「日本語」も日本について言えば両方ともJapaneseなのに・・・。日本語とこのように付き合い出して、改めて「こんなに複雑なことをよく無意識で使っているものだ」と驚くことがしばしばである。
例えば日本語のテンス(時制)には「過去」と「非過去」の2種類しかないなんて、気がつかなかったし、「これ」「それ」「あれ」を正しく使うにはそれぞれの概念がなんであるのかを知らなければ、結構難しいものなんだという事など考えてもみなかった。
時制の使い方と「こ・そ・あ」の使い方で私が個人的に面白いと感じた例を紹介してみよう。まず、次の2つの文の違いは日本人ならばすぐに分かる。
☆日本に来るとき、おみやげを買いました。
☆日本に来たとき、おみやげを買いました。 |
前者は(おみやげを買ってから日本に来た)のであり、後者は(日本に来てからおみやげを買った)ということだ。それでは、次の文で正しいのはどっちか、果たして瞬時に分かるだろうか。
★家を出るとき、電気を消すのを忘れました。
★家を出たとき、電気を消すのを忘れました。 |
次に「こ・そ・あ」の使い方についての例文。基本的には、「こ」は話し手に近い場所を指すもので、「そ」は聞き手に近い場所を指すものという共通理解が日本人には無意識にあるとのこと。という理解のもとで、次の文を考えたら可笑しくて思わず笑ってしまった。誰かに背中を掻いてもらう場面を想像して
★A:「ここですか?」
B:「あ、そこ、そこ!」(???) |
で、最後に私が日本語を教えているカナダ人から送られて来たメールの一部を紹介しよう。これを読むと外国語を習得するのって大変だなぁとつくずく思う。ローマ字で書いてあるので分かりにくい。しかしこれを日本語で並べてみても、そう簡単には解らない。が、このカナダ人のやる気は素晴らしい。
Harumisama, Sumimasen kono emailwa warui romajini kaita. Demo watshino nihongowa chotto waruito kono emailwa nihongoo wakaranai. Nichiyoubiiwa tanoshimi desune. Nanio motteimasuka. Yaaa hontoni warui desuyo.
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