1)体罰を復活しよう
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教育関係の専門誌、Times Educational Supplement (TES) が行った調査によると、最近の英国の父兄の間では学校における体罰に対する拒否感が少なくなっているとのことなのですが、さらに驚き(more surprisingly)なのは、子供たち自身の間でも拒否反応が小さくなっているのだそうです。
英国の学校における体罰は1986年に法律で禁止されたのですが、それまではムチかスリッパでお尻を叩くと相場が決まっていたそうなのです。このアンケート調査によると両親の49%、児童の19%が体罰復活を望んでいるとのことです。この数字だけ見ると、親の半数以上は体罰復活を望んでいないということになるのですが、いまから3年前(2008年)の調査では73%が体罰反対であったことを考えると、反対意見が大幅に減っていることは確かなようです。
さらにこの調査によると、両親の93%、児童の68%が「教師は教室でもっと権威を持つべき(teachers need to have more authority in the classroom)」だと考えており、言うことをきかない生徒には厳しく当たるべし(tougher on unruly children)」と考えている。では具体的に何をすれば「厳しく当たる」ことになるのかというとむち打ちとかスリッパ打ちのような体罰があるわけですが、writing linesなんてのもあるのですね。何かと思ったら、トラブルメーカーに黒板に同じ文章を延々書かせる罰のことらしい。日本だと(昔は)バケツを持って教室の外に立たされるというのがあるけれど、英国にはその発想はないようです。
で、体罰以外ではというと、最もポピュラーなのがトラブルメーカーを家に帰してしまうというやり方ですが、停学・退学処分も5人に4人の親、子供たちの3分の2が賛成している。要するに小中学校において、トラブルメーカーとされる子供たちの行動が顕著に悪化している、と父兄も子供たち自身も考えているわけですが、それを改善するために最も必要なことは教師の権威回復にあると、大多数の親が考えており、「親が他人のいるところで教師の悪口を言うのは許されるべきではない」(unacceptable for parents to criticise teachers in front of other people)とまで言っているのだそうです。
▼Tim Lambertという人のサイトによると、戦前の英国では白樺の枝で背中を殴るという体罰がかなり一般的だったのだそうですね。白樺はbirchだからその枝を使った体罰はbirchingです。1948年に禁止されたのですが、刑務所におけるムチ打ち刑には1962年まで使われていたのだそうです。私の知る限りでは白樺の枝はサウナに入りながら身体を叩くと血行が良くなるというので使われている。フィンランドではお土産として売っております。
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2)いまいち乗らない?Free schoolの船出
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昨年(2010年)の7月にお送りしたむささびジャーナル192号で、キャメロン政府が進めようとしている教育改革の一環であるFree School計画について紹介しました。民間の個人・企業・組織などが自分たちで学校(小中学校)を設立、運営することを奨励しようという政策で、学校の運営に要する費用は中央政府が出すというものだった。この構想が打ち上げられてから1年半、この9月の新学期からイングランド中で24校のFree
Schoolが開校、子供たちが通い始めています。
戦後、英国の教育で常に問題となってきたのが公立の小中学校における水準の底上げですが、Free School計画を打ち出したMichael Gove教育大臣によると、公立学校は学力の点で私立学校にははるかに及ばないし、国際的にもいいとは言えない。それもこれも学校運営が地方自治体(Local
Authority: LA)というお役所の管理の下に置かれていることに原因があり、その問題解決には学校運営を民間の自主性に任せると同時に競争原理を導入することだというわけであります。税金を使っておきながら政府は「カネは出すが口は出さない」というのは乱暴な気がするけれど、これを推進する人たちに言わせると「教育熱心な親たちが集まって自分たちの学校を作りたいと思えば、中央政府がお金を出してくれるという素晴らしいアイデア」ということになる。
Free Schoolでは授業内容・日数はもちろんのこと教師の採用や給料まで、学校運営にまつわる諸々のほとんどすべてが学校の裁量に任されている。唯一の例外は生徒の入学許可で、これについては普通の公立学校と同じ規則(code)を守らなければならない。ここだけが私立学校と違うところ。Free Schoolの理念についてGove教育大臣は次のようにコメントしています。
Free schools offer a genuine alternative and they have the freedom to be different. The rationing of good schools must end. Our reforms are about creating a generation of world-class schools, free from meddling and prescription, that provide more children with the type of education previously reserved for the rich.
Free schoolは真の意味でこれまでの学校にとってかわるものであり、他とは違う教育を与える自由がある。優秀な学校は数が限られているというようなことは終わりにしなければならない。我々が推進している改革は、上からの干渉やお仕着せから自由で、世界をリードするような優れた学校を生み出そうというものである。それらの学校によって、数多くの子供たちが金持ちにのみ許されてきたような教育を受けることができるようになる。 |
「金持ちにのみ許されてきたような教育」とは、英国では私立教育のことをさすわけで、Free Schoolはそれを国の音頭で提供しようということです。スウェーデンではこのやり方で成功している例がある(と政府は言っている)。
Free schoolのアイデアにはもちろん反対意見もあります。教育に市場原理を持ち込むものであり、結局は差別につながるということもあるし、地方教育委員会の管轄外に置かれるということは、地方自治体の預かり知らぬところで教育が進められていくもので「非民主的」というのもある。
キャメロン政府にとって最大の売りものであるFree School構想、2012年までに100校、2014年までに350校の設立を目指しているのですが、9月の新学期を迎える時点ではたった24校がオープンしただけ。世論調査を見てもいまいち受けが良くないようであります。
YouGovの調査によると、Free Schoolのアイデアを支持するのは35%で、支持しないの38%を下回っている。これに「よく分からない」(unsure)の27%を加えると、大体三等分という感じでキャメロン政権の売り物政策というにはちょっとお寒いという感じであります。自分たちの地元にFree Schoolを作るという動きがあった場合、これを支持して運動に参加するという意見はわずか18%、62%もの人が「関心がない」と言っている。
▼教育大臣は「金持ちにのみ許されてきたような教育」を恵まれない階層や地域の子供たちにも授けようと言っている(ように響きますよね)。そのことからして普通の人には受けが悪くても仕方ないのでは?
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3)英国の子供たちが不幸せである理由
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9月13日付のBBCのサイトにWhy are British children so unhappy?という言葉で始まるエッセイが掲載されています。「英国の子供たちが不幸せな理由」ということですね。筆者はBBCの国内ニュース担当のMark Eastonという人なのですが、国連児童基金のユニセフが4年前に行った子供福祉についての国際比較調査で英国が欧米先進国中の最下位であったことを取り上げています。
ユニセフの調査はAn overview of child well-being in rich countriesというタイトルで発表されています。「富裕国における子供の福祉概観」という内容なのですが、欧米21カ国における児童福祉の実情を「物質的(matarial
well-being)」「健康・安全(health and safety)」「教育(educational well-being)」「家族・友人関係(family
and peer relationships)」「行動と危険(behaviours and risks)」「主観的状況(subjective
well-being)」の6項目に分けて聞き取り調査を行ったものです。私は「福祉」という言葉を使っていますが、ここではwelfareではなくwell-beingという言葉が使われています。心身・物質の面で恵まれた状態にあることで、「すこやか」という言葉の方が適当かもしれない。
言葉の定義はともかく、上記の6項目についてユニセフの調査官がそれぞれの国で親と子供に面会して聞き出したことを分析しています。その結果、6項目平均で「すこやか度」トップ5はオランダ、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、スペインで、ボトム(ワースト)5はポルトガル、オーストリア、ハンガリー、アメリカ、英国(最下位)だった。
21カ国のうちアメリカとカナダ以外はすべてヨーロッパの国々であったのですが、英国は「健康・安全」の部門での12位が最高、アメリカは「教育」の12位が最高で残りの部門はほとんどビリに近い状態だった。ワーストの中でも英米は飛びぬけて悪い「成績」であったわけです。
で、最初の言葉、Why are British children so unhappy?となるわけでありますが、手短にいうと英国は「事柄の優先順位を間違えた国」(a
country that has got its priorities wrong)というレッテルを貼られているようです。
Parents in the UK want to be good parents, but aren't sure how. They feel they don't have the time, and sometimes the knowledge, and often try to compensate for this by buying their children gadgets and clothes.
英国の両親はいい親でありたいと願っているが、どうすればいいのかが分かっていないようだ。彼らは時間も知識もないと感じており、それを子供たちにおもちゃや洋服を買ってあげることで埋め合わせようとしているのだ。 |
というのがユニセフのコメントです。アタシなんて、仕事は忙しいしアタマも悪くて何も教えてあげるものなんかないし・・・というわけで、ついつい子供にはゲームを買ってあげるということで済ませようとする、との批判ですね。スウェーデン(2位)やスペイン(5位)と比べると
In Sweden their social policy allows family time and their culture massively reinforces it. In Spain fathers do work long hours, but the extended family is still very important and women stay at home to look after their children.
スウェーデンでは、社会政策として家族で過ごす時間というものが確保され、文化的にもそれが大いに強化されている。スペインでは父親は長時間労働だが大家族というものが大事にされており、女性は家庭で子供の世話をしている。 |
それに引き換え英国では、子供が欲しがっているのが「親による注目」(parents' attention)であることに気がつかず、ついおカネを与えてしまう。
All children interviewed said that material goods did not make them happy, but materialism in the UK seems to be just as much of a problem for parents as children. Parents in the UK often feel compelled to purchase consumer goods which are often neither wanted or treasured.
面接調査をしたどの国の子供たちもモノがあっても幸せではないと言っている。英国における物質主義は子供の問題であると同時に親の問題でもあるようだ。英国の親は望まれてもいないし、大切にもされそうにない商品を衝動的に購入してしまうという傾向がある。 |
とユニセフは言っているのですが、このコメントについてBBCのMark Eastonは「英国的な生活のがっくりくるような深刻な分析だ」(It is
a profoundly depressing analysis of British life)としており、その理由として、ユニセフの分析が「真実を突いているように思える部分があるから(not
least because it rings true)」と言っています。
もちろんスウェーデンにもスペインにも物質主義というものはあるのですが、英国に比べると消費社会というものを批判的に見る傾向もある。しかし英国の両親は自分たちを囲んでいる消費社会に挑戦する方法が分からないでいる(Parents in the UK don't know how to challenge the materialist culture they see around them)というのがユニセフの調査担当者の観察のようであります。
でも、なぜ英国の親はスウェーデン人やスペイン人に比べて消費社会に無批判なのか?その理由の一つとしてユニセフが挙げているのが、英国社会における物質的な豊かさ(material well-being)の格差です。OECD平均に比べると英国における物質面での格差は群を抜いて大きいのだそうです。その結果、物質的に恵まれないクラスの親たちは、せめて他の子供たちが持っているモノだけでも買ってあげたいという競争心のようなものに取りつかれる。
ユニセフではさらに、英国の中学生たち(特に低所得層の子供たち)はスペインやスウェーデンに比べると、クリエイティブな活動に費やす積極的な時間が非常に少ないということも挙げており、英国政府が考慮すべきポイントとして「広告に関する法律改正」「家族が団欒を楽しめるようにするために給料を上げる」「子供が積極的に活動できるような施設を充実させる」の3点を挙げています。このうち広告に関する法改正は子供の消費欲のようなものを余りにも刺激しすぎるような広告を規制するということでしょう。
昨年の選挙の際、キャメロン保守党党首は「子供が人生におけるチャンスを生かすために最も大切なのはどのくらい金持ちの家庭に育ったかではなくて、両親に暖かく育てられたかどうかということだ」(what matters most to a child's life chances is not the wealth of their upbringing but the warmth of their parenting)という趣旨の演説をしたことがあるそうなのですが、BBCのMark Eastonは、キャメロンの主張とユニセフのコメントは一致しているとし
If Britain is serious about doing the best for its children, it needs to give them more time not more stuff.
英国が子供たちに最善を尽くしたいとまじめに考えているのであれば、彼らにはより多くのモノではなく、より多くの時間を与える必要がある。 |
と言っています。
▼紹介しておきながら批判的なことを言うのもおかしいのですが、この種の国際比較をやって順位付けすることには抵抗を感じます。教育レベルの国際比較などもそうですね。あくまでも一般的・全体的な数字の世界、つまり極めて抽象的な世界のことなので。
▼キャメロンは「暖かい親の愛情が大切」なんて言うけれど、ほとんど毒にも薬にもならないコメントですね。でも「広告を規制しろ」とか「給料を上げろ」とか、ユニセフなどに言われたくないという気持ちはあるでしょうね、英国の人たちには。 |
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4)世論調査(報道)の日英比較
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いきなりですが、上のグラフは英国の世論調査会社、YouGovの最近のサイトに掲載されていた政党支持率の推移を表しています。Lab=労働党、Con=保守党、LibDem=自民党、Other=「その他」への支持率で、縦軸が支持率、横軸は調査実施日です。調査実施日について言うと、16/07は7月16日、14/09は9月14日を表しているので、このグラフは過去2か月の政党支持率の推移を示している。常に労働党が保守党をリードしているのが分かります。このグラフの掲載後にYouGovがThe Sunからの委託で9月18・19日に行った調査を数字で表すと次のようになります。
労働党支持:42%
保守党支持:36%
自民党支持:10%
その他の政党支持:12%
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で、キャメロン政府がこれまでに行ってきた政策に関する評価はというと
評価する(approve):29%
評価しない(disapprove):57%
分からない(don't know):14% |
というわけで、キャメロン首相にとってはかなり厳しい数字になっています。
次に日本における似たような世論調査の例として、9月12日(月)夜7時のNHKが伝えた「野田内閣 支持率」を紹介します。すでにご存じの方もおいでかと思いますが、この調査によると、
1)政党支持率: |
民主党(24.9%)、自民党(19.1%)、その他(7.1%)、特に支持している政党はない(44.1%)
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2)野田内閣支持率: |
支持する(60%)、支持しない(18%) |
となっています。政党支持率の中の「その他」については実際の調査では公明党を始めとする5政党への支持率が出ているのですが、むささびが勝手にまとめて「その他」にしてしまいました。
私がこれらの数字を紹介するのはキャメロン政権と野田政権の現状を報告することが目的ではありません。世論調査というものについての日英比較をやってみたいと思うのであります。あるいは世論調査そのものというよりも、その結果の報告のやり方と言った方が正確かもしれないですね。
YouGovの調査結果はここをクリックしてもらうと見ることができます。かなり細かい数字が並んでいて何のことだか分かりにくいかもしれないのですが、NHKや日本のメディアに出ているこの種の世論調査に比べると調査に応じたのがどのような人たちであったのかが非常に細かく出ています。
回答者数: |
2611人 |
性別: |
男性(1269人) 女性(1342人) |
年齢: |
18~24才(316人)、 25~39才(666人)、 40~59(893人)、60才以上(736人) |
社会階層: |
上流・中流・中流下(ABC1=1488人)、熟練労働・労働・下層(C2DE=1123人) |
という具合です。この数字を見ても、世論調査に応じる人々が比較的高齢者であることが分かります。NHKの調査は「コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDDという方法」となっているだけで、実際にどのような人が意見を述べたのかは分からない。YouGovの調査がどのような方法で行われたのか分かりませんが、二日間で2611人からの回答を得ているのに対して、NHKの場合は三日間で「調査の対象となったのは1744人で、62%に当たる1087人から回答を得ました」となっています。ずいぶん違うものですね。
さらにYouGovの調査結果を見ると、昨年の選挙で保守党に投票した823人の62%がキャメロンの政治を「評価」しているのに対して、連立の相手である自民党(LibDem)に投票した人の同じ割合(62%)の人たちが「評価しない」と言っており、連立政権に対する感覚がかなり違うことが分かる・・・という具合に見て行くと、YouGovの調査結果には実にいろいろな情報が載っていることが分かります。
最後にNHKの調査における政党支持率の中で「支持政党なし」が44.1%となっています。YouGovの調査でWould Not Voteという言葉で表現されいる人たちがこれに最も近いのかもしれない。選挙があっても「投票するつもりがない」という人たちですね。これが全体の8%しかいない。日本の44.1%と余りにも違う。これはどのように理解するべきなのか?
▼英国の場合、大体においてYouGovのような会社は報道機関からの要請を受けて調査を実施するのですが、報道される場合もAccording to
The Times/YouGov survey(タイムズとYouGovの調査によると)という風に、必ず調査会社の名前が示される。調査結果が新聞やテレビで報道される場合、何から何まで報道されるわけではありません。ただ調査会社の名前が出るので、本当の詳細を知りたければその会社のサイトを見ればいいわけです。
▼日本の場合は「XX新聞の世論調査によると・・・」という具合にメディアの名前しか出ませんね。その調査の信ぴょう性は誰が保障するのでしょうか?さらに調査対象の年齢や所得層、住んでいる地域などは出ていない。要するに何も出ていない。ただ「新内閣の支持率は65%」というような言葉だけが歩きまわる。しかもどのメディアの調査もほとんど変わらない。メディアによって作り上げられた「世論」が報道によって再強化されるという感じです。
▼腹立ちついでにNHKの調査について言わせてもらうと、野田内閣を支持しない理由を聞かれると36%の人が「政策に期待が持てないから」と言っているのだそうです。電話番号を「無作為に」選んだ人の中に「期待が持てない」というほどに野田さんの政策について知識のある人が36%もいたってことですか?私など期待にも何も野田さんの政策そのものをそれほど知りませんが・・・。さらに野田内閣を支持する理由として33%もの人が「人柄が信頼できる」と言っている。これは「内閣」というよりも野田さん個人に対する信頼なのだろうと推察するけれど、それにしてもどうしてそんなこと分かるんです?!正確には「人柄が信頼できるように見えるから」ということだと思うけれど、こんなものをわざわざ「世論」として伝える必要があるのですか?
▼NHKの調査では「支持政党なし」が44.1%もいるのに対して、YouGovの調査では「(どの党にも)投票しない」が8%しかいない。日本では「支持政党なし」が多いことの理由として、政治家が悪いという言い方・考え方をすることが多いけれど、これはいい加減に止めるべきだと思います。政治的な幼稚さの表れとしか思えない。あれもイヤ・これもイヤという駄々っ子のないものねだりです。
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5)どうでも英和辞書
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wagging:イヌが尻尾を振る
イヌは嬉しいとき尻尾を振りますよね。知らなかったのですが、アメリカのあるイヌ専門サイトによると、尻尾の振り方によって意味が違うのだそうですね。どちらかというと右側に向かって振っている場合は嬉しくて振っているけれど、左側に向かって振っている場合、確かに興奮はしているのですが、気持ちとしてはどちらかというと不安な状態であるそうです。だから・・・
So if you find a street dog staring at you and wagging his tail to the left, I suggest that you'd better back off.
道端のイヌがアンタをじっと見てから尻尾を左に向けて振った場合は近寄らない方がいい。 |
有難いお告げではあるけれど、ウチのワンちゃんの尻尾の振り方を見ていても右に振っているのか左なのかなんて分からないですよ。それとこの記事のいう左だの右だのは、イヌ側から見てのことなのか、人間側から見てのことなのかが分からない。いずれにしても見知らぬワンちゃんに近付くときは気をつけた方がいい。
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6)むささびの鳴き声
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▼例によって徒然なるままに作文。NHKの朝のニュース番組で、あるランドセル・メーカーが顧客向けのサービスとして、ランドセルを購入した親からその子供への手紙を預かり、購入の1000日後にこれを配達するというのをやっているというのを取り上げていました。「1000日後」ということは、その子が小学3~4年生になったころという意味ですね。ニュースのポイントは、このほどある被災者の子供宛てに母親からの手紙が届いたということにある。
▼3年前にその手紙を書いた母親は震災で亡くなり、受け取り手の女の子は父親と姉との3人暮らし。ニュースでは、その3人が待ち受ける中、母親からの手紙が届けられる。母親は二人の娘あてに書いていたのですが、カメラの前で手紙を朗読するお姉ちゃんの方は涙が止まらない・・・で、この手紙は亡くなったお母さんと娘たちの心をつなぐ宝物になっているというニュアンスでニュースはお終い。
▼あとから「ランドセル」「母親」「手紙」というキーワードで調べたら、いろいろな人があのニュースについて感想を書いており、私の見た範囲では「感激した」という意味のものが多く、私のように亡き母親からの手紙に涙する姉妹をカメラで写して報道することへの疑問を書いたものはありませんでした。
▼母親の手紙を配達するまではいいとしても、それをニュースとして扱う感覚が私には分からないわけです。テレビ取材を受けるについて姉妹や父親が何を想っていたのかはこの際問題ではなく、テレビ局の人は、自分たちの価値基準として、この父親と姉妹をそっとしておくということについてはどう考えたのだろう?この話題に限らずテレビの画面が「涙」を映し出すことに、私などは大きな抵抗感を持っているのですが、被災地の姉妹の涙に感激する人が少なからず存在するという現実に直面して自分の方が異常なのか?と思えて自信がなくなってしまった。
▼(話題は変わりますが)いまから約10年前の2002年に「日英グリーン同盟」という植樹活動があって、日本の中のおよそ200か所の町や村に英国から取り寄せたイングリッシュ・オークという木(日本でいうとナラの一種)が植えられたのですが、私もその企画に絡みました。植えられたのは背丈が約1メートルの小さな苗木でした。
▼それらのコミュニティのうち北海道・余市町と東京都板橋区で、植えられてから今までのオークの成長ぶりを人間と一緒に撮影して記録するという企画が行われてきました。余市町の場合は2002年の植樹式に参加した幼稚園の子供たち、板橋区の場合はある家族が、それぞれ一年に一度、オークの木と並んで記念撮影をしてきたわけです。哲学的にいうとどうなるのかは分からないけれど、普通、時の流れを眼で見ることはできませんよね。でも余市と板橋から送られてきた、10年間の写真を並べてみると、時の流れを眼で見ているような気がするわけです。余市町はここ、板橋区の写真はここをそれぞれクリックしてみてください。
▼大相撲の千秋楽で白鵬が優勝するのを見ながら、いまさらながら日本人以外の力士が上位を占めていることに感慨を覚えました。私が相撲に凝っていたころの力士で思い出すのは栃錦、若乃花、松登、鏡里・・・。モンゴルだのエストニアなんてのはいなかった。私のひいきは淡路島出身の成山でありました。それにしても千秋楽の把瑠都は強かった!
▼今回もお付き合いをいただきありがとうございました。
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