▼門田さんの吉田調書非公開の理屈は子供じみていると思いますね。あの状況です、吉田さん以外の人々だって極限状況にいたはずであり、それなりに記憶違いもあるだろうし、誤解もあるはずですよね。だからこそ公開して、皆で広く検討しようというのがまっとうな発想なのでは?たまたま朝日新聞の記事が、門田さんの眼には吉田氏や原発所員たちを「貶める」ことだけを目的にしたもののように写っているだけで、私にはそれほど悪意のあるものには写っていない。もし朝日新聞の記事が門田さんが感じるほどに吉田さんらを不当に貶めているのだとしたら、朝日新聞の名にキズがつくだけなのでは?読者は門田さんが考えている(ように見える)ほどアホではない。日本人は、(むささびも含めて)あのときに何が起こっていたのかを知りたいだけであり、知る権利と必要がある。
▼門田さんは、自分の著書の中で最も印象に残っているのは、吉田さんが「一緒に死んでくれる人間」(最後まで所内に留まって注水作業を継続してもらう仲間のこと)を選んでいくシーンであると言っています。私は門田さんの著書を読んでいない。このブログ・エッセイを読むのが初めてです。従って彼の社会観や歴史観については全く知らないし、原発観も知りません。ただ彼のエッセイでは吉田さんや原発所員の涙ぐましい奮闘のことは言葉を尽くして語られるけれど、彼らをそのような絶望的な状態に追い込んだ原発というものをどのように思っているのかについては何も語っていない。日本のこれからに絶対に必要なものであり、そのために「一緒に死んでくれる人間」こそが美しい・・・ってこと? |