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ITV:王室の方では、女王が英国のEU離脱(Brexit)を支持しているとするあなたらの記事は誤解を招くうえに不正確でもあると言っている。王室の小役人ども(Royal
flunkies)がくだらんことを言っている、と? |
ギャラガー編集長:我々の記事は完ぺきに正確であり、掲載したことはすべて正しいと言える。ソースが二人いるし、あの記事は女王の(欧州に対する)見方を十分に反映していると我々は考えている。 |
Q:5年も前(2011年)の昼食会のときに女王がEUについて批判的なことを言ったというけれど、それが英国の国民投票でEU離脱を支持する発言だというのは無理なのでは? |
女王のEU批判はこれが最初ではない
A:無理だとは思わない。あのときの昼食会について我々のニュースソースは極めて細かいことまで憶えていた。それに女王がEUについて批判的なことを言うのはこれが初めてではない。バッキンガム宮殿における行事の中でも同じような発言をしており、我々にはそれについての詳細も分かっている。 |
Q:紙面に掲載したこと以外のことも知っているとのことだが、これからこの問題についてさらに記事を掲載するということか? |
A:それは分からないが、印刷した以上のことを我々が知っているのは事実だ。全部載せない理由はニュースソースの保護ということにある。いずれにしてもそれらの情報のある部分は我々が使う権利を有していることは確かだ。王室はお怒りかもしれないが、実際には記事掲載の前日にでも否定しようと思えばできたはずだ。 |
Q:つまり掲載前に彼らに記事の詳細を見せたということか? |
A:そうだ。宮殿にもニック・クレッグ(副首相・当時)にも記事を否定する機会は充分にあったのだ。なのにそれをしなかった。掲載後に強い調子の声明を発表しているが、その前に出した声明は記事内容を完全に否定するようなものではなかった、というのが私の意見だ。 |
Q:世間ではあなたらのニュースソースはマイケル・ガブ法務大臣というのがもっぱらの評判だ。そうなのか? |
反BREXITの陰謀?
A:世間が何を信じようと世間の勝手だ。我々はニュースソースを明かすことは絶対にしない。ガブ大臣を陥れようとする工作が進んでいることは事実のようだ。皮肉な見方をするならば、この一連の騒ぎはガブ大臣を離脱運動の指導的な立場から引きずりおろそうとするものともいえる。ニック・クレッグに近いグループから出た噂のようだが、クレッグには説明の責任がある。彼はこの件について最初は「憶えていない」(I don't recollect this event)と言い、次に「くだらん」(it's nonsense)と発言、今では「きっとガブに違いない」(being certain it's Michael Gove)と言ったりしている。どれが本当のコメントなのか?彼には答える義務がある。 |
Q:今回の件に関連して、情報をメディアに漏らしたということで女王に仕える枢密院(Privy Council)のメンバー(政府閣僚)による守秘義務違反だとする声もあるが、それは正当な意見だと思うか? |
女王には意見を持つ権利があり・・・
A:しかしいろいろな物事についての女王の意見はこれまでにだって知られているではないか。1986年には、女王がサッチャ-とうまく行っていないことをThe Timesが報道したことがある。女王はサッチャーの経済政策がうまくいっていないのではないかなどと疑問を呈したこともあるし、スコットランドの独立についての国民投票の際も、いかにもそれとわかるような発言(coded remarks)をした。彼女は自分の意見を大臣らに伝えることはやっているし、あたかも彼女が何についても意見を持たないというような考えをするのは、彼女にとっていいことではないはずだ。我々はジャーナリストなのだから、それらを公共の場に提供することが仕事なのだ。私は枢密院のメンバーではないのだから、その規則に縛られるものではない。 |
Q:ここ数年のThe Sunを見ていると、王室に対してあまりいい感情をもっていないように見える。あなたの読者はEUについての女王の意見などに関心があると思うか? |
A:大ありだ。この報道についての読者の反応は圧倒的に好意的だ。みんなEUについての議論に参加しているし、どの話題よりもこの件についてのメールや手紙が多い。読者にとっては重要な話題であるということだ。 |
Q:読者は反EUの立場をとる女王に対して称賛の気持ちを持っていると・・・? |
国民には知る権利がある
A:私が思っているのは、女王の考え方を国民が知るというのは素晴らしいということだ。女王の考えが世に知られることがあってはならないとか、女王は自分の本当の考えから目隠しをされるべきだなどと考えるのはナンセンスというものだ。また我々がいろいろな問題に関する女王の考えを知らされないというのは全く誤っている。国民は彼女の言いたいことを聴く機会が持てることを歓迎するべきなのだ。
I think it's marvellous that we are hearing what the Queen's views are. And I think the idea that she should be shielded from publicity and the idea she should be shielded from what she really thinks is nonsense. People should welcome the opportunity to hear what she has to say. |
Q:女王からの抗議を処理するという事態は、メディア監視機関のIPSOにとっても大きな試練だ。彼らの決定があなたたちにとって不利なものだった場合、あなた自身のクビが飛ぶということか? |
A:IPSOは彼らのやるべき仕事をやり、我々はそれを忠実に報道するということだ。私自身のクビが飛ぶというようなことはあり得ない。我々あくまでもIPSOの行動規範に従って仕事をしている。彼らが我々に不利な判断をした場合でもそれを忠実に報道するということであり、これまでにもそのようにしてきている。それが我々の姿勢だ(It's
what we do)。 |