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美耶子の言い分 むささびの鳴き声 どうでも英和辞書
第32号 2004年5月2日
前回のむささびジャーナルでも触れたイラクの人質事件をきっかけに「自己責任」というl言葉が流行っていますね。あとから人質にされた二人が記者会見をしたという新聞記事を読みました。ジャーナリスト(偶然ですがウチの近くに住んでいる)の留守家族のところへ取材に来た記者の一人が、お父さんに対して「あなたの息子がイラクへ行ってこのような事件を起こしたことについて、親として責任を感じるのか?」というニュアンスの質問をしたそうです。これ本当でしょうか?全然関係ありませんが、一年で一番いい季節は過ぎてしまいましたね。私、桜の咲き始めが一番いい季節だと思っているのであります。

目次

@ 「ブレアは間違ってる!」という元外交官の声
A 医者の信頼度が抜群
B 学校での自動販売機を規制しよう
C 短信
D マスター由による「今年のマリナーズ大予想」
E 編集後記


1)「ブレアは間違ってる!」という元外交官の声
東京では各紙の夕刊に掲載されたので、それほど多くの人の目には触れなかったかもしれませんが、英国の元外交官たち52人がブレア首相宛ての公開レターを送りつけて、彼の中東政策が誤っていることを指摘したというニュースが出ていました。いずれも中東諸国で英国大使を務めたことがある、その道の専門家で「ブッシュの政策に従うのは誤りだ」としてブレアの中東政策をかなり強い調子で批判しています。例えば
  • ブッシュ大統領とイスラエルのシャロン首相のパレスチナ問題についての最近の「合意」は「一方的かつ違法」(one-sided and illegal)であり、ブレア首相がこの政策を後押ししているかに見えるのは情けない(Our dismay at this backward step is heightened by the fact that you yourself seem to have endorsed it)。
  • イラクの現状を見ていると、サダム・フセイン後の計画というものが殆どなかったということが明らかである(The conduct of the war in Iraq has made it clear that there was no effective plan for the post-Saddam settlement)。
さらに「ブレア首相はブッシュに対する影響力を行使して、彼の中東政策を改めさせるべきである」としたうえで、「それがアメリカによって受け容れられないというのであれば、失敗に終わることが分かっている政策を支持し続けるのは間違っている」(If that is unacceptable or unwelcome there is no case for supporting policies which are doomed to failure.)と言い切っています。 以前、むささびジャーナルでも、ブレア首相が外交官(外務省)の言うことを聞かず、首相官邸にいる「アドバイザー」たちのことばかり聞いているということで、外務省のプロたちが怒っているという記事を書いたことがあります。ついに我慢できなくなったということなのでしょう。

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2)医者の信頼度が抜群
英国にMORIという世論調査会社があるのですが、そこが最近2000人を対象に行った職業別信頼度調査によると、数ある職業の中でも最も信頼されているのはお医者さんで、92%の人が「医者は真実を話してくれる」と答えたのだそうです。また10人中9人までが医者のやることには「満足である」と答えています。医者に次いで信頼度が高いのは小中学校の教師(89%)と大学教授(80%)となっている。

医者がイチバン信頼されているとするならば、信用されていない職業はというと3番目が大臣たちで「信頼している」とした人は100人に23人、2番目は?政治家で23%が「信頼している」と答えています。で、栄えある(?)「信頼度最低」という結果が出てしまった職業はなんでありましょうか?答えはジャーナリストの20%。つまり100人のうち20人だけがマスコミの伝えることを信頼しているという意味にもなりますね。政治家より信頼度が低いというのはちょっと驚きです。

また政治家が医者を見る目も調査したらしいのですが、74%が「患者中心に一生懸命やっている」と極めて好意的。「エゴイストである」と答えたのはたったの18%だった。政治家もお医者さんには悪くない感情を持っているのですね。なお一般国民の間で、医者が「儲け過ぎだ」と感じているのは16%という数字ですが、反対に「報酬が低すぎるのでは」と考えている人は47%もいる。要するにお医者さんは、給料は安いけれど社会的信用度は高いのですね、英国では。

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3)学校での自動販売機を規制しよう
知らなかったんですが、英国のほとんどの中学校には自動販売機があるのだそうです。本当ですか?が、これを除去しようという声も、特に親の間であがっている。イチバンの理由は販売機で売られている食べ物で、アブラだらけのポテトチップスとか砂糖漬けの菓子類などが槍玉に上がっており、ある調査によると児童の7割近くが週日は殆ど毎日ポテトチップスを食するのだとか。

イングランドとウェールズでは親の8割が自動販売機の除去を望んでいるそうですが、哀しいことに販売機からあがる収入が学校には貴重な財源の一部になっていると報道されています。さらに哀しいことに子供たちの食生活も親の職業によって違うそうで、お金持ちクラスの子供たちの53%が「健康に気を使ったものを食べている」と答えているのに対して、例えば生活保護などを受けている階層の子供たちの場合はこれが22%にまで下がっています。日本の中学に自動販売機なんて置いてありましたっけ?

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4)短信
天気予報のミスは罰金!? 
天気予報を間違えたら気象予報官は罰金か刑務所行き、というメチャクチャな発言をしてしまったのが、ロシアのセルゲイ・ショイグという緊急事態大臣。イタルファックス通信が伝えたもので、洪水警報が出ていたイルクーツクというところで語ったものだそうです。「もしこの警報が間違っていたら緊急事態援助のために人員派遣をした分だけ税金も無駄遣いだ。その場合は予報官が弁償しなければならない」と言ってしまったのだとか。「もちろん政府は救援のために人員や機材を送り込む用意はある。しかし・・・」というわけで弁償云々の発言に至ったらしいのであります。おそらく家庭の事情か何かでむしゃくしゃしていたのだろうとは思いますが、それを言われたのでは怖ろしくて誰も予報官なんかにはなりませんよね。

道路工事反対でナイトガウン・デモ 
英国・北ウェールズにあるティーサイドという町で夜中の12時すぎにナイトガウンを身にまとった女性のグループがデモ行進を行った・・・と地元のデイリーポストという新聞が伝えています。「何のこっちゃ!?」と思ったら、この町の道路のバイパス工事があろうことか夜中の12時から朝の6時にかけて行われ、騒音が余りにもひどいということでこれに抗議してのデモであったのだそうです。「ジェット機のエンジンのような騒音でまともに眠れなかった」というわけでカンカンに怒った主婦たちがナイトガウン姿で抗議したというわけ。おかげでバイパス工事は夜の10時にはやめるということになったらしいのですが、今年の12月までは続くのだそうです。抗議した主婦のコメントとして「娘が試験勉強を邪魔された」というのもありました。日本と似ていなくもない。

ゴルフボールを食べて食欲不振に 
英国マンチェスターのゴルフ場で飼われていたシェパード犬が、ゴルフボールを28個もおなかに溜め込んで「食欲不振」に陥っていたところを、2時間半におよぶ手術の末、摘出に成功したそうであります。デイリーレコードという新聞が伝えたもので、元気がないことに心配した飼い主が獣医さんに連れて行って分かったらしい。手術した獣医によると「レントゲンを撮るまでもなく、おなかをさわっただけで分かった」とのことです。触っただけでわかったということは、かなりの手応えであったということですよね。それにしても28個も食べるものでしょうか?犬って案外味にうるさいはずなのですが・・・。

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5)マスター由による「今年のマリナーズ大予想」

いよいよ僕の大好きな季節がやってきました。そう、プロ野球の開幕です。日本では、チーム的に応援したいのは「オレ流」落合監督率いる中日、9年ぶりに日本に復帰したバレンタイン監督率いるロッテ、そして僕が小学校の時から個人的に選手として最も応援していた伊東監督の率いる西武、個人的には日本に戻った新庄、小宮山、佐々木…と、いったいどこを応援したいのか分からない僕ですが、アメリカでは、やはり何といってもシアトル・マリナーズでしょう。

日本のスポーツ新聞のサイトを見る限りでは、日本では大リーグというとヤンキースの松井、そして今年からはメッツの松井が騒がれていますが、僕はやはり日本人大リーガーを応援するんだったらマリナーズっきゃないと思います。ということで、4月6日の開幕を前にして、自称筋金入りマリナーズファン、マスター由による「2004年のマリナーズはどうなる?」イチロー、長谷川ファンの方は注目!

先発投手:今年の成績は何といってもガルシア次第でしょう。モイヤー、ピネイロ、フランクリン、メッシュは少なくとも去年と同じくらいの力を出すと思う。もっとも、ガルシアやフランクリンあたり成績次第ではシーズン途中にトレード、ということもあるような気がしますが…。

ブルペン:ネルソン、ローズ、佐々木といったかつての「3本柱」がすべていなくなりましたが、むしろ内容的にはここ何年かよりもいいのではないでしょうか。実績では申し分ない新しい抑えのグアダード、セットアッパーの長谷川。そしてひょっとして抑えとしても使えそうなのはソリアーノ。あとは何人か補強した左の中継ぎのうち誰が使えるかどうかでしょう。

攻撃:去年(というより前からそうだが)は、何と言っても打力不足がたたってプレーオフに駒を進めることができなかった。ということで、マリナーズにしては珍しいくらい(?)シーズンオフに補強をしました。特に「V戦士」であり、守備のいいキャメロンやギーエンを放出。レフトにイバネス、サードにスピージオ、そしてショートにはオリリアといった、過去に打撃面で実績を残している新戦力を補強したのは大きい。あとはDHのマルティネスが怪我なくシーズンを通してプレーすることと、オルルッドが従来のシュアな打撃をすることでしょう。イチロー、ブーンは去年どおりやると思います。あとはシーズン途中の補強をどれだけするか、ですね。ウィンあたりは首を洗って待っていたほうがいい?

予想順位:うーん、1位と言いたいところなのですが、どうですかねえ。オークランドは、元MVPのテハダ、リリーフエースのフォークが抜けたので意外に大丈夫だと思うのですが、やはりジート、マルダー、ハドソンの3本柱は怖い?何と言ってもいやらしいのはエンゼルスでしょう。何しろ投手ではコローン、打者ではゲレロといったスター選手をごっそり獲っちゃうのだから。レンジャーズは、ロドリゲスおよびパルメイロといった強打者が抜けてくれたのは大きい。投手陣は相変わらず弱そうなので、まあ恐れるに及ばずといったところでしょう。 以上、マスター由の独断と偏見による「マリナーズ大予想」でした!

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6)編集後記
で、イラクで誘拐されたジャーナリストの父親に向かって「あなたの息子がイラクへ行ってこのような騒ぎになっていることに責任を感じるか」という質問をされた、その記者に是非ともお会いしたいですね、私としては。顔が見たいのです、顔が●30歳を過ぎた、フリージャーナリストがどこへ行こうと、父親の知ったことではない、ということがこの記者には分からないってことでしょうか?●それにしても「マスター由」なる人物を登場させていることにつきまして、むささびジャーナル編集長として陳謝いたします。今頃マリナーズがどうしたこうしたって、どうでもいいだろが!!と言っておきます。●先日、池袋の本屋で買った川柳の本がなかなかいいです。「とりあえずいちおうだいたいなんとなく」・・・という作品を作った人の親に会って、素晴しいお子さんをお育てになりましたね!と言ってあげたい。

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